UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2020/8/10)

学校では短い夏休みに入ったところが多いようです。でも実際のところ、これくらいの長さで十分なのでは、と思ってしまうのは自分が生徒ではないからでしょうか。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。
(たぶん来週はお休みします。)

サービスをデザインする際に重要な「7つの大罪」とは (berax)

7つの大罪をもとにうまくユーザーの心をくすぐることでヒットするサービスを作り出せるという記事です。
キリスト教的な考え方ではありますが、要は人間の欲求に根差して、サービスに熱中させることができると良いと書かれています。
この7つの大罪と現状のヒットしているサービスとの対比がけっこう興味深いです。
インスタ利用の根本は嫉妬、YouTube 利用は怠惰につながる、など、なんだかそんな気もしてきます。
ただ、似たような欲望をくすぐるサービスでも成功するものとそうでないものがあるでしょうし、Uber Eats が暴食の原因みたいになっているのは少しかわいそうな気もします。
これを見て思ったのが、普段業務をする中では、これらの大罪をなるべく避けるようにしていくとスムーズに仕事ができそうだ、という点です。
特に UXデザインを実践する中では、傲慢というのが一番の敵だと感じます。
(もちろん怠惰もかなりの敵ですが。)

なぜ日本企業は「他社と同じようなデザイン」ばかり量産するのか?ベストセラー狙いの罠 (Business Journal)

良いデザインの製品に関する記事で、半ば著書の紹介です。
すぐ売れるかではなく、長い目で見て判断する、というのはその通りだと思います。
ただ、「デザイン経営」のとらえ方が私の認識と違ったり、農耕民族だからオリジナリティが出ないという趣旨が書かれていたりと、ちょっとモヤモヤしました。
そこで前編・中編を読んでみましたが、モヤモヤは消えないまま・・・。うーむ。
ただ、本自体の内容は面白そうなので読んでみようと思いました。

道路の案内標識「ユニークな矢印の曲がり方」なぜ生まれるのか デザインどう決まる? (乗りものニュース)

道路標識のデザインに関する記事です。
道路の線形に合わせて標識をデザインするといった、よりわかりやすくなるような工夫やその検討過程について紹介されています。
そういえば高速道路の分岐などでは最近 車線ごとに色を変えてわかるようにしていますが、こうした部分を意識して観察していると、デザインの引き出しを増やすのに役立つかもしれません。
個人的には、首都高速の案内がわかりにくく、これはもう少しどうにかならないものかと思っています。

テストなしで、ユーザビリティを向上させる10のルール (Workship MAGAZINE)

タイトルを読むと魔法のようなルールなのかなと思いましたが、中身はニールセンの10ヒューリスティックスでした。
まぁユーザビリティ原則にのっとって経験的に改善できる、という意味では「テストなし」というのも合ってはいるわけですが。
10項目それぞれ紹介されていますが、独自に解釈している個所もありそうです。
たとえば一つ目はプログレスバーの表示ですが、本来の説明だと、今どういう状況なのかユーザーがわかるようにする、というような趣旨になると思います。
具体的な例が載っていてわかりやすいですが、このような感じに10ヒューリスティックスを念頭に置きつつ、その時代のトレンドとなっているデザインをちゃんと評価していくという姿勢は大事だなと思います。

Can You Design A Website For The Five Senses? (Smashing Magazine)

五感に訴える Webサイトのデザインについての記事です。
Webサイトはオンライン上のものなので、通常は視覚に訴えるくらいしかできませんが、写真を通して臭いを想起させる、味を想起させる、といった実践例が記載されていて、なるほどと思いました。
特に興味深かったのが聴覚で、単純に考えると音楽を鳴らそうと思ってしまいますが、記事では別に音を鳴らす必要はなく、笑顔の写真で笑い声を想起させたり、静寂な空間の写真で静かであることを表現するなど、確かに可能性が広がりそうです。
これらは全部の感覚に対してではなくどれかひとつに絞ったほうがうるさくならず効果的、とのことで、まずはその Webサイトで伝えたいことを深堀りしてから、どの感覚を重視すべきか議論できるとよいように思いました。

10 FAQ Examples: How To Boost User Experience (And Sales) (Sumo)

Webサイトの FAQページに関する記事です。 FAQページとは製品やサービスに対してユーザーからよく寄せられる質問ということですが、多くの Webサイトでそれらが用意されていて、問い合わせせずにそこで疑問を解消することができるようになっています。
まぁいまだに問い合わせフォームだけ置いている(あるいはそれさえも用意していない)サイトもありますが。。
実際のFAQページの例として 10例紹介されていて、それぞれどこが優れているか解説されており、わかりやすいです。
個人的には 7番目と 10番目の例が特にわかりやすいと感じました。
今後 FAQページを作成する機会があった場合には、これらを参考にできればと思います。