UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2017/12/11)

スマートスピーカーがかなり盛り上がってきているので、遅れまいと購入を検討しているのですが、Amazon EchoにしようかGoogle Homeにしようか迷って決められず、このままずるずる行きそうな気配がしていているところです。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

似ているようで本当は違う、UXとCX (UX MILK)

uxmilk.jp

UXとCX、つまりユーザー体験と顧客体験との違いに関する記事です。
UXが単一チャネルの体験設計なのに対して、CXは提供側の体制も含めた全体の体験設計という定義のようですが、UXの文脈でもそういった観点での設計はよく語られているので、あまりこうした違いにこだわる必要はないように思います。
マーケターをグロースハッカーと呼ぶようになったり、テクニカルライターをUXライターと呼んだりとか、新しい用語がどんどん出てきますが、その背景にどういった意図があるか考えていくと見えてくるものがありそうです。

スマートホームは“スマート”じゃない (WEDGE)

wedge.ismedia.jp

今後のスマートホームについて、経済産業省の資料を読み解きながら考察している記事です。
ポイントを押さえた解説でわかりやすいですが、肝心の解説対象の資料からはユーザー視点、体験価値といったものがあまり見えてこないようです。
電気のON/OFFくらいなら自動でやってもらわなくてもまったく問題はなさそうですし、何かもっと生活が豊かになるとか、賢く暮らせるとかといった価値がないと、誰も積極的に導入しようと思わないのでは、と思います。

Wantedly Peopleのデザイン思想(1) 名刺撮影ガイドの「円」に込められた課題解決 (Wantedly Engineer Blog)

www.wantedly.com

このアプリは名刺の自動読み取りソフトですが、名刺を認識できたら、その部分が円で囲まれる仕様になっています。
私も使っていてだいぶ考えられているなと思っていたのですが、そのあたりについて詳しく解説してくれています。
それによると、私が思っていた以上に様々検討されていて、参考になりました。
全体のUIからすると小さなUIですが、体験としてはかなり重要なポイントで、やはりこういった肝となる部分は疎かにしてはいけないなと思いました。

バッドデザイン賞を勝手にノミネートしてみた-2017年度版- (酔いどれデザイン日誌)

ddd.entaku-guild.com

使い勝手の悪いデザインなどを表彰(?)する記事です。
どれも普通なら気付くだろと言いたくなるようなものばかりですが、実際の利用環境がわかっていなかったり、内部のコミュニケーション不足が原因でこういった状態になるのかもしれません。
こういったバッドデザインはよくwebでも特集されていますが、意外とグッドデザインは見かけません。
ユーザビリティ上の問題がないから素通りしがちなのかもしれませんが、そういったところも意識して目を向けていく必要性を感じます。

iOS vs Android: Which Has The Better UX? (Envato)

envato.com

iOSandroidでどちらが良いUXを実現しているか、という比較記事です。
バックキーの取り扱いなど、若干違和感を覚える箇所もありますが、総じて納得できる内容だと思います。
総合的な勝者はAndroidとなっていますが、どちらかというとそのデザイン言語であるMaterial Designの勝利と言えるかと思います。
その意味で、iOSもここらへんでデザイン言語のさらなるブラッシュアップが必要となっているのかもしれません。

Net Neutrality and Design (Prototypr)

blog.prototypr.io

米国で「ネット中立性」が12月に廃止される可能性が濃厚になってきたことに関連する記事です。
この記事では、サービスの排他性が増すためにユーザーが離脱することはなくなる、すなわちUXデザイナーは必要なくなる、と論じられており、極論と言ってしまえば極論です。
現状日本にはあまり関係ないかもしれませんが、そのうち米国発サービスで利用しにくくなるものが出てくるかもしれませんし、日本でも似たような方向性になる可能性もあるでしょう。
『閉じこもるインターネット』の世界が現実になりそうだということで、そんな中でUXデザイナーとして何ができるか、あるいはそれを防ぐためにできることはあるか、考える機会にしたいと思います。