UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2018/2/5)

インフルエンザが流行っているせいか、街中でもマスク姿を多く見かけます。このマスク、白や黒以外にももっとカラフルなものがあっても良いのではと思います。水玉やレインボーカラーなど、冬の街が少し華やかになる気がします。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

プロトタイプの忠実度。ローファイ・プロトタイプ(簡易版)とハイファイ・プロトタイプ(本物っぽい版)を正しく使い分ける (Adobe Creative Station)

プロトタイプに関する記事です。
ローファイ(低忠実度)とハイファイ(高忠実度)のそれぞれのプロトタイピングについて、利点と欠点が挙げられています。
肝心の「正しく使い分ける」という部分に関してはあまり触れられていませんが、最初はローファイで低コストで繰り返し、ある程度進んでいけると考えたらハイファイで進める、というのが標準的だと思います。
これ以外に、プロモーションムービーやストーリーボードも、事前にシステムやサービスのふるまいを可視化できる点でプロトタイプととらえることができます。
こういったものを駆使して、なるべく早めのフィードバックを得られるとよいと思います。

EVの登場で “ユーザーエクスペリエンスの革命”が起きている―夏野剛氏インタビュー (BLOGOS)

EV車についてのタイトルになっていますが、今話題の自動運転やコネクテッドカーの話も含まれていて、総合的にクルマのUXの話になっています。
「ガソリン車をEVにするという発想ではもったいない」という言葉は確かに納得でき、人が移動するという上位概念で考えていく必要があると思います。
ただ、クルマの場合、人命も関わってくるので、安全や交通ルールといった観点による制約もあるのが難しいところです。

「偽ミニマリズム」に騙されないで!UXを考慮したミニマリズムの取り入れ方を再考する (SeleQt)

https://www.seleqt.net/design/stop-with-the-fake-minimalism/

フラットデザインの登場あたりからアプリUIはミニマリズムが全盛ですが、その注意点について記載した記事です。
デザインをシンプルにしすぎたり、機能を隠すなどしててわかりやすさを犠牲にしているのを「偽ミニマリズム」と呼んで、避けるようにと言及されています。
ミニマリズムというのは「必要最低限」のデザイン、という意味ですが、「必要」な部分も取ってしまってはダメで、ユーザーにとってのわかりやすさ、ユーザビリティを追及する結果としてのミニマリズムの発露を期待したいです。

デザインの敗北? ロフトのイケてる案内板、なぜかテープで補足説明 (withnews)

この案内板は以前会社の同僚から紹介されて知りました。
ターゲット層に響く表現ということですが、こうなることは目に見えていたのではと思います。
案内板が案内として機能しておらず、課題解決になっていないからです。
その意味で、これは「デザインの敗北」というより、「デザインとは呼べない」と表現したほうが的確なのではと思います。

Why the best interface is just enough of an interface (UXM)

必要十分なUIがベストだという記事です。
この中に出てくる "The Best Interface is No Interface" は、『さよなら、インタフェース -脱「画面」の思考法』という日本語訳も出ていますので、興味のある方はご覧になるとよろしいかと思います。
この記事では、No UI ではなく、必要十分なUIが良いという意見ですが、私もこの意見に賛成です。
ユーザーがタスクをこなすのに一番自然でストレスを感じないもの、それを突き詰めたうえでインターフェースの形が決まってくるのではないかと思います。

Offboarding In The Online World (Smashing Magazine)

https://www.smashingmagazine.com/2018/01/customer-offboarding/http://amzn.asia/1R2oPSC

主にECサイトでのオフボーディング体験についての記事です。
オフボーディングとはオンボーディングの反対、つまりユーザーが商品購入を取りやめたり、サイトから去ろうとしていたり、退会しようとしたりするときの体験のことで、オンボーディングに比べてないがしろになっていると指摘しています。
かなり長い記事ですが、読まれていないメルマガをどうするか、など多くの事例を織り交ぜながら具体的に記載されているので参考になります。

