UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2021/12/20)

寒くなってきて手荒れもひどくなってきました。とても効くハンドクリームがあったら教えてください。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

今後はよりパーソナライズ化が加速する――未来のモバイルUIUXデザインを考える (CreatorZine)

スマホ UI の未来についての記事です。
最近の OS のアップデートに関する話から、今後スマホがどういうものになっていくかまで、詳しく説明されていて興味深いです。
パーソナライズ化が進んでスマホが自分に近づいていく、という話は確かにそうかなと思いましたが、それにより自分が偏った情報に囲まれてしまわないか不安になりました。
OS の話でいうと、Safari のデザイン変更についても触れられていますが、個人的にはこれは未だに違和感があります。
だんだん慣れていくのでしょうか・・・?

アプリなどのGUIそのものも保護対象に 法改正後の「画像意匠」の動向紹介(使いどころ、影響) (ASCII.jp)

UI の意匠権についての記事です。
知財関連の話題は難しい内容の場合も多いのですが、この記事では実際のアプリUI など、事例と併せて説明されているのでわかりやすいです。
アイコンのデザインとかが登録されているというのは話としてわかりやすいのですが、UI 構造が意匠登録されているケースもあります。
普段ベストプラクティスに寄せる中で、そうしたデザインに知らずに近づいてしまうこともありそうで、気をつけねばと思います。

ユーザビリティについて理解を深める (ペパボテックブログ)

ユーザビリティについての記事です。
UX とユーザビリティの関係も含めて、その概念がわかりやすく説明されています。
UX の時間軸に沿ってユーザビリティの位置付けをマッピングしている例はなるほどと思いました。
ユーザビリティの最近の定義についても記載されていますが、確かにユーザビリティの解釈は自分自身の中でもずっとアップデートしてきていなかったので、こうした視点は大事だなと思いました。

デザイナーが身に付けたい4つのコミュニケーションマインド (DevelopersIO)

デザイナーのコミュニケーションについての記事です。
アウトプットのデザインだけでなく、コミュニケーションのデザインも大事ということで、コミュニケーションをどのようにとっていくか、重視すべきポイントが詳しく書かれています。
これらのポイントはデザイナーに限らず、ビジネスに関わる人はすべて大切だと思います。
セルフUX というのは興味深い言葉ですが、相手の立場に立つという意味での共感力は、仕事を円滑に進める上で一番大事なスキルかもしれないなと思いました。

Japanese design is more than minimalism (UX Collective)

日本のデザインについての記事です。
禅の流れを汲むミニマルなデザインだけでなく、広告や街中の雑然としたデザインが共存していることについて書かれています。
後者について、事前に十分な機能説明を得て安心したいという心情が説明されていますが、これは日本人特有なのかもしれないですね。
こんまりの YouTube のサムネイルの比較が興味深かったですが、それを持ち出すまでもなく、最近の日本の YouTube コンテンツはサムネイルがテキストだらけの週刊誌風デザインが多いです。
そうしたデザインが受けるということは、日本人のデザインに関する態度は変わっていないなと思うのですが、だからといってそれが悪いというわけでもなく、TPO をわきまえて両者を使い分けられるのが日本のデザインと呼べるのかもしれないと思いました。

The Next Big Thing in UX Design - Latest Digital Transformation Trends (Wire19)

UXデザインのトレンドについての記事です。
来年のトレンドになりそうな点が書かれていますが、この中で説明されている Phygital という概念は、メタバースが急速に拡大していく中でのキーワードになってくるのではと思います。
後半で紹介されているトレンドは、今までもトレンドとして挙げられていたものが多いですが、まだ発展途上ということなのかなと思います。
あるいは、Phygital やメタバースといったトレンドが盛り上がっていく中で、さらに重要性が高まっていくことになるのかもしれないと思いました。

UX関連記事 (2021/12/13)

12月は例によって Web 記事も多くなってきてありがたいのですが、目を通すだけでも大変です。大変といえば記事を書くほうがもっと大変だとは思いますが。。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

アンチパターンから考えるアプリケーションデザインの理想形 (Goodpatch Blog)

UIデザインパターンについての記事です。
モバイルアプリ開発における UIデザインでやってはいけないことがまとめられています。
機能の捉え方や切り方、機能をUIにどうマッピングするのか、といった内容はあまり他の記事では見られない大事な点で、主にエンジニア向けの要素が強いものの、誰であっても押さえるべきポイントばかりだと思います。
欲を言えば、図解や事例がもっとあると理解がはかどりそうだなと思いました。

