UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2020/9/28)

いきなり寒くなって、早くも暑い夏が恋しくなりました。そういう人はたくさんいるはず。(私だけ?) さて、先週一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

UXデザインに役立つ6つの心理学の法則 (UX MILK)

心理学の法則について説明された記事です。
こうした記事は海外の記事で定期的にありますが、日本語で読めるからありがたいですね。
最初に出てくるヤコブの法則やメンタルモデルについて言えるのは、ユーザーの慣習とか慣れとかはかなり無視できないものだということです。
奇抜なものが必要となるケースもあると思いますが、普段は馴染みのあるものを選択すべし、ということになると思います。

「Web回帰」か「アプリ」か。コロナをめぐって「モバイル利用時間」が変化している【eMarketerレポート】 (Business Insider Japan)

コロナによるモバイルでの行動変容について記載した記事です。
アメリカの調査結果なので、日本とはやや異なる部分もあるかもしれませんが、だいたい実感と合っているように思います。
プッシュの開封率が上がったというのも、在宅勤務や退職などでモバイルにかけられる時間が増えているのかなと思われます。
タイトルにもある、Web かアプリか、については、アプリ優勢ながらも今後はその垣根がなくなっていくと書かれています。
ただ、これはずっと言われていることで、なかなか実現されないのは、アプリストアで利益を上げやすいプラットフォーマーが本気を出してないからなのかも、と思ってしまいます。。

UIUX デザイナーと仕事をする際にプロダクトマネージャーとして持っておきたい 8 つのマインドセット (Fritz)

UIUXデザイナーとの業務でのポイントについてまとめられている記事です。
より一般的な職種に置き換えてみると、企画職がビジュアルデザイナーとの業務で気をつけるべき点とも言えそうです。
実際マインドセットととして書かれた項目を見ると、PDM のほうが UX を考えていそうな気もしてきますが、それはさておき、ここで挙げられている項目は、違う担当とのコミュニケーションのコツとして捉えても有効だと思います。
根底にあるのは相手に対するリスペクトで、こう変えたいという意見や結果だけを伝えるのではなく、相手の思考を辿り、自分の意見も理由とともに伝えて相談する、というような歩み寄りが大事だなと思います。

6 Important Aspects of Well-Performing Mobile Product Page Breadcrumbs (Baymard Institute)

パンくずリストに関する記事です。
主にモバイルの ECサイトでのパンくずリストについて、その課題や解決方法について、実際のユーザビリティテストの結果を踏まえて詳しく解説されています。
かなりわかりやすく、結論とそこに至る理由を含めて、パンくずリストを検討する際にはこの記事だけ読めば十分のように思います。
その中の一つの示唆として、そもそもカテゴリーをたくさんつくらないこと、というのがありますが、何よりも情報構造の設計が大事だと思いました。

UX mental model, implementation and represented models in UX and development (Point Jupiter)

メンタルモデルに関する記事です。
上のほうの記事でもメンタルモデルに少し触れていますが、こちらはがっつり詳しい説明が書いてあります。
説明を読めばよく理解できますが、特に文中の Gif アニメがわかりやすいです。
メンタルモデルの説明を読むと、ユーザーに理解してもらおうと UI とか文言をひねり出すより、ユーザーの理解が違ってもいいからそれを吸収する UI にすべきだな、と感じます。
それはなかなか難しいチャレンジであるわけですが。

Emotional Landing Pages: We Must Feel to Buy (UX Magazine)

直訳すると「感情的なランディングページ」ですが、ランディングページから受ける感情的な側面について分析すべきという記事です。
競合他社のランディングページを分析したり、自社製品を分析したりするとき、ユーザーの感情にフォーカスし、どういうメッセージをどうやって伝えるべきかが書かれています。
確かにこうした分析をしてメッセージが定まって初めて共感を呼ぶビジュアルやキャッチコピーが出来上がっていくのかなと思います。
感情つながりで、エモーショナルデザインに関する記事もちょうど以下の記事がありましたので紹介しておきます。