ハワイのミサイル誤報について考えてみる

先日も記事紹介で少し触れましたが、1/13に発生したハワイのミサイル誤報がイマイチなUIに起因するものということで、たくさんの記事が出ていました。
今回はそれを少しまとめてみたいと思います。

状況

この問題について詳細は私が記載するより以下の記事を見ていただくのが早いと思います。

で、イマイチなUIと言われているのがこの画像です。
(画像は Honolulu Civil Beat のサイトより拝借しています。) f:id:junichiirokawa:20180201010829j:plain f:id:junichiirokawa:20180201010811j:plain

2パターン出回っていて、どちらも本当の画面でない(カスタマイズして使っている)とのことですが、2つ目のほうが実際に近いという話です。
確かに1つ目のほうは、90年代の香りがします。
2つ目のほうは、これもモックアップっぽいですが、ドロップダウンで選択されるUIになっています。

今回の原因について、当局は担当者の誤認識が原因、と言っていますが、おいおい本当かよ、と言いたくなるくらいイマイチなUIです。
ユーザビリティにフォーカスすると、以下の点が考えられると思います。

  • 文言の問題
  • 表現の問題
  • UIコントロールの問題(主にドロップダウンメニュー)
  • フィードバックの問題

文言の問題

UI上の文言がどれが本番でどれがテストかわかりにくい、という問題です。
英語だからというわけでもなく、日本語でも双方の区別はつきにくいと思います。
これではとっさのときにテストメッセージとして送信してしまう恐れもあるわけです。

表現の問題

したがって、文言をもっとわかりやすくすればいい、という解決策も考えられますが、そもそも両方が同じ露出度で並んでいることがそもそもの問題ともいえます。
私たちが普段エレベーターの「開」と「閉」を間違えてしまうのに似ています。
この場合、本番の選択肢の色を変えたり、場所を変えたりするなど、きちんと表現の重みづけをすべきだと思います。

UIコントロールの問題

2つ目の画像のUIコントロールはドロップダウンメニューになっていますが、こういった重要度の異なる選択肢を一緒に入れるのは避ける必要がありそうです。
というのも、Aを選択しようとしてそのすぐ下のBを選択してしまう、というように選択肢を間違えるケースがあるためです。
これはスリップと呼ばれています。
詳しく知りたい人は以下をご参照ください。

また、選択した項目が合っていたとしても、そのあとマウスホイールを動かして画面をスクロールしようとしたときにドロップダウンメニューにフォーカスが残っていて、別の選択肢に切り替わってしまうという問題もあります。
こちらはアニメーションでそれを再現した記事がありました。

フィードバックの問題

情報では、画面上に本番のアラートであることを示す確認メッセージが表示されたものの、担当者にはスルーされたという話がありました。
実際のところ、普段確認メッセージに慣れっこになっていて、あまり読んでいない人は多いのではないでしょうか。
CBCラジオのサイトでは、以下のように確認メッセージをわかりやすくする案が示されていました。

これも解の一つだと思いますが、テストメッセージ送信には確認メッセージを出さない(そもそも送信UIを開いている時点でアクションを取ろうというモチベーションがあるわけで、クリティカルでないものは確認するまでもない)という方法も考えられます。
フィードバックはフィードバックとしてきちんと機能するように考慮する必要がありそうです。

それ以外の問題

UI上の問題ではない、それ以外の問題を提示している記事もありました。 http://www.uxbooth.com/articles/three-takeaways-from-the-hawaii-missile-false-alarm/

こちらはUIの問題ではなく、ヒューマンエラーの問題でもなく、プロセスの問題だといっています。
システム導入の意思決定者と実利用者の意思疎通や、全体の予算のために見落とされる部分などについてフォーカスしています。
ただ、その文脈であれば、プロセスというより体制の問題といったほうがしっくり来ますね。
この場合、システム検討時にUXやUIの知見を持った人が関わっていなかったから起こった、ということが言えると思います。

改善案について

以上の話の中で、解決策についてもいくつかアイデアを入れてみましたが、それ以外にも多くの記事で解決策について述べられています。
大方が確認メッセージをリッチにする報告になっていたのですが、ひとつ良い解決策を示していた記事がありました。