海外のデザイン職種3選。今後求められるデザイナー像とは? (ANKR DESIGN)

デザイン関連の職種についての記事です。
こうした職種でよく出てくる Webデザイナーやグラフィックデザイナーといった切り口ではなく、比較的最近広まってきている職種が紹介されています。
ひとつ目の UXライターや、二つ目の LXデザイナーは、そうした役割を担う人は以前からいて、ノウハウもたまっているはずです。
ただ、こうして名付けられるということは、この分野の重要性が高まっていると言えるのかもしれません。
それ以外にも最近はビジネスデザイナーとかデザインエンジニアといった名前を聞く機会が増えていて、今後も関連職種が増えていくように思います。

FAQページのデザインで最低限気をつけたい7つのポイント (Workship MAGAZINE)

FAQページ、よくある質問ページについての記事です。
FAQページを作るときに注意すべきポイントについてまとめられています。
特に大事だなと思ったのが 4番目で、いかにシンプルにポイントだけ伝えるかが難しく、またやりがいのあるところだと思います。
1番目の情報整理について、ここに書かれている以外に重要なのがユーザーが本当に知りたいことの理解です。
それを深掘りすることで、類似した質問であっても異なる回答にすべきケースも出てくると思います。

17個のWebサイトから学ぶ、デザインクオリティを上げる6つのポイント (LIG)

Webサイトのデザインについての記事です。
実際のサイトを紹介しながら、デザインに必要なポイントについて説明されています。
ずいぶんユニークなサイトも多く、参考になります。
フォントについてもいくつか紹介されていますが、ブランドボイスに合わせたものや、読みやすさを重視したものなど、そのサイトに合わせたフォントを使っているのが興味深いです。
今後 Webサイトを見るとき、使われているフォントにも注目して見ていこうと思いました。

The Design of Insight (UX Collective)

インサイトを得るための方法についての記事です。
"Dossier" という単語(イタリア語?)が使われていますが、情報のコレクションという意味のようです。
情報をどう集めて、どうやってそこからインサイトを引き出すかについて説明されています。
この中で、「あらゆることを書き留める」というのは有効そうです。
個人的には大事なことくらいしか書き留めてこなかったのですが、最近は Notion などのツールを使っていつでも書き留められ、また引き出すのも楽になっているので、もっと機会を増やしたほうが良いかなと思いました。

How to Prepare for the Immersive Web (Webdesigner Depot)

没入型の Web ということで、VR などの 3D空間での Web のあり方についてまとめられています。
今までのサイトは 2D が前提となっていますが、これが 3D になったときにどうすべきか、ポイントが説明されています。
コンテンツを画面から切り離して、2D や 3D といった状況に応じて見せ方を最適化する、という視点はなるほどと思いました。
多分にメタバースを想定した記事になっていますが、そうした未来はもうすぐそこで、早く準備を進めなければならないかもしれないですね。

UX関連記事 (2021/12/06)

早くも12月ですね。よく12月は忙しいと言いますが、確かに忙しくなりそうで・・・、そういえば毎年そんな感じがしていますが、何でなんでしょうね。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

Microsoftデザインストラテジストが「ペルソナ」に警鐘を鳴らす理由 (デザインビジネスマガジン"designing")

ペルソナに関する記事です。
平均的なユーザーはいない、ということで、属性ではなく動機にフォーカスするペルソナスペクトラムについて説明されています。
私もペルソナスペクトラムは興味があって調べたことがあったのですが、動機に着目するのは非常に大事で、また実践的であると考えています。
なのでもっとこの考え方は、インクルーシブデザインの文脈だけでなく、もっと広く認知されてもよいのではと思います。
注意したいのは、平均的なユーザーを割り出すのがペルソナの役割ではないことで、「ペルソナに警鐘を鳴らす」というよりは「ペルソナの誤用に警鐘を鳴らす」と捉えたほうが良いと思いました。

2022年はこれだ!注目のWebデザイン人気トレンド16個まとめ (PhotoshopVIP)

来年トレンドになりそうな Webデザインのポイントについてまとめた記事です。
グラスモーフィズムなどは去年あたりもトレンドだと言われていた気もしますが、あまり馴染みのないようなものも含めてたくさん紹介されています。
スクロールする文字テキストはマーキーが戻ってきたみたいで懐かしいですね。
この記事も元は海外の記事ですが、海外の記事では 2021年のトレンド総まとめや、2022年のトレンドについて書かれたものが多く出てきているので、併せて確認すると面白いと思います。