UX関連記事 (2020/9/21)

4連休いかがお過ごしでしょうか。月曜日に早く起きてしまいましたが、祝日は自動でアラーム鳴らないようにしてほしいところです。
さて、先週一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

モバイルアプリにスプラッシュ画面をつくることの利点 (Adobe Blog)

スプラッシュ画面とは、アプリ起動時に最初に表示されて自動で消えるスタート画面のことで、アプリや会社のロゴの場合が多いです。
これを用意する利点や、その方法について説明されています。   スプラッシュ画面の代わりに、アプリの画面上のコンテンツをぼやかして表示するプレースホルダーUI を使うこともできますが、最近はアプリ起動時にはやはりスプラッシュ画面を使うように戻ってきている気がします。
記事で書かれているように、期待感を持たせるという観点でスプラッシュ画面が優れているからかもしれません。
それでも、それを表示するために実際の起動時間が遅くなるのは避けたいものです。

Zoomはセキュリティーを犠牲に勝ったのか、プロダクトデザインの理想と現実 (日経クロステック)

Zoom はセキュリティよりも UX を優先しているかどうかについての記事です。
ここでの解説としては、サービスの成長に伴いセキュリティについてもかなり適切に対処してきているとのことですが、最初にイメージがついてしまうのがこの問題の難しいところです。
ただ、ちょうど今ドコモ口座をはじめとした金融関連の問題があるので、日本ではセキュリティと UX がトレードオフではなく、セキュリティに対する安心感も、良いUXに欠かせない要素になっていくのではと思います。

UI・UXデザイナーが影響を受けた映画作品 (A.C.O. ブログ)

デザイナーが影響を受けた映画ということで、複数人のオススメが紹介されています。
単純に個人の好みによる紹介も多い気がしますが、物語性やビジュアル表現などが学ぶべきポイントであることがわかります。
あと、よく言われるのが SF映画のデバイスやインターフェースがイノベーションのヒントになるという点で、映画を見るときは、そうした細かい点にも注意して鑑賞すると役に立つのかもしれません。

横丁というUX (in-Pocket)

虎ノ門横丁を例にとって、オンラインに対する都会の猥雑さの価値について書かれた記事です。
私はまだ虎ノ門横丁に行ったことがないので、行ってみたくなりました。
UX というほどユーザー体験に関する内容ではありませんが、こうしたリアル店舗の集合体としては、日本では古くから商店街として存在していて、それらの復興のヒントになるのではと思います。
私も近い将来そうしたデザインをしてみたいと思っています。

11 Ways To Add More Visual Weight to UI Object (UX Planet)

ビジュアルの重みづけについての記事です。
基本的な内容が多いですが、Webデザインなどにおいて、重要な要素をどうやってユーザーの記憶の残るようなものにすればよいか、11項目に分けて紹介されています。
最初の項目は抽象度が高く、だんだんと具体的な内容になっています。
この中で近年多く言われているのが 7番目のホワイトスペースで、空白を十分に使ったデザインが 特に Webサイトではよく見られます。
また、これらの項目はその画面の特性に合わせて考慮されるべきで、たとえばヒーローイメージでいえば、8番目の奥行き感や10番目の人の顔が大事な要素になってくると思います。

Supercharge Your Design Ideation With Sketchstorming (Built In)

スケッチストーミングに関する記事です。
スケッチストーミングは以前にも紹介したことがありますが、この記事ではその手順について詳しく書かれています。
オンラインでの実施も考慮した内容になっていて、オンラインの場合やオフラインの場合といったかたちで、それぞれに応じた準備や実施手順が書かれていてわかりやすいです。
ただ、オンラインの場合のスケッチだと、ペンタブレットとかがないと厳しいですね。
記事ではスケッチは上手でなくてもよいというお決まりのポイントも書かれてはいますが、マウスだとやはり心もとないと感じてしまうのは私だけでしょうか。

UX関連記事 (2020/9/14)

