UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX DAYS TOKYO 2018 に参加 #uxdt2018

f:id:junichiirokawa:20180322235828j:plain

3月16日にUX DAYS TOKYO 2018 に参加してきましたので、簡単に感想を書いてみたいと思います。

3日間あって、私はカンファレンスだけの参加。
かなりたくさんの方が参加していました。

インターフェースの多様化

大きな話題としては、インターフェースの多様化かなと思います。 今まではUIといえばGUI だけだったのが、ARとかVUI(音声UI)などの話題も多く、様々に広がっています。

会話型UI(チャットボット)の話もありました。
これはGUIのうちに入るのかもしれませんが、CUI(カンバセーショナルUI)と説明されていました。
CUIと聞くと、ついコンソールアプリケーションを思い浮かべてしまう私は古い人間なわけですが、考えてみれば現在のインターフェースの多様化は、CUI(コンソールUI)がGUIに代わって以来の大きな変化だと言えそうです。

JTBDとサービスデザイン

個人的にはセッション1と2が興味深かったです。
セッション1の Jobs To Be Done はこのところ急速に注目を浴びてきていて、私も取り入れたいなと思っているところです。
ただ、「JTBD」という略称はやや長く、何だか旅行に出かけてしまいそうな響きがあります。
もう少し良い略称があればよいのですが。

セッション2のサービスデザインについては、一昨年に行ってきた Service Design Global Conference でも登壇していた Jamin。
以下のスライドが印象的でした。 ツイート主によると、昨年のSDGCではこのスライドも使っていた模様。

やはり一番難しいのはこの「adaptor」ですよね。 左側でいくらうまくやっても右側につながらなければ意味がなくなってしまうためです。

所感

ということで、個人的には最近の潮流がわかりやすく、刺激の多いカンファレンスでした。
昼食もおいしかったし、満足度は高めでした。

改善の余地がありそうなのが、最後の質疑応答コーナー。 あらかじめ皆さんからWeb上に質問を投稿し、その中からピックアップしてスピーカーが回答するという方式で、この仕組み自体はとてもよかったのですが、ピックアップされた質問が「なぜそれ!?」というものが多い印象でした。
カンファレンスを聴いた人が「是非質問してみたい!」と思うような質問を選別するというのは、ちゃんと内容を理解しておく必要もありますし、意外と難しいのかも、と思いました。

より良い問いを見つけるスキルは私も磨いていきたいです。

UX関連記事 (2018/3/19)

この週末はかなり暖かく、東京では桜も開花したようです。私は遊園地に繰り出して一日中遊んでしまい、早速日に焼けてしまいました。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

透明かつ自動化するUIデザイン (could)

ストーリー型のUIを取り上げて、UIの進化や今後の方向性について解説した記事です。
ユーザーがほとんど操作せずに知りたい情報にアクセスするできるならそれに越したことはないと思いますが、そうなるとテレビと同じようなリーンバックのスタイルになり、接触時間は増加しても、個人の関与のレベルはそれほど高くない状態が主流になるのかもしれません。
ジェスチャー操作についても書かれていますが、個人的には「それを知っているかどうか」で分断されるといった、新たなデジタルデバイドを生み出すのではと懸念しています。

UX競合分析を行うメリットと実施方法 (UX MILK)

競合分析について説明した記事です。
「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉の通り、競合他社の提供している体験と自分たちが提供している体験をちゃんと分析し、比較できると良さそうです。
この分析の難しさは、競合他社の情報が出揃わない場合があること。そのために自ら他社サービスを体験しても、限られたユースケースしか確認できない場合が多いです。
完璧な調査ができれば理想的ですが、そうではない場合にはそれを意識しつつ比較できるとよさそうです。

「チームPerfumeによるライブ」 これってもしかして、UXデザインになりませんか? (Bikky)

良いUXデザインの事例として Perfume のライブを挙げている記事です。
あまりに褒めちぎっていて、かなり贔屓目で見ていることを差し引いて読む必要があるかもしれませんが、このように十分に観察し、その要素を分析するのは大事だと思います。
Perfume に限らず、ライブの体験は優れているものも多く、UXデザイン、あるいはサービスデザインを考えるとき、とても参考になるような気がしています。