「職種にしばられず誰でも人間中心設計ができる組織にする」 ゆめみの社内啓発の取り組み (U-Site)

人間中心設計専門家・スペシャリストの受験申し込みが始まっていますが、この時期この資格に関連する記事が多く出てきます。
この記事もそのうちのひとつですが、実際のプロジェクトについて、具体的にどのように進めたか、インタビュー形式で書かれているのでわかりやすいです。
元々 HCD に取り組みやすい社風があったのかもしれませんが、どの会社でもこうした地道な取り組みから HCD が広まっていくのかなと思います。
この資格、自分のやってきたことを客観的に見られる良い機会なので、受験を検討している人は是非受けてみるのがよいのではと思います。

UI Stackに基づいた状態変化に強いUIを作ろう! (デジタルアイデンティティ)

UI stack についての記事です。
コンテンツやデータのさまざまな状態に応じたUIの見せ方を考えるというもので、アプリやWebサイトの UI を考える上で欠かせない考え方だと思います。
この記事ではそれらの中身が紹介されていて、実際の画面イメージもあるのでわかりやすいです。
Empty State について書かれている部分について、スケルトンスクリーンに関しては、コンテンツが表示されるまでの体感的な時間が短く感じるという効用もありそうです。

2021 Design Tools Survey (UX Tools)

デザインツールの 2021年の利用調査です。
UIデザインからデザインシステムの管理やリサーチのリクルーティングまで、様々な観点で、世界中のデザイナーがよく使ったツールがランク付けされています。
Figma が無双状態になっていますが、他のツールも頑張って欲しいところです。
ユーザーテストに Zoom が入ってきているのは、ツールとしては確かに使うわけですが、なんだか変ですね。
日本のデザイナーはあまり回答してなさそうですが、日本だけの結果をまとめたら、この傾向とは異なってくるかもしれないなと思いました。

Multilevel Menu Design Best Practices (Toptal)

マルチレベルメニューということで、主に Webサイトで複数の情報階層がある場合のメニューデザインについてまとめられています。
具体例も記載されていてわかりやすいです。
マウスホバーによる展開は避けるという話が記載されていますが、確かに操作性やモバイルとの整合を考えると、最近はクリックやタップによる明示的な展開のほうが好まれる傾向にあるのかなと思います。
この記事でもたびたびハンバーガーメニューが登場していますが、気づきにくいという課題はまだ抱えたままのような気がしますので、そろそろ代替案が育っていってほしいなと思います。

UX関連記事 (2021/11/29)

ここ数日カレーを食べる機会が多かったのですが、連続で食べても飽きない料理はカレーくらいしかないですね。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

ウェブサービスの請求でユーザーを意図的にだます「ダークパターン」とその回避方法 (GIGAZINE)

ダークパターンについての記事です。
継続利用を促すサービスで、ユーザーの意図と反した請求になってしまうパターンなど、いくつかの事例が紹介されています。
一つ目の例はよく見かけますが、それ以外の項目はダークパターンを通り越して、やや詐欺っぽい感じがしないでもないです。
私が経験したのは、SaaS ではありませんが、携帯料金から毎月一定額がポイント移行されるサービスで、ポイントが一定期間経過すると消えてしまうものです。
課金したものなので、自動で消えるってどうなの・・・?と思い、サービス自体信頼できなくなってやめました。

UXデザインにおける「けもの道」現象を考える (ビートラックス)

提供者側で考えた導線ではなく、ユーザーが自然と自分の近道として使う導線についての記事です。
「けもの道」と表現されていて、UX について説明するときによく見る写真も掲載されています。
ユーザーのふるまいを観察して、それに合うようにデザインを考えていく、という点について説明されています。
これはいわゆる10ヒューリスティックスにもある「ユーザーの主導権」の話にも近く、ある程度ユーザーが自由に使えるよう UI を設計しておくというのは大事だなと思います。
これを読んで思ったのは、既存サービスにおいても提供者側が意図しない導線とか使い方をユーザーがしているケースも多いのではという点です。
仕様変更などの折には、ちゃんとリサーチしないとダメだなと思います。

ECサイトのデザイントレンド7選。2022年は「ライトモード」が来る? (Workship MAGAZINE)