こちらの案は、先にテストか本番かを聞くパターン。
つまり、一回で選択されるわけではなく、タスクを分けるということです。
見た目がウィザード (今風にいうとステッパー) になっていますが、これらは1ステップで1タスクが基本なので、より親和性が高いように思います。
緊急時にウィザードで指示がもたもた、という場面も出てきそうですが、まぁそこまで遅くならないでしょうし、ヒューマンエラーは格段に減ると思います。

避難訓練

ということで、ハワイの人たちは大変だったと思いますが、あえて良い意味でとらえれば、避難訓練の練習にはなったのでは、と思います。 テストメッセージ送信では、必死に避難することもなかったでしょうし、今回避難してみてわかった課題もあったようです。
それらが明るみに出たという意味では、有益だったのかもしれません。

気を付ける必要があるのは、狼少年みたいに、来る来るといっていつも何も起こらないのに慣れっこになってしまうことです。
ちょうど、今回の画面で確認メッセージに対して慣れっこになってしまい、意味をなさなかったようにならないよう、送信エラーも再発防止していけるといいですね。

UX関連記事 (2018/1/29)

最近とても寒くて、朝布団から出るのが苦痛です。目覚ましと連動してだんだん冷たくなる布団があればスムーズに起きられて便利、とひらめきましたが、そんな布団は誰も買いたくないかもしれません。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

すべてのUIデザイナーが知るべき7つのヒューリスティクス (UX MILK)

UIデザインのヒューリスティクス、すなわちUIデザイン原則に関する記事です。
文中でも出てくるニールセンの10ヒューリスティクスが有名ですが、ここではそれ以外の原則も含めて7つにまとめて紹介されています。
当然これ以外にもアクセシビリティの観点とか、異常系での対応とか、様々な原則があるわけですが、どういったケースでどれを考慮すべきかを適切に判断できるためには、たくさん経験を積んでいく必要がありそうです。

リモコンじゃもったいない、AIスピーカーの利用価値 (日経テクノロジーオンライン)

AIスピーカーの話題ですが、IoTに関する話が中心となっています。
機器をスマホで操作する、というのをUIの外在化という言葉にしていますが、既にそうなりつつあり、今度はさらにその方向性が強まっていくのでしょう。
そのコントローラーとしてスマホAIスピーカーがあるわけですが、将来的にそれ以外への外在化があり得るかもしれず、そういった観点でも考えてみる必要がありそうです。
この記事はもうすぐ無料で読める期間が終わってしまうので、早めに読むのをお勧めします。

自分らしい恋愛ができる相手を探す方法。サービスデザインの考え方を恋愛へ応用した【GLG理論】 (グルーヴィ サービスデザイン ラボ)

恋愛をサービスデザインのプロセスで考えてみるという記事です。
いったい何のサービスをデザインしているのだろうか、という疑問はさておき、サービスデザインのプロセスを身近な例で眺めることができるのは良いように思います。
ただ、最初の調査フェーズでターゲットに直接インタビューすればよいのでは?それを重ねることで、単純接触効果も相まって、その後のフェーズを経ずに済んでしまうのでは?なんてことも考えてしまいました。

The UX of AI (Google Design)

AIのUXデザインということで、Google Clipsを例にとって説明した記事です。
AIだけではユーザーの課題解決にはならない、人間中心のデザインが必要、ということで、実際の検討過程が詳しく書かれています。これを読むと、綿密なリサーチが行われていることがわかって面白いです。
最後のほうに書かれている「AIは機械をスマートにするものから、人の能力を向上するものに変える」という話が出てきますが、これは私がAIに期待していることと重なるので、とても共感できました。
なお、このGoogle Clipsは2月下旬に出荷予定のようです。

The secret heroes of UX Design (Compass of Design)

UXデザインの隠れたヒーローということで、いくつかのUIコントロールなどが紹介されています。
1つ目のプレースホルダーステートは、起動時にUIの骨格だけ表示する画面のことで、Android(Material Design)のガイドラインではプレースホルダーUI、iOSガイドラインでは起動画面(Launch Screen)と呼ばれているものです。忘れがちですが、けっこう重要だと思います。
総じてユーザビリティをしっかり高めよう、という内容になっています。
確かに最近は「UXデザイン」という言葉の陰に隠れがちであるものの、考慮する必要性は昔も今も変わらないと思います。