マンガなら最後までコンテンツが読まれる?マンガをヒートマップ解析してみた (ferret)

マンガだと最後まで読まれる、つまりスクロールしてもらいやすく、CTAにつながりやすきという記事です。
確かに私も振り返ってみれば、よく自宅に送られてきた進研ゼミのマンガはいつも目を通していた記憶があります。 ただ、当時はそこから進研ゼミを契約しようとは思わなかったので、マンガだからと言ってCV率向上につながるかどうかは怪しげです。 自社の製品、サービスの良さを知ってもらうためのストーリーを考えたうえで、どう伝えるかを検討する中で、マンガがそのひとつの伝え方になる、という位置づけが良さそうに感じます。

List vs grid: which is best for your UX design? (Justinmind)

モバイルアプリで一覧を作るときに、グリッド形式がよいかリスト形式がよいかの記事です。
前者は画像主体のコンテンツ向き、後者はテキスト主体のコンテンツ向きというのが定跡ですが、それに加えて、リスト形式はスクロールするのに適しているなど、詳しい情報が書かれています。
ここで紹介されているリスト形式は、どちらかというとグリッドリストに相当するものだと思います。
また、グリッド形式は画面サイズによってはスクロール方向がわからなくなるので注意が必要です。

The Future Of Mobile Web Design: Video Game Design And Storytelling (Smashing Magazine)

いくつかのビデオゲームのデザインについて実例を取り上げ、ストーリーテリングの重要性などについて記載している記事です。
やや長いですが、見慣れたゲームの画面も出てくるので、意外とあっさり読めてしまうかもしれません。
最初の「ヒーローに仕立て上げる」という内容については、最新のゲームでアバターを詳細に作ることが可能なものが増えてきていますが、そういうところで主人公への共感度を増すと言えそうです。
それ以外にも、ゲームにおけるミニマリズムのWebデザインへの応用など、参考になることが多く記載されています。

UX関連記事 (2018/3/12)

昨日でちょうど震災から7年が過ぎたわけですが、あまり年月を感じない気がします。それほど強烈な印象、大きな事件だったのだと思います。発生時刻には黙とうをささげましたが、ちょうどスタバにいて、店員と一緒にやりました。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

モバイルアプリの正しいパーソナライズとは? (UX MILK)

パーソナライズの重要性について、テストの方法も含めて記載されています。
カスタマイズの進化形がパーソナライズというのはその通りですが、パーソナライズは選択肢が与えられない分、いかに適切な内容であるかが問われます。
記事にあるようなテストを繰り返すことで精度を上げていく一方で、ユーザーの自由度を残すこととのバランスや、使い始めでユーザーのデータが蓄積されていないときにどう見せるのかも含めて考えていく必要がありそうです。

11のサービスデザインの定義まとめメモ (hiranotomoki)

サービスデザインの定義について、多くの解釈を載せています。
元々扱う範囲が広いので、定義も少しずつニュアンスが変わっていますが、それぞれの提唱者のバックグラウンドに依存しているようにも思います。
かくいう私は、サービスデザインを「UXデザインを中心に据えつつもビジネスの視点を重視し、事業者側のデザインも行いつつ特定のモノだけでなくサービス全体をデザインするもの」と捉えています。

ミラーの法則から学ぶUXデザインにおける情報設計のルール (Web Design Trends)

マジカルナンバー7に関する記事です。
記事のはじめにテストがあるので、ネタバレになるようなコメントは避けたいと思いますが、とにかくミニマルデザインやモバイルファーストの潮流を考えると、なるべくUI上の情報量は減らしたほうがよいと思います。
ただ、選択肢の数という意味では、よくよく考えてみると、ミラーの法則よりもジャムの法則(たくさんあると選択しにくくなる)のほうが大事なのではないかと思います。

おとぎ話に見たUXの落とし穴 (SEO Japan)