ECサイトで来年トレンドになりそうな UI のポイントについての記事です。
ライトモードやスキューモーフィズムなど、リバイバルヒット的なものが紹介されていますが、後者については、以前のようなものに回帰するというより、もう少しフラットデザインと融合したものになるのではと思っています。
ライブサーチ(インクリメンタルサーチとも呼ばれます)については、すでに主流になっていて、対応は必須になってきていると思います。

100個の小売アプリを調査してみえてきた、使われるアプリのポイント (サイバーエージェント小売DXチーム)

小売アプリで必要なポイントについての記事です。
たくさんのアプリを調査した結果としていくつかのポイントが紹介されていますが、共通しているのはアプリを店内で使う文脈に合わせるというところなのかなと思います。
個人的に課題だと思っているのがしばらくした後の使われ方で、帰宅後しばらく行かなければアンインストールされてしまいそうです。
それなら Webサイトでも良さそうな感じがしますし、なぜアプリを提供するのか、そのあたりの価値から考える必要があると思います。

Core concerns of UX in the Metaverse (UX Collective)

最近バズワードのようになっているメタバースについての記事です。
メタバースはこれからさらに盛り上がっていくと思われますが、この記事では UXデザイナーとして気をつけるべき点が説明されています。
どちらかというと行動規範や対人のインタラクションなど、メタバースの中の世界をどう構築するか、という観点が多いです。
ページからステージへ、という観点や、ユーザーはその前ではなく、その中へ、という観点はなるほどと思いました。

20 design articles we're thankful for in 2021 (Webflow Blog)

今年参考になったデザイン関連の記事についてまとめられています。
分類別に分けられていてわかりやすいです。
私も知っている記事も多かったですが(中身をちゃんと読んでいるかというと、中途半端なところはありますが・・・)、知らなかったものもあり、助かります。
こうした記事のまとめはどんどん出てきてくれるといいのですが、日本の場合等、あまり見つかりません。
私は普段記事を収集しているので、ちょっと作ろうかなと思いました。
(でも時間が・・・。)

UX関連記事 (2021/11/22)

週末は月食だったようですが、見事に見逃しました。そういえばたくさんの人が空を見上げていたような・・・。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

BALMUDA Phoneには何が欠けているのか 「デザイン」と「新規参入」のジレンマ (ITmedia NEWS)

バルミューダスマートフォンについては、発表から多くの記事が出ていますが、この記事は体験のデザインが不足しているのでは、という観点で書かれています。
まだ多くの人が実際に触れられていないのでなんとも言えませんが、あまり賛同的ではない意見も多く、それはこの記事で説明されているような期待も大きかったせいなのかなと思います。
バルミューダなら Android の制約がない根本からデザインしてほしい気もしますが、やはり OS から作るとなると割に合わないのでしょうね。。 それにしても、こんなに多くの人が反応を示すくらい注目される会社はなかなかないと思うので、今後も頑張ってほしいです。

「勝手にポイ捨てが減る」ごみ箱のデザインを、行動経済学から考える (IDEAS FOR GOOD)

行動経済学(行動デザインといってもいいかもしれませんが)についての記事です。
ゴミ箱にゴミを捨てるよう促すデザインが、ナッジチェックリストの分類別に、いくつか紹介されています。
どれもユニークでなるほどと思わせるものが多く、いろいろな地域で取り入れるのいいのではと思います。
自転車で走りながらゴミを捨てるのは、別にいったん降りてもいいのではと思ってしまいますが。
なお、チェックリストの Timely の事例がないですが、これは例えば食べ歩きでちょうど食べ終わるくらいの位置にゴミ箱を設置する、とかいうのが当てはまるかもしれません。

タスク指向UIは悪なのか? 業務管理ツールに初めて関わったデザイナーがOOUIを読んで考えたこと (nextbeat design)

オブジェクト指向UIとタスク指向UIについての記事です。
それぞれの良い点、向いている使い方がまとめられています。
記事で書かれている通り、結局はユーザーにとって使いやすい UI になるように設計していく必要があると思います。
タスク指向 UI の使いどきについて追加があるとすれば、ユーザーがそのオブジェクトが何か理解できていないとき、というのがあると思います。
また、オブジェクト指向 UI の利点としては、画面を減らせて開発工数を削減でき、保守性が上がる、という開発側のメリットも無視できないと思います。

UXとUIの比較以上の勉強をしよう (UX TIMES)

UX と UI についての記事です。
私は UI/UX の併記はありだと思っているので、この記事の内容には共感できます。
ただ、この両者の比較は日本だけでなく海外でもコンスタントに出ており、正しく認識して、そこから考えを深めていくというのは良いことだと思います。
なお、コンテンツ × UI というのは一時的 UX の話だというのは引用元のツイートでも話しており、これを元に、ユーザーが誰か、どういう状況か、時間軸を見て良い体験になるようにしていくのは必要そうですね。

