UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2017/9/11)

ついに男子100mが9秒台に突入ですね。いつの間に日本人はこんなにも足が速くなったのでしょうか。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

フローチャート設計の最新UX用語と、4つの役立つツール (Workship MAGAZINE)

goworkship.com

いくつかのフローチャートや、それを書くためのツール(主にSketchのプラグイン)が紹介されています。
ワイヤーフローという表現はあまり馴染みがありませんが、一般的にはUIフローと呼ぶケースが多いように思います。
また、ここでいうUIフローは、DoGoマップとして定義するのも有効だと思います。
いずれにしても、UIのフローと、それ以外も含めたユーザーのアクティビティフローの双方を定義するのは大切なプロセスだと思いました。

フラットデザインのウェブサイトはユーザーの時間を無駄にしブランドを傷つける可能性がある (GIGAZINE)

gigazine.net

原文を紹介しようと思ったら、早くも訳文が出ていましたので、こちらを紹介します。
押せるかどうかわかりやすいとユーザーは早くタスクをこなせる、というのは当たり前と言えば当たり前ですが、かといってちょっと前のようなテカテカのボタンデザインになっていると、このサイト古臭いけど大丈夫かな?という気持ちになる可能性もあります。
フラットデザインというトレンドを押さえつつ、リンクやボタンはそれとわかるようなビジュアル上の工夫を欠かさないようにする必要がありそうです。

シャンプー容器のギザギザ、なんでついてるの?⇒ あの企業の“神対応”がきっかけでした (ハフィントンポスト)

www.huffingtonpost.jp

シャンプーのギザギザは私も良いデザインだと思います。
実用新案を意図して取らなかったというのは、企業の利益を損ねてでもユーザーの便益に配慮した、というよりは、長い目で見て企業の利益になるという判断があったのではと推測します。
もし似たような場面に出くわしたとき、UXデザイナーとしては、そうした長期的視野で判断を行いたいものです。

世の中の老眼諸氏よ、もっと怒れ (PC Watch)

pc.watch.impress.co.jp

スマホで読む純文学サイトに関する記事です。
文字サイズの拡大ができないということで、アクセシビリティの課題がありますが、個人的には縦スクロールというのも本当に使いやすいのか怪しい感じがします。
恐らく限られたリソースの中でどれを優先すべきか考えた上での結論なのだと思いますが、ここで名前の出ている企業の社会的立場から考えれば、きちんとアクセシビリティを考慮して然るべきだと思います。

The Top 10 User Experience Design Trends for 2018 (designerspace)

designerspace.co

だいぶ気が早いですが、2018年のUXデザイントレンドについてです。
1番や2番はすでに言われているところがありますが、5番のパスワードがなくなるというのは、UXのみならずUI検討にも大きく影響しそうです。
個人的には8番目のシナジーフィードバックに興味をひかれました。やや小難しい内容ですが、UXデザインとしてチャレンジングなトピックなのではと思います。
その他粒度はバラバラですが一見の価値ありです。

How to find more usability problems with fewer users (Userfocus)

www.userfocus.co.uk

少ない人数でもユーザビリティテストで課題を発見する方法について説明した記事です。
3点ほど挙げられていますが、その中で「観察者を増やす」というのはなるほどと思いました。
観察者が少ないと、見落とされたり、何らかのバイアスがかかって問題と意識されなかったりする可能性もあります。
観察者が多ければ、課題発見の機会も増えるわけなので、これは是非実施したほうがよさそうです。
なお、ユーザビリティテストの実施人数は5名がよいというのは神話だとも記載されていますが、とはいえ見積もり段階で人数の目星をつけるには妥当な数字なのかなと思います。

UX関連記事 (2017/9/4)

洗濯物を干したのに雨に降られてすべて濡れてしまいました。まだ着ていないのにもう一回洗濯するのは悲しいですね。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

UXデザインの失敗を回避するためのVUCAという考え方 (UX MILK)

uxmilk.jp]