最近ジャスミン茶をよく飲んでいますが、コーヒーは深煎り、ビールは IPA といった具合に、飲み物にこだわりが強くなってきている気がします。歳をとってきたせいでしょうか。
さて、先週一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

新たな時代の顧客体験デザインのヒント (電通デジタル)

コロナ禍での各社の取り組みについてです。
様々な会社の取り組みを挙げて、今の時代に必要な顧客体験のあり方について記載されています。
会社名は伏せられていますが、なんとなくわかるものもあります。
これを読むと、会社の取り組む姿勢が大事だということがわかります。
こういう対策をしている、というのをホームページなどで説明していくことで、(実際に対策をしないと意味がないですが)利用しても大丈夫だと安心してもらうのが、まず初めに必要な取り組みだと思います。

ユーザビリティテストの基礎 (U-Site)

ユーザビリティテストについてまとめられた記事です。
ユーザビリティテストの準備や手順など、入門的な内容が詳しくまとめられています。
記事の最後のほうに関連する記事もまとめられているので、参考になりそうです。
この記事では、テストの進行役をファシリテーターと呼んでいて、ときどきモデレーターという表現も出てきます。
私は後者で呼ぶことが多いですが、ほぼ同じ役割と考えて良さそうです。

UXの学習に知識整理が欠かせない理由 (could)

UXデザインの学びについての記事です。
広い分野の知識が必要で、自分の興味を持ったところから広げていく必要性について説明されています。
確かに UX というと守備範囲が広いわけですが、今 UXデザイナーとして活躍している人たちを見ると、元々ビジュアルデザイナーだったり、UI 設計や検証のエンジニアだったり、企画やマーケターだったりと、ルーツは様々です。
意識して他の分野に手を伸ばして、それらをつなげていくと、いつの間にか UXデザイナーと呼べるような姿になっていくのかもしれないなと思いました。

【これで決まり!】最高のランディングページの作り方 (SeleQt)

商品のランディングページに必要な要素についてまとめられた記事です。
いくつかのポイントが紹介されていますが、総じて言えるのが、安心して購入しようと思えることだと思います。
セキュリティとか、わかりやすさとか、他の人の口コミとか、安心感を得られるようにする必要があります。
「画像」のところの人物写真についての注意点は、これだけの説明だとわかりにくいのですが、原文のリンクにわかりやすく説明があります。

Are Face Emoji Ratings Better than Numbered Scales? (MeasuringU)

アンケート調査の尺度を数値ではなく絵文字にした場合についての記事です。
絵文字はローカライズする必要がなく、ローカライズ時にニュアンスが変わる可能性を避けることができる、ということでの調査でしたが、数値とほとんど変わらないという結果だったようです。
それならどちらを使ってもいいとなりそうですが、この記事での結論としては、どちらでもいいなら標準フォーマットを使うべき、となっています。
確かに7段階とかどうやって表情のバリエーションを出すんだという話もあるので、使い方は難しいかもしれないと思いました。

How to simplify your design (UX Magazine)

UI をシンプルにするための方法についてまとめられた記事です。
全部で21項目がイラスト入りで詳しく紹介されています。
どれも大事な観点だと思いますが、特に後半の項目はシンプルさに限らず、基本的なユーザビリティの観点で検討が必須な項目だと思います。
最初は機能が限定されていても、リリース後どんどん機能が追加されていくアプリはよく見かけるので、やみくもに増やさないことも大切ですが、増える前提で最初はかなりのシンプルさを目指す、というのもありかなと思いました。

UX関連記事 (2020/9/7)

強力な台風がたくさん来ていますが、そのうち本州にも直撃しそうで心配です。今のうちに食糧買い込んでいたほうがよいですかね。
さて、先週一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

その購入の決断は“操作”されている? ネット通販サイトに仕込まれた「ダークパターン」にご用心 (WIRED.jp)