20 expert opinions on UI trends for 2018 (Be Good To Your Users)

20人の専門家が今年のUIトレンドについて語っている記事です。私がよく読んでいるUX関連記事の執筆者も何人か入っていました。
個人的に気に留まった意見としては、AIスピーカーやIoTなどのUIをわかりやすく進化させる必要があるというものと、UXライティング(というか、よりストーリー性を持ったUX)が台頭するというものです。
どの人がそれを言っているか、是非本文を読んでみてください。

UX関連記事 (2018/1/22)

先日、最後が意外な結末だというミステリー小説を知りました。期待して読んでみたのですが、「意外な結末だ」とわかっていると、案外楽しめないものだということも知りました。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

粗悪なUIは不機嫌な受付係に似ている (UX MILK)

uxmilk.jp

第一印象はとても大事という記事です。
この場合不機嫌というより不親切というほうが合っているかもしれませんが、いずれにしても、Webサイトなどのユーザビリティは重要だということだと思います。
他にも気をつける必要があるのは、UIトレンド、webデザイントレンドから遅れを取っているケースです。
ちゃんとメンテナンスされていないのでは?とか、いい加減なサイトじゃないの?とか思われてしまうのも大問題だと思います。

人類学者のUX研究コラム:ポストイットには危険性が潜んでいます (A.C.O. Journal)

aco-tokyo.com

ポストイットの危険性として、観察したデータを整理するときに、自分たちのわかりやすいデータのみ拾い上げてしまう点を挙げています。
どちらかというとポストイットの問題というよりは、観察やその分析プロセスの問題のような気もします。
自分たちが対象に対して理解できないことがあるということをまず自覚すること、幾分ソクラテス的ですが、そういったマインドを持ってかかることが大事なのだと思いました。

初心者にオススメ!インターネットリサーチをスムーズに行うための基礎知識 (ferret)

ferret-plus.com

インターネットリサーチ、すなわちネット経由でのアンケート調査についての記事です。
調査会社がサポートしてくれるとことなどがわかりやすく書いてあり、参考になります。
簡単に言うと、どういう人に何を聞くか?ということですが、どういう人、を適切に定義するのが一番重要だと思います。
また、聞く内容も、被験者の負担にならないよう設問数を抑えつつ、必要なことをしっかりと聞くというのがポイントかなと思います。

What the Erroneous Hawaiian Missile Alert Can Teach Us About Error Prevention (Nielsen Norman Group)

www.nngroup.com

ハワイで弾道ミサイルが飛んでくるというアラートを間違えて送信してしまった問題についてです。
訓練のつもりが本番の選択肢を選択してしまい、それが間違いだと気づかなかった、ということで、UX界隈ではかなり話題になっています。
この記事ではユーザーのスリップ、確認メッセージの形骸化、フェールセーフがない、など、この問題が内包するひとつひとつの課題が詳しく解説されています。
この記事だけでなく、ほかにも多くの記事がこのテーマについて扱っていますが、一貫しているのは、この問題はヒューマンエラーというよりもデザインの課題、ユーザビリティの課題である、としている点です。

Understanding the Value of Workarounds (boxes and arrows)

boxesandarrows.com

ユーザーが行っている回避策を見つめることの重要性についての記事です。
ここでの回避策というのは、ユーザーがアプリやシステムを使うときに少し変わった使い方をしているということで、なぜそうしているのか、何が原因となっているのかを考えることで、今まで見えていなかった改善や、本質的な改善につながるとしています。
PCのWebカメラを例にとって回避策の特定・分析手順がまとめられていますが、これがとてもわかりやすいです。