赤ずきんの話を元に、本質的なユーザーゴールを達成するようUXを考える必要があるという記事です。
けっこう長く、おとぎ話は別にいらないのでは、と思うくらい実際の例も多く登場します。
これを読むと、ユーザーへの利便性を考えていると言いつつ、実際には提供者視点になっている場合がありそうだということを感じます。
収益を上げるのはビジネスとして必須要素ですが、UXデザイナーを名乗るからにはユーザーゴールが何なのか、常に意識せねばと思います。

UX Design is a Maze (UX Planet)

「UXデザインは迷路である」という、タイトルだけ聞くとUXデザインの問題のように錯覚してしまいますが、ゴールを明確にしておくとブレずに到達しやすい、という話のようです。
迷路を逆からたどるのは私は邪道な感じがして好きではありませんが、UXデザインにおいては、ユーザーゴールを常に意識しながら進むのが正しい考え方だと思います。
最後のほうに少し書いてありますが、ユーザーゴールに導く方法はひとつではないということ。
ここが迷路とは根本的に異なるところで、UXデザイナーの腕の見せ所でもあるのかもしれません。

Steve Jobs on 6 key principles of user experience (Userfocus)

スティーブ・ジョブズの名言(一部はあまり知られていないものもありますが)から、6つのUXの原則について説明した記事です。
こうして見てみると、ユーザーのことを真剣に考えているなというのを改めて感じます。
私が好きなのは「デザインとはどう機能するかを考える」という2つ目の引用です。
スティーブ・ジョブズの名言、という観点では、ほかにも名言がたくさんあり、いくつか本も出ているのでご覧になるとよろしいかと思います。

UX関連記事 (2018/3/5)

急に花粉がすごくなりましたね。今まで特に医者へは行かず、薬も飲まず、気合で乗り切っていたのですが、歳のせいかそろそろ限界のようです。。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

ユーザー調査における5つのファシリテーションスタイル (UX MILK)

ユーザー調査や評価に関してファシリテーター(この場合はモデレーターと呼ぶほうが的確かもしれませんが)のスタイルを5つに分けて解説しています。
それぞれのスタイルの名前が面白いですが、その違いを大まかにいうと、被験者への介入の程度の違いだったり、課題発見型か仮説検証型かの違いにより分けられています。
要は何を確認したいか?によって、このスタイルも変わってくるのだと思いますが、それぞれのスタイルを上手にこなせるようになるには場数が必要なように思います。

iOSの「マップ」アプリの目的地までの所要時間が他社よりも長めに設定されている? (iPhone Mania)

Googleマップなどに比べてiOSのマップアプリが所要時間が長めに出るということですが、こちらのほうがユーザーの満足度が高いように思います。
これはドン・ノーマンが少し前の著作で「待つことのデザイン原則」として挙げていることのひとつでもあり、大切な要素だと思います。
この結論からなぜ「 目的地に早く到着したい場合はGoogle マップ」となるのかはちょっとわかりませんが、例えば回転寿司の予約アプリなどは、予想よりも早く順番が来てしまうと困ることが多いので、より正確な所要時間の表示が必要そうです。

物語から始めるUXデザイン: ストーリーテリングと魅力的な製品デザインの関係を学ぶ (Adobe Creative Station)

『ストーリーマッピングをはじめよう』の著者のインタビュー記事です。
UXデザインにはストーリーが大事、ということで、結構長文のインタビューになっていますが、全体のイメージを把握するのには記事中の挿絵が(英語ではあるものの)優れていると思います。
UXが脚光を浴びてから、「モノではなくコト」という言い回しが用いられて久しいですが、今後は「プロダクトではなくストーリー」という言い回しのほうがよいのかも、と思いました。

ロックの歴史で理解する「カスタマー・エクスペリエンス」(顧客体験)の変化 (ajike)

ロックの変遷と、そこで得られていた顧客体験についての記事です。
どちらかというとただのロック史の紹介のようになってしまっていますが、ここで出てくるアーティストを全て聴いたことがある私としては、この内容で満足だったりします。
ひとつ思うのは、音楽で必要なのはやはりオーディエンスの共感であり、「自分たちのやりたいことをやる」と宣言していた、スレたバンドも、実際には聴く人の姿を想像しながら曲作りをしていたのではないかということです。
その意味では、彼らも優秀なUXデザイナーだと思います。