ダークパターンについての記事です。
その巧妙な手口について調査結果から詳しく説明されています。
こうしたパターンは避けるべきだという視点を持つことは大事ですが、記事にあるように、人によってはダークにならず、むしろ助かるケースもあるというのが難しいところです。
こうしたグレーなパターンの場合は、避けるオプションだけでなく、注意喚起を促して納得した上で購入できるようなデザインも考えていけるとよいかもしれません。

UI設計のユーザビリティヒューリスティック (UX TIMES)

10ヒューリスティックスについての記事です。
10ヒューリスティックスは前にも紹介したことがあるトピックですが、この記事ではそれぞれが事例入りでわかりやすく表現されています。
原則3 で記載されている例は、どちらかというと原則5 に含まれる内容のように思います。(間違いというわけではありませんが。)
この原則で述べられているユーザーの主導権は、操作が制限されないようにするという意図で、途中で抜けられないフローとか、作業手順がガチガチに決まってしまっている状態がそれに当てはまると思います。

2020-2021年に注目!Webサイトアニメーションの人気トレンド7個まとめ (PhotoshopVIP)

Webサイトのアニメーションに関する記事です。
コーポレートサイトやランディングページなどについて、最近のトレンドがまとめられています。
表現としてかなり自由度が増していると感じますが、こうした新しい試みはこれからもどんどん出てくるのだろうと思います。
2番目のアニメーションロゴを見て、ウルトラQを連想した私は古い人間ですね。。(一応リアルタイムじゃないと言っておきます。)

COVID-19 Has Changed Your Users (Nielsen Norman Group)

新型コロナウィルスでの人々の変化についての記事です。
行動や感情の変化など、5つのポイントを挙げてそれぞれどういう点を留意すべきか説明されています。
既に多くのサイトでソーシャルディスタンスの取り組みなどが記載されていますが、最後のほうに記載されているように、そうした取り組みなど、UXデザインがより必要とされる状況であると言えると思います。
この記事では旅行会社の事例が出てきていますが、個人的にも旅行業界に身を置いていた関係上、アイデアを出し合ってこの難局を乗り切ってほしいなと思っています。

Microcopy Round-Up: September 2020 (UX WRITING HUB)

マイクロコピーについて、良い文言、良くない文言を集めてきた記事です。
PC版だとアイキャッチ画像に良くないコピーがババンと出るので、最初間違えてアクセスしてしまったかと思いました。
英語(中にはスペイン語もあります)の文章なので、微妙なニュアンスがわかりにくい部分もありますが、それぞれ簡単に説明されており、気を付けるべきポイントがわかります。
このシリーズは毎月出るらしいので、来月を楽しみにしたいと思います。

Affordances 101: What You Can Learn About User Interactions (UXPin)

アフォーダンスについてまとめられた記事です。
アフォーダンスとは、○○できそうだ、○○として使えると感じさせる要素のことで、ユーザーがそれを理解できる手がかりをシグニファイアと呼びます。
文中では両者の説明があるものの、アフォーダンスの種類について記載されている内容は、どちらかというとシグニファイアについての内容だと思います。
ただ、その種類について記載した内容は興味深く、ユーザーの理解しやすさを高めるためにこれらの要素が考慮されているか、UI のチェックに使えると良さそうです。

UX関連記事 (2020/8/31)

暑い日が続きますね。我が家はほぼエアコンが付きっぱなしになっていて、電気代が心配です。
さて、先週一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

ゲームUXから学ぶプロダクトデザインのコツ (UX MILK)

ゲームの UXデザインからプロダクトのデザインに応用できるもの、所謂ゲーミフィケーションについて記載された記事です。
どれもゲームにも必要、かつ他のアプリやサービスにおいても重要な要素が多いです。
2番目の項目の「適切な難易度にする」というのは、Tinder の例がそれに当たるのかやや怪しい感じもしますが、これはこれでよくできたサービス設計だと思っています。
5番目のチュートリアルの例は、ゲーム分野が特に先行している点だと思います。
普段ゲームをするときも、チュートリアルに留意していくと学びが多そうだなと思います。

ボタンをデザインするときに気をつけたい11個のポイントまとめ (PhotoshopVIP)