What Rage Clicks Can Tell Us About User Experience (UX Booth)

怒りのクリック、ということで、ユーザーテストでイライラしたときのクリックについて把握して適切に対処する、ということが説明されています。
途中で出てくる動画も参考になります。
確かにボタンを連打したくなるケースはありそうで、なぜそうしたくなったのか、ちやんと分析するのが良さそうです。
怒りとは関係ないクリックも説明されていて、私も文章を読みながら意味もなくテキストを範囲指定することがあり、なるほどあれかとしました。

How UX Design Has Changed Over the Last Decade (The Creative Momentum)

UXデザインの10年間についての記事です。
この10年で変わったもの、変わらないものについてまとめられています。
スマホが出てすぐの頃から比べると、様々なベストプラクティスが出てきて、モバイルのガイドラインができたり、ハードも高性能化して、その UX は成熟してきていると思います。
UX の手法については、データを用いたテストについて触れられていますが、それ以外の定性調査は変わっておらず、今後もしばらくは変わらないのかもしれないと思いました。

UX関連記事 (2021/11/15)

Good Design Exhibition を見てきました。開催規模が小さくなっていて少し寂しい感じがしましたが、ひとつひとつじっくり見られたので、それもそれで良いのかもと思いました。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

FacebookのUIはどのように変化している?ユーザー離れを起こさないUIの変更方法とは (Swings)

UI の変更についての記事です。
Facebookmixi の UI変更を例にとって、徐々に変更する場合、一気に変更する場合についてのメリット・デメリットなどがまとめられています。
ユーザーの「慣れ」がとても大事なポイントだというのはその通りだと思います。
Webサイトとアプリの場合で対応方針も変わってきそうで、後者だと新旧 UI の同時提供がやりにくいとか、アップデートしてくれるかどうかでサポートが変わってきそうなところを注意する必要がありそうです。

デザイナー消滅の危機?専門職の概念がなくなる時代 (ビートラックス)

デザイナーがいなくなる、というか、みんながデザイナーになる時代、ということについて記載された記事です。
デザイナーとエンジニアの垣根がなくなるという話は以前からありましたが、人事やカスタマーサポートなど、すべての職種でデザインが必要になっているということだと思います。
専門職の概念がなくなるまでいくかどうかはわかりませんが、誰もがデザイン的な観点、クリエイティブでユーザー中心な考え方を持つ必要がある、というのは今後さらに重要になってきそうです。
それはそうと、最初に出てくるデザイン領域の図表はわかりやすいなと思いました。

デザインをさらによくする色遣い (U-Site)

主に Webサイトの色遣いについての記事です。
色彩の基本的な考え方や、Webサイトでの適用方法について詳しく書かれています。
特に後者について手順立てて書かれており、これくらい丁寧に書かれているものはなかなかないのでありがたいです。
最後のほうに色遣いのテストについて書かれていますが、これが大事なポイントで、特にコントラストなどはアクセシビリティの低下につながるので注意したい点だと思います。

【UX初級編】UXリサーチャーになる前に知っておくべき役割と用語5選を紹介 (メンバーズ)

UXリサーチについての記事です。
マーケティングリサーチとの違いや、よく使われる用語の解説など、わかりやすく説明されています。
記事で触れられている、普段から製品やサービスを観察する癖をつける、というのはかなり大切な視点だと思いました。
用語について最後に紹介されているエスノグラフィー調査ですが、説明の内容としては行動観察に近いのかもしれません。

Horizontal versus Vertical Rating Scales (MeasuringU)

アンケートなどでの段階的評価について、縦配置と横配置で差が出るかどうかについての記事です。
統計的に差があると言えるかどうか、調査結果を元に細かく説明されています。
結果的には両者に差があると言えず、その点ではどちら向きに配置しても影響はないと言えそうです。
ただ、文中でも記載のある通り、PC ユーザーが横配置、モバイルユーザーが縦配置での調査が前提なので、その点は留意する必要がありそうです。
例えばモバイルで横配置にした場合、右側に行くのにスクロールが必要なら影響はあるはずなので、基本的にデバイスに応じた配置というのは担保しないとですね。

Top 11 UX Certifications to Boost Your Career [2022 Guide] (Springboard Blog)