Designing for Intentionality (UX Planet)

意訳になってしまいますが、「手がかりのデザイン」についての記事です。
必要だと思われるところにちゃんと手がかりを作っておいて、それにユーザーが気づけるようなデザインが、提供者側の意図が伝わるという点で良いデザインだと言える、とのことです。
確かに手がかりに気づけるかどうかは重要ですが、本人が意識して気づいていなくても、知らぬ間に手がかりをもとに行動を起こしてもらえていれば十分かもしれません。
それはそうと、冒頭の「トイレのドアロックがかからない」という事例は、手がかり以前の問題のようにも思います。

The UX Of A Public Robot (Co.Design)

カフェのロボットについての記事です。
ただコーヒーを淹れるだけではなく、人間らしいふるまいを取り入れて親しみやすくしているようです。
記事に書かれているように、ロボットが自動販売機と同じになる必要はないと思いますが、ではなぜロボットであるべきなのか、という議論も必要です。
この記事を読んで私が思ったのは「自分のためにコーヒーを淹れてくれている」というUXなのではないかというものです。
その意味で、よりパーソナライズ化されたサービスだったり、温かみのあるサービスが提供できる羽陽デザインしていくべきなのかもしれません。

UX関連記事 (2018/2/26)

最近立て続けに映画を観てきました。『鎌倉ものがたり』と『空海』です。どちらもおすすめですが、個人的には後者のほうが良かったかなと思います。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

ユーザーの行動をデザインする前に「リグレット・テスト」のすすめ (Goodpatch Blog)

私のお気に入りであるHooked Modelの著者の記事です。
UXデザインは倫理的であるべきで、それを確認するためのテストを推奨しています。Facebookについての記載は、たしかにそういう面もあると気付かされて、新鮮でした。
ただ、アプリに限らず、私たちは私の周りの環境やきっかけにより行動が変わることもよくあります。割引セールを見かけたり、レストランからいい匂いが漏れてくるなどのケースです。
ときには後悔することもありますが、しばらく時間が経ってからそう思うこともあるので、何をもって倫理的というかは議論を重ねる必要がありそうです。

ユーザーが嫌うオンライン広告12種を定めた「Better Ads Standards」日本語訳 (Web担当者Forum)

Googleが定めた、悪い広告の例に関する記事です。
具体的なふるまいと一緒に説明が書かれており、わかりやすいです。思わず「あるある」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。
ただ、こういったものはまた他のダークパターンが出てくるなど、イタチごっこの側面もあります。
ユーザーとしては、うっかり踏まないようなリテラシーを身につける必要があるわけですが、サイトを設計する立場としても、こういった要求があったら、長い目で見ればサイトの価値を下げるものだとして反対していく姿勢が大事だt思います。

デートピッカー (Website Usability Info)

デートピッカー(日付選択コントロール)について、アクセシビリティの観点で説明されている記事です。
input typeをdateで指定すべし、とのことで、OSやブラウザー側で対応していれば共通の使い勝手で操作できるので、確かにそのほうが便利そうです。
将来的には、この辺りはOSやブラウザー間でも差異のないようになっていくとよいなと思います。
そうすれば、さらなる使い勝手の向上も図れますし、開発側としても検証工数を減らすことができるからです。

UXデザイナーがユーザビリティデザイナーになってしまう残念さ (竹内 裕和)

UXデザインはプロダクト単体だけでなくUX全体をデザインする役目なのに、現状あまりそうなっていないという記事です。
間違ってはいけないのが、ユーザビリティはとても大事な視点であるということで、UXデザイナーはそのうえでサービスデザインを実践していくべきだと思います。
また、開発やマーケティングなど、幅広い知識を持つ必要はあるものの、それをひとりで全部網羅しなければならないわけではありません。
プロジェクト全体でUXデザインを考えていく体制ができていくとよいなと思います。

The Death of The Standalone App and What Comes Next (Adobe Blog)