ボタンをデザインするときのポイントについてまとめられた記事です。
主に Webサイトのボタン表現についての内容ですが、アプリでも参考になる内容になっていると思います。
ボタンというと、ここで記載されているような矩形で囲まれたものではなく、テキストのみのボタンになっているケースも多いと思います。
そうしたケースについても、他のテキストとは異なりボタンだとわかるとか、押せることがわかるようなものになっているとよいと思います。

UIを選ぶとき考慮すべき4つのこと (astamuse Lab)

UIデザインパターンを選ぶポイントについての記事です。
どういう UI にしようか考えたときに、その指針となるポイントが 4つ紹介されています。
基本的な点が多いですが、必ず守るべき点だと言えそうです。
興味深かったのが 2番目の優先度の件で、行政サイトで注意喚起が多すぎて注意喚起になっていないという点です。
こういうケースは行政サイトだけでなく、一般のサイトでも多く見られます。
一度見た人に対しては表示をたたんで小さくする、などの対応ができると、もっと一覧性も高まるのかなと思いました。

スポーツ観戦体験をアップデートせよ 三つの要素を拡張した先に見えるニュースタンダード (ウェブ電通報)

スポーツ観戦に関する記事です。
新型コロナウィルスによる行動変容の中で、スポーツ観戦での現状の取り組みや、今後検討が必要な観点について、3つの要素をもとに解説されています。
スポーツ観戦だけでなく、コンサートや舞台などもそうですが、選手たちと観客の関係や、観客同士関係について、現状の制約の中でどう再現するのか?という観点だけでなく、新たな体験、スポーツ観戦のさらなる良い体験を考えていく機会として、アイデアを出している段階だと思います。
文中で指摘されているように、それをさらに「持続可能なビジネスモデルとする」という段階まで高めるにはどうしたらよいか?も含めて考えていく必要がありそうです。

Accordion Icons: Which Signifiers Work Best? (Nielsen Norman Group)

アコーディオンのコントロール(詳細が閉じられていて、押すと見えるようになるもの)について、どのアイコンが一番適しているかについてまとめられた記事です。
かなり詳細に調査されていて、こうした調査結果はとても興味深く、UI 検討に非常に役立つと思います。
個人的に(調査者も?)意外だったのが、各パターンがそれほど差がつかなかった点で、むしろテキストを押したときとアイコンを押したときでふるまいを変えてはならないという点が重要なのだと思いました。
あと、こうしたコントロールでたまに見かけるのが、一度開いたら閉じられなくなっているパターンです。
そういうケースについても調査結果があるといいなと思いました。

24 beautifully designed pricing page examples (Webflow Blog)

Webサービスなどの価格設定ページをまとめた記事です。
24サイトが画像付きで紹介されており、眺めているだけでも楽しいです。
これらを見ると、プランを複数並べて容易に比較できるようになっていたり、どれがお薦めなのかわかりやすくなっていたりするなど、かなりパターンが決まっていることがわかります。
また、選ぶ人は少ないけど、お薦めのプランを割安に見せるためにあえて高額なプランを用意しているという、アンカリング効果を狙っているようなサイトも多そうです。

UX関連記事 (2020/8/24)

2年ぶりくらいにポケモンGOを開いたら、新しいモンスターがたくさん出ますね。また始めてしまいました。。
さて、先週お休みしたので、二週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

EC商品ページのUXガイドライン (U-Site)

ECサイトの商品紹介ページについての記事です。
商品ページでどのような要素が必要か、何が重要かがかなり詳しくまとめられています。
商品が比較できるようになっているのは大事ですね。
個人的にも、商品ごとにタブをいっぱい開いて最適なものを探すことが多く、これを何とか効率化できないかなと思っていました。
あと、最後のほうに書かれているカートがわかりにくい問題について、常々感じているのは、カートというメタファーを使うなら、いつもそばにあってすぐ中身がわかるといった実際のカートの特性も備えていてほしいと思います。