「UXデザインを失敗に導くアプローチ」ということで、「UXデザインあるある」が記載されていて、興味深く読みました。
「ユーザーのため」を実現するには、「メンバーのため」も重要、という件は確かにその通りで、内部のコミュニケーション、コラボレーション、ファシリテーションはUXデザインを行う上で必要不可欠なことなのだと思います。
「VUCA」という言葉は不勉強ながら初めて聞きました。今は予測不可能な不確実な時代ということだと思いますが、今までも将来が見通せる時代など一度もなかったような気もします。

UXデザインプロジェクトにおけるエクストリームユーザー調査の進め方 (えそらLLC UX ブログ)

esaura.jp

エクストリームユーザー(製品・サービスのユーザーのうち、極端な使い方をしている人)への調査についての記事です。
「エクストリームユーザーはヘビーユーザーではない」点や、調査を行う上での課題など、なるほどと思う点が多くありました。
この中でも書かれていますが、エクストリームユーザーが見つからない問題は大きいように思いますが、通常のユーザーインタビューの中で、エクストリームユーザー的な使い方、ハッキングがなされているケースが見つかることもよくあります。
エクストリームユーザーまでいかなくても、そういった部分を見逃さずに次のフェーズに活かしていくのが有効だと思います。

設計ミス、設置ミスの感が否めない。町で見かけた何かがやばいデザイン (カラパイア)

karapaia.com

たくさんの残念なデザインの例が紹介されていて、眺めているだけでも楽しいです。
一部は狙ってやったものもありそうですが、多くは実際にどういう状況で使われ、どうやってユーザーに使われるのか、といった点の考慮不足と言えそうです。
やはり単体のデザインだけでなく、利用文脈はとても大切だと感じました。

ランディングページにマンガを配置!マンガ有無のABテスト結果に迫る (ferret)

ferret-plus.com

目立つ位置にマンガを置いた場合の効果についてです。
複数のパターンで調査されていて、参考になります。
マンガの優れている点として、イラスト自体がアイキャッチになる点、ストーリー仕立てになっているため、すっと入ってくるという点があると思います。
マンガを配置するかどうかは別にしても、こういった要素は不可欠なのだなと思います。

Friction Isn’t Always the Bad Guy in User Experience (Chargebee’s SaaS Dispatch)

www.chargebee.com

手間がかかるということが常に悪いというわけではない、という記事です。
確認ダイアログのようなベーシックな例から、いわゆるイケア効果と呼ばれる、自分の手間をかけたものにより価値を感じるという心理学的な要素まで、実際の事例を交えて説明されています。
単純にステップ数を減らせればハッピー、というわけではなく、ユーザーの感情を知ることが大事だと言えそうです。

Back-to-Top Button Design Guidelines (Nielsen Norman Group)

www.nngroup.com

Webサイトでよく見かける「ページ上部に戻る」ボタンについてのガイドラインです。
ボタンを表示するかどうかを分けるページの長さの目安だとか、テキストも入れておくといったような細かい点がまとめられていて、ボタンをつけたいと思ったらこの記事を参考にすれば事足りそうです。
一番なるほどと思ったのが、何のために「ページ上部に戻る」のか、それを考えるといった視点です。
ユーザーが戻った後に行いたい行動によっては、わざわざページ上部に戻さずにそのための手段を提供できれば、それに越したことはないのかもしれません。

UX関連記事 (2017/8/28)

今年は夏らしい夏ではなかったですね。日焼けに弱い私は助かりました。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

エラーと確認―スムーズな手続きを実現するには:縁の下のUIデザイン―少しの工夫で大きな改善! (gihyo.jp)

gihyo.jp

主にECサイトにおけるエラーチェックや確認、フィードバックといった細かい点についての記事です。
著者の経験も含めて解説されているので参考になります。
最近はどのECサイトも細かい工夫がなされてきていて、特にカートに追加した場合のフィードバックはわかりやすくなっているサイトが多いように思います。
逆にイマイチな購買体験だったサイトは、どうしてイマイチなのか注意して見てみると、気づきがありそうです。