モバイルアプリについて、現在のようなスタンドアロン型のアプリは減っていき、プログレッシブWebアプリやチャットボット型のアプリが増えていくのでは、という内容です。
記事で述べられているとおり、私たちが普段使いしているアプリの数はごく少数で、そこに食い込むのはよほどの理由が必要そうです。
AIの進化に伴い、モバイルのホーム画面もそのうち変わってくるはずなので、そういった将来を見通して、ユーザーとのタッチポイントをどう設計するのか、今のうちから考えられるとよさそうです。

What I learnt from 30 ideas in 30 days (UX Planet)

毎日ひとつずつ製品のアイデアを出していったという記事です。
著者はまだ駆け出しのデザイナーのようですが、すでに社会に出て長い年月の経っている私も、似たようなことをやろうと考えていたところなので、興味を持ちました。
常日頃からアイデアを考えていると、それが日常化し、ふと重要なアイデアを思いつく可能性も増すと思います。
この記事で書かれているアイデアの条件は「実現可能で、必要とされていて、影響力のあるもの」とのことで、毎日考えるにはけっこう敷居が高いですが、これを続けていければ、かなり力がついてくるのではないかと思います。

UX関連記事 (2018/2/19)

最近ジグソーパズル熱が上がってきて、以前完成させたことのある1000ピースのパズルをまた引っ張り出して遊んでいます。一度始めると止め時がなく、延々とやってしまうのが課題です。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

UXデザイン、よくある3つの失敗とは?:もう迷わない! ビジネスを成長させるUXデザイン手法の使い方(1) (@IT)|]

UXデザインの失敗に関する記事です。
失敗の種類として3つ上げられていますが、つまるところUX戦略をないがしろにしない、というのが大事だと感じます。
「ユーザーが望んでいない行動をしてもらう」というのは、ひっかかる人にとってはひっかかる表現のように思いますが、もう少しソフトな言い方にするとすれば、「ユーザーが潜在的に望んでいる行動に仕向ける」ということなのではないかと思います。
実はよく知っている方なので連載が楽しみです。

驚きのコンビニ革命「Amazon Go」体験レポート、AI技術の“魔法”の秘密がわかった (BUSINESS INSIDER JAPAN)

Amazon Goの体験記事です。細かいレポートで、かなりわかりやすいです。
そもそもこの店舗形態自体が新しい体験なわけですが、退店してから決済が走ることでユーザーの待ち時間を作らない(と筆者は推測している)点など、UXをより良いものにする努力も行われていることは素晴らしいと思います。
日本からもスーパーやコンビニのUXを革新したものが出てくると良いですね。

6,000万DLのメルカリがユーザビリティテストを大事にする理由 (mercan)

メルカリのユーザビリティテストに関する記事です。
実際にテストから得られた気づきがわかりやすく書かれていて、若干コマーシャル的な要素が見られる記事であるものの、それを差し引いてもためになる内容だと思います。
週一でのテストというのはかなりの頻度で、テストするほうも大変だと思いますが、リリース自体がそれくらいあるのだとすると、当然の話になってくるのかもしれません。

スマホ向けサービスのUXデザインは「速度」が重要 (Web Design Trends)

主にECサイトでの速度向上についての記事です。
ページ表示速度の向上だけでなく、購入までの流れの中で、入力補助などにより、ユーザーのストレスを軽減する方法についても記載されています。
サイトの滞在時間がどんどん短くなっている現状では、これらの対策を丁寧に行っていく必要がありそうです。

Why Designing Only For Some Users “SUX” (Adobe Blog)

"SUX" というのは "SOME User Experience" ということで、一部の人向けのUXデザインという意味合いです。
これをネガティブな意図でつかっており、アクセシビリティを考慮するなどして、すべての人が使えるようなもの、つまり本当の"UX"になるように検討していく必要があるという内容になっています。
この考え方に基づくと、通常のペルソナやカスタマージャーニーマップなどは「SUXデザイン」になってしまうわけですが、ユーザーを明確にするのは必要不可欠だと思います。
そういったユーザー像から外れるユーザーがいることも十分意識しつつ、ユーザビリティアクセシビリティを高めるのが大事なのだと思います。