触覚を再現するハプティクス技術はコロナ時代における希望となるか (TechCrunch Japan)

ハプティクス(触覚)に関する技術についての記事です。
新型コロナウィルスの影響で、容易に接触できなくなった現状と、それらを代替するハプティクス技術について、かなり細かく論じられています。
この中で出てくる人間味のある接触機械的接触、この2つはかなり大事なキーワードだと思いました。
前者は記事の中でハグトンネルのような例で紹介されていますが、どこまで本質に近づけるか、まだ道のりは長そうです。
後者については、たとえば電車の吊り革やエスカレーターの手すりが該当すると思いますが、これらをどう対処するか、すぐにでも考えていくべき課題なのかなと思います。

通知のユーザビリティ (デジマースブログ)

スマホの通知に関する記事です。
スマホの通知を効果的にするポイントについて、わかりやすくまとまっています。
この中で大事なのが、「事前にメリットをイメージしやすくする」という点で、これを疎かにしているアプリがけっこう多いと感じています。
ユーザーは通知をオンにしたらどうなるのか想像つかないままオンを促されても、適切に判断できず、オンにしないケースが増えてしまうと思います。
あと、最後の方で触れられていますが、そもそも通知すべき内容なのか、なぜそれを通知で伝えたいのが、送る内容の精査は必要だと思います。

リサーチに欠かせないインサイトって何? (could)

UXリサーチに関する記事です。
インサイトとは何ぞや?という説明や、発見とインサイトは違うものだという点など、わかりやすく記載されています。
発見とインサイトの違いはわかりにくい面もありますが、事実とそれに対する解釈(仮説とか考察)という観点だと比較的わかりやすいのでは、と思います。
インサイトを見つけるというのも難しいのですが、エクストリームユーザーのインタビューだと、重要な情報を抜き出しやすいようにも思います。

A UX designer breaks down the intentionally malicious design of Trump’s campaign website (Salon.com)

トランプ大統領の選挙用の WebサイトでダークUX のパターンが見られるという記事です。
寄付をしやすくする、もっと言うと寄付してしまうようにサイトが構成されているということで、心理学が悪用されているようだとのことです。
ユーザーを第一に考えてデザインすべきですが、得票数を上げる目的でデザインの依頼が来たとしたら、実際には難しい問題ですね。
ただ、この記事がフェイクニュースだった場合、トランプ陣営に対する悪い印象を与え、人の心を誘導していると言えるわけで、ダークUX は、開発する側の良心はもちろんのこと、受け取る側のリテラシーも重要だと感じます。

8 UX Design Tips for handling controversial positions of UI elements (UX Planet)

https://uxplanet.org/8-ux-design-tips-for-handling-controversial-positions-of-ui-elements-c869c80cde9b

よく議論になりがちな UI要素について解説した記事です。
8項目について、それぞれ対比させながら、メリットやデメリット、どういう場合に使用すべきかなど、詳しく説明されています。
どれも大事だと思いますが特に2番目と3番目は、しっかり押さえておきたいポイントだと思います。
8番目の項目も大事ですが、Material Design Guidelines にも詳述されていますので、併せて読むとわかりやすいと思います。

UX関連記事 (2020/8/10)

学校では短い夏休みに入ったところが多いようです。でも実際のところ、これくらいの長さで十分なのでは、と思ってしまうのは自分が生徒ではないからでしょうか。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。
(たぶん来週はお休みします。)

サービスをデザインする際に重要な「7つの大罪」とは (berax)

7つの大罪をもとにうまくユーザーの心をくすぐることでヒットするサービスを作り出せるという記事です。
キリスト教的な考え方ではありますが、要は人間の欲求に根差して、サービスに熱中させることができると良いと書かれています。
この7つの大罪と現状のヒットしているサービスとの対比がけっこう興味深いです。
インスタ利用の根本は嫉妬、YouTube 利用は怠惰につながる、など、なんだかそんな気もしてきます。
ただ、似たような欲望をくすぐるサービスでも成功するものとそうでないものがあるでしょうし、Uber Eats が暴食の原因みたいになっているのは少しかわいそうな気もします。
これを見て思ったのが、普段業務をする中では、これらの大罪をなるべく避けるようにしていくとスムーズに仕事ができそうだ、という点です。
特に UXデザインを実践する中では、傲慢というのが一番の敵だと感じます。
(もちろん怠惰もかなりの敵ですが。)