UX 認定プログラムについての記事です。
アメリカのプログラムが多いので日本で受講するとなるとなかなか難しい部分もあると思いますが、最近はこの中で紹介されている Google の認定プログラムを日本から受講している人も増えているようなので、調べてみると良いかと思います。
それ以外のプログラムはけっこう高価なものが多いです。
日本のもので言えば、HCD-Net の認定資格が有名ですが、これはちょうど今申し込み受け付けを開始したようです。

UX関連記事 (2021/11/8)

Good Design Exhibition を見てきました。開催規模が小さくなっていて少し寂しい感じがしましたが、ひとつひとつじっくり見られたので、それもそれで良いのかもと思いました。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

ユーザーインタビュー中に避けるべき、5つのファシリテーションの誤り (U-Site)

ユーザーインタビューについての記事です。
インタビューで気をつける必要のある点が 5つ紹介されていて、どれも大事な点だと思いました。
あまり読む時間のない方も、「こうした誤りを回避するには」の部分は押さえておくと良いように思います。
個人的に 3番目の点は、人手が足りないときにメモしながら聞いてしまうときがあり、気をつけないとだなと思いました。 ただ、自分の発言がメモされているとわかることで、調査に役立っている感情を生み出し、被験者との信頼関係がよりよく構築できるような気もしますが、どうなのでしょうか。

コーヒー1杯分の値段で、あなたのコピーをテストする (KOTOBA UX)

コーヒーを奢る代わりにコピーライティングのテストをお願いするという記事です。
いわゆる「ゲリラユーザビリティテスト」と同じかと思いますが、そうしたケースのテストでのより良いすすめ方や注意すべき点について説明されています。
日本人だとなかなかひとりのカフェの時間に割り入ってこられるのは抵抗のある場合が多そうで、なかなかスムーズにはいかないかもしれません。
ただ、記事では家族や友人など、比較的敷居の低いものも紹介されているので、まずはそうしたほうを試すのが良いのかなと思いました。

Webデザイナーさんに耳寄りな情報!webサイトの配色のトレンドについて (SeleQt)

Webサイトの配色に関する記事です。
多くの人がサイトのデザイン、中でも配色で企業の信頼性を決める、とのことで、今年のトレンドとなる配色について説明されています。
4位になっている「未来的な配色」は、いわゆるネオンカラーに近いのかもしれません。
2位だけサンプルがありませんが、自然の造形物をモチーフにしたものと解釈すれば良い感じでしょうか。
なお、原文では順位付けされていないので、それぞれの重要度はそこまで変わらなそうです。

変化するEコマース。電子から「つながり」「実験」「エシカル」「公平」「エコシステム」へと進化する“E”の意味 (ネットショップ担当者フォーラム)

Eコマース(電子商取引)の変化についての記事です。
いくつか「E」の意味するところが増えてきている、ということで、具体例を交えて紹介されています。
こうした傾向は以前からあったようにも思いますが、コロナ禍を経て活発になってきているのかもしれません。
特にエシカルな観点は今後も加速していくのではと思います。
最近の潮流でいうと、これに Ecological も入ってきてよいように思いますが、海外ではもはや当たり前なのでしょうか。

User Research - Is It Necessary? (UX Planet)

ユーザーリサーチは必要なのか?という問いかけをした記事です。
デザインスプリントを行う上で、ユーザーリサーチはほとんど行わずにスケジュールを圧縮して、実際のユーザーテストでちゃんと確認する、ということで、そのプロセスや進め方について説明されています。
事前のユーザーリサーチよりユーザーテストでの気づきのほうが多い、とか、リサーチをやってもやらなくても仮説という点は変わらない、など、示唆に富む内容になっています。
個人的には事前のユーザーリサーチは必要だとは思いますが、確かに時間がかかりすぎて、その中で紆余曲折があって軌道修正する必要が出てきたりしてしまうこともあります。
スピード感を意識してライトな感じに取り組めるといいなと思います。

5 Tips for Designing Great Website Navigation (Webdesigner Depot)

Webサイトのナビゲーションについて記載された記事です。
上部や左端に置かれたナビゲーションについてのベストプラクティスが、具体例と一緒に説明されています。
最後のほうはちょっと宣伝ぽくなっていますが、挙げられている 5つのポイント自体は納得できるものだと思います。
3番目の現在のページをハイライトするというのは意外と対応されていないサイトが多い気がするので、対応されていくといいなと思います。
(その場合でもそのリンクはクリッカブルである必要があると思いますが。)