A Designer in Japan — Advertising, Service Design, and Culture Shock? (Prototypr)

blog.prototypr.io

オーストラリア人による日本のUX関連の発見についての記事です。
鉄道網の発達は日本の良い点だと思いますが、それが良くない点(主に駅のわかりにくさ)に挙げられていたのは意外でした。
テレビ番組でも外国人から見た日本の良いところ、良くないところを取り扱ったものが人気ですが、UI/UXという観点でも、同じように自分では見えないものに気づかされ、有意義だと思います。

UX関連記事 (2018/1/15)

最近有名なラーメン屋に並んで食べることが何度かありました。
確かにおいしいのですが、待ち時間の苦痛を差し引くと、そこまで並ばないラーメン屋の味のほうが勝っているように思えてしまう私は行列に向いていない気がします。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

クライアントにUXの価値を理解してもらうための10のヒント (UX MILK)

uxmilk.jp

UXの必要性をクライアントにどう「売り込むか」がまとめられている記事です。
UXデザインは、それを実践した場合に売上がどれだけ上がるのか示しにくいので、こういった対策が奏功するように思います。特に4の他社事例はクライアントにもわかりやすく、共感を得られやすいと思います。
ただ、「UXデザインが売り上げに貢献する」という信念を持っていなければだめでしょうし、1の項目のような「クライアントのため」というだけでなく、きちんと「ユーザーのため」をベースにしているべきだと思います。

認知バイアスによる『自分が正しい症候群』と向き合う (could)

www.yasuhisa.com

UIデザインについて、反対意見も受け入れつつ良いデザインにしていくべき、という記事です。
自分の考えたUIに固執してしまうのは、自他を問わずよく見かけます。結果的にそれが良い案だったとしても、本当にそうなのか疑ってかかり、ネガティブ要素を洗い出すという行為は大切だと思います。
個人的には、作った案を一日寝かして次の日に見ると、「あれ?なんでこんなUIにしているんだっけ?」と、第三者的な視点で批評しやすくなるのでお勧めです。

ラーメン二郎の修業体験をカスタマージャーニーマップで描いてみた (note)

note.mu

カスタマージャーニーマップに関する記事です。
私はラーメン二郎に詳しくないので、そのシステムがどうなっているのかさっぱりわからないのですが、これを見ると何となくわかってくるような気がします。自分の行動をこういったマップにまとめると、振り返りやすくなったり、ターニングポイントがどこだったか気づくことができるかもしれません。
なお、文中に「ラーメンではなく体験を売っている」と出てきますが、これはラーメン二郎に限らず他の分野にも置き換えることができます。今後はすべての業種において、こういった捉え方が大事になってくると思います。

Designing Friction For A Better User Experience (Smashing Magazine)

www.smashingmagazine.com

良いUXのためのフリクションのデザイン、すなわち「わざともたつかせることに」に関する記事です。
似たような記事は多くあるものの、この記事はかなり長く、たくさんの項目が紹介されているので面白いです。
個人的には "Nudging" の項目が興味深く、身近にこういった例をもっと探してみたいと思いました。
当然UXを悪化するフリクションは取り除く必要があり、そのあたりについても最後のほうに記載されています。

User-Experience Quiz (Nielsen Norman Group)

www.nngroup.com

UXのクイズが10問出題されています。いずれもこのサイトで紹介されていた記事を元に出題されていて、回答とともに具体的な記事へのリンクが表示されているので便利です。
けっこう難問揃いで、今までの記事を読んでいないと正解は難しいかもしれません。(と、言い訳させていただこうかなと。)

Japanese Aesthetic Principles, Digital Product Design and Top Gun (UX Planet)

uxplanet.org

日本の美意識と、それが現在のデジタル製品に対して応用できる部分について記載されている記事です。
「渋み」「簡素」「自然」「脱俗」について語られており、なぜか映画『トップガン』での共通性についても言及されています。
「渋み」として紹介されている内容は、どちらかというと「節度のある美しさ」という意味で使われていたりと、解釈にはてなマークがつくものも多いのですが、我々日本人こそこういった日本の美意識といった部分に興味を持って見つめ、デザインに取り入れていけるとよいなと気づかされる記事でした。

UX関連記事 (2018/1/8)