なぜ日本企業は「他社と同じようなデザイン」ばかり量産するのか?ベストセラー狙いの罠 (Business Journal)

良いデザインの製品に関する記事で、半ば著書の紹介です。
すぐ売れるかではなく、長い目で見て判断する、というのはその通りだと思います。
ただ、「デザイン経営」のとらえ方が私の認識と違ったり、農耕民族だからオリジナリティが出ないという趣旨が書かれていたりと、ちょっとモヤモヤしました。
そこで前編・中編を読んでみましたが、モヤモヤは消えないまま・・・。うーむ。
ただ、本自体の内容は面白そうなので読んでみようと思いました。

道路の案内標識「ユニークな矢印の曲がり方」なぜ生まれるのか デザインどう決まる? (乗りものニュース)

道路標識のデザインに関する記事です。
道路の線形に合わせて標識をデザインするといった、よりわかりやすくなるような工夫やその検討過程について紹介されています。
そういえば高速道路の分岐などでは最近 車線ごとに色を変えてわかるようにしていますが、こうした部分を意識して観察していると、デザインの引き出しを増やすのに役立つかもしれません。
個人的には、首都高速の案内がわかりにくく、これはもう少しどうにかならないものかと思っています。

テストなしで、ユーザビリティを向上させる10のルール (Workship MAGAZINE)

タイトルを読むと魔法のようなルールなのかなと思いましたが、中身はニールセンの10ヒューリスティックスでした。
まぁユーザビリティ原則にのっとって経験的に改善できる、という意味では「テストなし」というのも合ってはいるわけですが。
10項目それぞれ紹介されていますが、独自に解釈している個所もありそうです。
たとえば一つ目はプログレスバーの表示ですが、本来の説明だと、今どういう状況なのかユーザーがわかるようにする、というような趣旨になると思います。
具体的な例が載っていてわかりやすいですが、このような感じに10ヒューリスティックスを念頭に置きつつ、その時代のトレンドとなっているデザインをちゃんと評価していくという姿勢は大事だなと思います。

Can You Design A Website For The Five Senses? (Smashing Magazine)

五感に訴える Webサイトのデザインについての記事です。
Webサイトはオンライン上のものなので、通常は視覚に訴えるくらいしかできませんが、写真を通して臭いを想起させる、味を想起させる、といった実践例が記載されていて、なるほどと思いました。
特に興味深かったのが聴覚で、単純に考えると音楽を鳴らそうと思ってしまいますが、記事では別に音を鳴らす必要はなく、笑顔の写真で笑い声を想起させたり、静寂な空間の写真で静かであることを表現するなど、確かに可能性が広がりそうです。
これらは全部の感覚に対してではなくどれかひとつに絞ったほうがうるさくならず効果的、とのことで、まずはその Webサイトで伝えたいことを深堀りしてから、どの感覚を重視すべきか議論できるとよいように思いました。

10 FAQ Examples: How To Boost User Experience (And Sales) (Sumo)

Webサイトの FAQページに関する記事です。 FAQページとは製品やサービスに対してユーザーからよく寄せられる質問ということですが、多くの Webサイトでそれらが用意されていて、問い合わせせずにそこで疑問を解消することができるようになっています。
まぁいまだに問い合わせフォームだけ置いている(あるいはそれさえも用意していない)サイトもありますが。。
実際のFAQページの例として 10例紹介されていて、それぞれどこが優れているか解説されており、わかりやすいです。
個人的には 7番目と 10番目の例が特にわかりやすいと感じました。
今後 FAQページを作成する機会があった場合には、これらを参考にできればと思います。