デザインの力で人々の行動を変える – ビヘイビアデザインの裏側 (freshtrax)

blog.btrax.com

人を動かすには何が必要かについて説明されています。
「ビヘイビアデザイン」というあまり聞きなれない用語で説明されていますが、いわゆるフックモデルにも似ている概念で、モチベーションとそれができる能力を持っていて、なんらかのきっかけがあって初めて人を動かせる、とのことです。
例で出てくるのはキャンペーンの話になっていますが、実際の製品やサービスそのものをどう動機づけをするのか、考えていく必要があるように思います。

VRとAR、MRの違いを分かりやすく解説!【3つの違い、ちゃんと説明できますか?】 (SeleQt)

www.seleqt.net

最近はVRなどのUXを取り扱う記事も増えてきました。
これは初心者向けの内容で、単純にVR、AR、MRの定義に関する記事です。
ただ、これらを見ていくうちに、この3つを明確に分ける必要もないように思えてきました。
VRだけど現実世界と連動しているものもあります。ARとMRも程度問題なのかもしれません。
これらのUXを検討する際は、それぞれの枠にとじず、現実と仮想とを包括したユーザー体験として検討していく必要性を感じました。

You don’t need to know everything about UX (uxdesign.cc)

uxdesign.cc

UXは様々な分野にわたるので、すべてを理解するのは難しいという記事です。
確かにUXデザインは各分野の専門家がそれぞれ知恵を絞りつつ検討していくのが理想ですが、そのようなプロジェクトばかりではないと思います。
その意味で、文中でも出てくるジェネラリストとスペシャリストでいえば、ひとりのUXデザイナーとしては前者を目指すのが良さそうです。

Rules For Creating Perfect Push Notifications (UX Booth)

www.uxbooth.com

モバイルアプリのプッシュ通知についてです。
普段スマホを使っていると、あまりにも無駄な通知が多くて辟易させられる人は私だけではないと思います。
この記事では、どうすれば通知をユーザーにとって有益な者ににできるのか、いくつかヒントが記載されています。
ユーザーにお知らせする方法はプッシュ通知だけではない、という点も含めて、改めてその目的から考えてみるのが良さそうです。

Touch Heatmaps: The Future Of Mobile App Usability Testing (Usability Geek)

usabilitygeek.com

タッチヒートマップということで、視線ではなくタッチした部分の頻度を取るという記事です。
確かにこれだとタッチしても無反応だった箇所がわかり、アプリやwebサイトの改善に役立ちそうです。
個人的には、タッチとスワイプの違いなどがどこまで取れるのか気になるのと、タッチする前の迷いが取れないのが課題かなと思います。
その意味で、小さい画面ではさほど有効とは言えないアイトラッキングと組み合わせることで、かなり効果的になるかもしれません。

UI検討における「岡目八目」

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皆さんも経験あるかもしれません。
昨日の晩に書いた日記を、翌朝読み返してみると、恥ずかしくて破り捨てたくなったという思い出が。
・・・そうですか、ないですか。はい、すみません。

アプリやWebサイトのUIを検討するときも同じような経験をすることがあります。
一生懸命考えたUIであっても、しばらく時間を空けて見てみると、イマイチなところが目立って直したくなってしまいます。

「岡目八目」

「岡目八目」という言葉があります。
「おかめはちもく」と読み、「傍目八目」とも書きます。
Weblioの辞書から解説を引用してみます。

〔人の碁をわきから見ていると,打っている人より八目も先まで手が読めるということから〕 第三者は当事者よりも情勢が客観的によく判断できるということ。

確かにありますよね、そういうとき。
私は囲碁はやりませんが、将棋や麻雀は良くやります。
将棋でも脇から見ていると、「あー、あそこに動かせば次の手が良くなるのに。」とか思ってみていたりします。
麻雀ならなおさら、「なんでその牌を切るのかなー。」「今のはポンだろ!」とか、心の中で叫んでいます。
おそらく立場が逆なら、脇から見ている人は私のイマイチな打ち筋に憤り、嘲ることでしょう。