新年あけましておめでとうございます。今年も細々とやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、年末年始まとめてになりますが、私の気になったUX関連の記事を紹介します。

2018年にUXデザインを取り巻く7つの変化 (freshtrax)

blog.btrax.com

今年のUXデザイントレンドについて記載した記事です。
1、2、3 については、ここ数年言われ続けていることのようにも思いますが、4、6、7 あたりは確かに重要な変化になりそうで、注視していく必要があると思います。
あとは、そろそろUXデザインの認知が拡大して開発プロセスに溶け込むという変化が、予兆だけでもよいので起きてくれるとありがたいなと思います。

UIにとどまらない、UXの取り組み事例7選 (UX Milk)

uxmilk.jp

UXに関する取り組みについて、いくつか事例を見ることができます。
原文は少々古いですが、内容は今でも通用するものだと思います。
これを読むと、サービスの改善とかユーザー体験の向上を考えるときには、やはり画面内だけに縛られず、周辺のサービスなども含めた総合的な解決策を考えていくのが大切なのだ、と改めて考えさせられます。
こういったUIにとどまらない取り組みに視野を広げていくことを新年の抱負とするのも良さそうです。

仕事もデートもUXも、段取りをデザインするということ (ミツエーリンクス UX Blog)

https://www.mitsue.co.jp/knowledge/blog/ux/201712/28_1638.htmlwww.mitsue.co.jp

段取りのデザインに関する記事です。
確かにUXデザインは段取りのデザインとも言えます。個々の体験だけでなく、それらをつなぐ体験の重要性も考慮していく必要があると思います。
記事中で不動産の事例が出てきますが、これは「おとり物件」っぽいですね。
そういう可能性を考えて不動産選びをする必要があるのかもしれませんが、やはりユーザーにネガティブな影響を与えるので、なるべく鮮度の高い情報を届けてほしいものです。

【適切にエラーメッセージをデザインする!】エラーメッセージのベストプラクティス (SeleQt)

https://www.seleqt.net/design/how-to-design-error-messages/www.seleqt.net

エラーメッセージに関する記事です。
4項目が紹介されていますが、どれも大事な要素なので参考になります。
1つ目の項目に関連するのですが、最近は入力している最中にインラインのエラーメッセージが表示されるフォームを見かけます。
そういったフォームに遭遇するたび、いつも何か間違った入力をしているのか不安になってしまう自分がいます。
よくメッセージを読めばよいのですが、エラーとして示されるのはちょっと心外でもあるので、なるべく避けたほうがよい仕様なのではと思います。

A 100-Year View of User Experience (by Jakob Nielsen) (Nielsen Norman Group)

www.nngroup.com

ヤコブ・ニールセンによるUXの今までとこれからについてです。
1950年~2050年の100年間ということで、かなり長いスパンですが、今後はうなぎのぼりにUXの専門家が増えていくと予測しています。
この数値は個人的にはやや疑問で、今後AIの台頭や別のトレンドの隆盛など不確定要素も多く、そこまで専門家が増えるともあまり思えません。
ただ、こういったスケールでUXおよびUXデザインが社会に浸透していくと捉えれば、納得できる値なのかも、と思います。
ニールセン自身も強気だと述べていますが、これくらいの勢いでUXデザインを実践していく気概を持つ必要性を感じました。

How to Use Gamification in Mobile Apps: A Case Study (Boxes and Arrows)

boxesandarrows.com

モバイルアプリでゲーミフィケーションの要素を取り入れる方法に関するケーススタディです。
ここではForestというアプリが例示されていますが、このアプリ自体は「何もしない」ことがゴールなので、それでどのようにユーザーに報酬を与え、次のアクションに結びつけるのか、詳細に説明されています。
このアプリはスマホ中毒の解消アプリで、日本語版も出ているので、興味のある方は使ってみてはいかがでしょうか。
私も使ってみる必要がありそうです。。。

UX関連記事 (2017/12/25)

メリークリスマス!
クリスマスといえばプレゼント、ということで子供のニッチーな願いに応えるべく夜中まで奮闘した自称サンタです。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