10 case studies that show how an application’s new icon increased downloads (UX Planet)

アイコンデザインがモバイルアプリのコンバージョン率(ダウンロード数)に大きな影響を与えるという記事です。
実際に新旧アイコンや新アイコンの案や、その結果について、10通りの例を通してみることができ、参考になります。
1つ目の例のように、旧アイコンがイマイチだったことが明白、というものもありますが、中には「なぜそれが?」というアイコンがもっともユーザーに支持されている、という例も見られます。
この「なぜ?」という理由がわかれば苦労はないのでしょうが、現状ではA/Bテストなどをこなしていく中で見つけていくのが一番確実だと思います。

UX関連記事 (2018/2/12)

オリンピックが始まりましたね。普段はあまり観ることのない競技も真剣に応援してしまうというのがなんだか不思議です。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

UXデザイナーが守るべき最も重要な15のルール (Adobe Creative Station)

15のルールということで、前半は主にUXに関して、後半はUI、ユーザビリティについてのルールが記載されています。
個人的には9番と13番が大事だなと思いました。
あとは意外と重要なのが15番の項目で、そこに書かれているeBayの事例は興味深いです。

UXに「権威の原則」を当てはめてウェブサイトの信頼性を高める方法 (GIGAZINE)

権威のありそうな人物や会社を提示するとサイトの信頼度が高まるという話です。
サイトに限らず、雑誌の広告やテレビCMなど、似たようなものは昔から多く見かけるので、かなり効果はありそうです。
これらは誇大な表現に陥らないよう、またユーザーに誤解を与えないようにする必要があると思いますし、そこで得られた期待を裏切らない製品・サービスを提供することは必須であると思います。

ニュース解説 - 東大病院でシステムトラブル、電子カルテ刷新直後に混乱 (ITpro)

システム移行後にユーザビリティやデータ移行の絡みでかなり問題となっているという記事です。
システム移行時のこうしたトラブルは、規模こそ違えど頻繁に起こっている印象があります。
パッケージへの移行だとどうしてもカバーしきれない面はあるのかもしれませんが、まずは現在の関係者の洗い出しとその業務フローの理解をしっかり行い、移行する際に何が足りなくて、どういう運用が追加で必要になるかを把握する必要性を感じます。

ルーセルを使うときに起こりがち…5つのユーザビリティミスを知ろう (SeleQt)

https://www.seleqt.net/design/5-big-usability-mistakes-designers-make-on-carousels/

Webサイトなどでスライドショー的にコンテンツが自動切り替えされていくコントロールを「カルーセル」と呼びますが、その使用方法に関する記事です。
ユーザーが全体の長さをわかるようにするとか、ボタンサイズを大きくするとか、そのポイントがわかりやすく書かれています。
ただ、カルーセルでなくてもいいものがカルーセルになっているWebサイトも良く見かけます。
こういったケースを避けるため、どういった場合に使うべきかも考えておく必要がありそうです。

“The screen is dead”: What this means for the future of technology (UserTesting Blog)

「画面は死んだ」という記事で、当然昨今の音声UIやAI技術が画面に取って代わるという話になっています。
この中でも述べている通り、音声UIは受動的なものであるため、提示された単一の選択肢が信頼できるものであるべきだと思います。
その意味で、スマートスピーカーはまだ発展途上だと言えるわけですが、AmazonのEcho Showのような画面付きの製品は、その間を埋める役割で終わるのか、あるいはやはり「画面は死ぬことはできない」のか、今後の行く末が気になります。

Universal design is for everyone, everywhere (MNN)

ユニバーサルデザインについての記事は今まであまり取り上げることがありませんでしたが、この記事は7つの原則がわかりやすく整理されていたので、今回取り上げてみます。
各原則で紹介されている事例も豊富で、ためになります。
アクセシビリティとは異なり、対象が「すべての人」ということですが、記事の最後で「これはほんの常識」と言っている通り、常に設計過程で検討すべき項目として組み込んでいけるよう意識したいと思います。