ペルソナかJobs-to-Be-Doneか (U-Site)

u-site.jp

ジョブ理論として有名なJobs-to Be-Doneがペルソナに取って代わるのではないか、ということに関する記事です。
結論からいうと、これらは両立し、さらによくできたペルソナであればJobs-to Be-Doneの要素を含んでいるということです。
私はジョブ理論についてあまり詳しくないので、その観点で本記事は勉強になったのですが、ペルソナに代わるものかと言われると、この筆者と同様に疑問に思いました。
ただ、ペルソナがうまく機能しないケースも現実のプロジェクトとして多い印象があり、そういった場合は、リサーチ結果から導かれたユーザーゴールがユーザーの本質的要求を満たしていないのかもしれない、と疑ってみるのがよいと思いました。

2018年に流行るバーチャルリアリティ(VR)10のトレンド (Adobe Creative Station)

blogs.adobe.com

VRに関するUXの拡がりについての記事です。
先日私もVRを体験してきたので興味深く読みました。
まずはゲームの分野で先行していますが、今後はそれ以外の分野も含めて、より多くの人がVRに触れる機会が増えていくのではないかと思います。
そのためには、一番の課題としてVRデバイスがあると思います。記事でもはじめに取り上げられていますが、値段が高いという点もさることながら、着脱が大変だったり、重かったり、ハイパフォーマンスを要求されたりと、手軽に楽しめないのが最も大きな課題だと思います。
これをどう解決していくのかがVRのさらなる普及に関係してきそうです。

失敗するアプリが陥りがちな、モバイルUXの悪デザイン4パターン (Workship MAGAZINE)

goworkship.com

モバイルアプリの良くないUXについて記載した記事です。
4パターンとなっていますが、なぜか5つ紹介されています。
これを読むと感じるのが、モバイルのUIやジェスチャーなどのインタラクションは、多くの人が使いやすくなる方向で進化しているわけではなく、すでに使っている人のためのものなのでは、ということです。
押してみないとわからないボタンや気づかない操作方法など、ミニマルなデザインの負の要素(というか履き違え)は極力避けるような設計をする必要性を感じます。

UXクイズに挑戦! (WD ONLINE)

book.mynavi.jp

UXクイズ(という表現もなんだか変ですが)ということで、webサイトをユーザー視点でデザインするためのクイズをいくつかトライできます。
比較的簡単なものが多いですが、こういったクイズ形式で理解度を測るというのはUXデザインやHCD界隈でもっとあっても良いように思います。
答えがすぐに見えてしまうのが難点で、ちゃんとトライしたい人は書籍を買うのが良さそうです。

Net Promoter Score Considered Harmful (and What UX Professionals Can Do About It) (UIE)

articles.uie.com

NPS(ネットプロモータースコア)の課題についてまとめた記事です。 かなりの長文で、非科学的で役に立たない、といったような散々な言われようになっています。
確かに様々な要因で成り立つべきオススメ度を11段階の指標ひとつに丸めてしまうのはさすがに無理やり感があるとは思います。
簡単に定量的な評価ができるので人気の理由もわかりますし、うまく使えば有効だと思います。ただ、数字だけが独り歩きしてしまうのは避けなければなりません。
NPSがなぜその値となるのか、定性調査も含めてしっかりキャッチアップしつつ、バランスを取っていく必要がありそうです。

Your Design Ikigai (UXmas)

www.uxmas.com

最近は日本でもいくつかアドベントカレンダーを見かけます。その中にはUXに関する記事について書かれたものもありますが、こちらはその元祖のようなUXmasからの記事を紹介します。
「Ikigai」とは日本語の「生きがい」ですが、最近は英語にもなっているようですね。Wikipediaでの英語版で「Ikigai」も載っています。
もっとも、Google翻訳で「生きがい」と入れると "Reason to live" とそれっぽい英訳が出てきますが。
次のデザインのキャリアはIkigaiを求めていけるとよいのでは、ということで、自分の情熱、社会的使命、専門性、能力を活かせるようなものが何か、年末年始じっくり考えてみたいと思います。