もちろん隙のない人はいるのだと思いますが、こういうパターンはとても多いように思います。

UI検討での似たような出来事

アプリやサービスのUI検討でも、似たようなケースが多いように思います。
外部の立場としてUI案をレビューすると、イマイチなところがすぐに見つかるときがあります。
「これ、なぜ気づかないんだろう。。」と思うこともあります。
逆の経験も然りで、外部からの声で自分の考えたUIのイマイチさに気付かされるといったこともあります。

案外そんなものなのかもしれません。
ユーザビリティテストで自分の予想しなかった結果を目にするのは、まさにその典型例です。

しばらく時間を空けて見たときに、自分の考えたものがイマイチに見えるのは、おそらくそうした第三者的な視点を得ることができるからではないでしょうか。

どっぷり浸かることの意義

これは特定のプロジェクトにどっぷり浸かってしまうために起こる弊害だと言えます。
ただ、悪いことばかりではありません。
中身をよく理解することは、間違いのないUIを検討することができるでしょう。当然良いUXの実現にもつながります。

また、ほかのプロジェクトメンバーとのコミュニケーションや信頼関係の構築などは、どっぷり浸かっているからこそ醸成できるものかもしれないし、それにより自分の考えも受け入れられやすくなる可能性が高いです。

周りが見えなくなっているという可能性を意識する

ではどうすればよいか。
私が気を付けているのは、周りが見えなくなる可能性があることを意識することです。
プロジェクトの中に入ってしまったら、周りが見えなくなることがある。これは仕方がない。
だってそういうものだから。

ただ、それを念頭に置いて行動するのは大切だと思います。
他の人のレビューを受けたり。ユーザビリティテストを実施し、その結果に耳を傾けたり。
新しい UI ができた!と思っても、すぐに共有せず、一晩置いて改めて見返す時間が取れれば、多少の客観性が保たれれるかもしれません。

「誰がどう見たってこれがいいに決まっているだろ。」としか考えられなかったとしても、案外そうでない場合が多いです。
自分の正当性を疑問視する目、一歩立ち止まって冷静に見る目は忘れずにいたいものです。

でも、それを意識すれば将棋や麻雀が飛躍的に上手になるかというと・・・そんなことないですよね。。

UX関連記事 (2017/8/21)

先日は横浜のほうはすごい雷でした。あんなに稲光を見たのは久々です。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

UXプロセスとは何か?そして、それはなぜ大切なのかを考える (Adobe Creative Station)

blogs.adobe.com

UXデザインプロセスが詳しく解説されています。
記事でも触れられているように、これが常に正解だというものではありませんが、一通りの流れや各ステップでの成果物の例も記載されているので、参考になると思います。
タイトルの後半、「それはなぜ大切なのか」は具体的には書かれていませんが、各ステップの中に含まれているということなのでしょう。
フェーズ1は製品の定義、つまりコンセプトメイキングのステップですが、ここからしっかり(UXデザイナーが入っていようがいまいが)ユーザー視点で検討していくのが大切だと思います。

「写メ、iPhone」はなぜ広まった?–写真とカメラのUI/UXを振り返る (ZDNet Japan)

japan.zdnet.com

写真を撮るというUXに関する記事です。
カメラの成り立ちから詳しく解説されていて、そのUXの移り変わりがわかります。
これに付け加えるとすると、最近は自撮りというUXも無視できないように思います。
また、写真とかカメラにとどまらず、「記録を残す」という行為として捉えて、その将来像を考えてみるのも面白いかもしれません。

404ページはこうデザインする!ユーザを楽しませUXを向上させる404ページデザイン例20選! (SeleQt)

www.seleqt.net

404ページのデザインについてです。
さまざまなサイトのアイデアを見ることができます。主に海外のサイトですが、日本のサイトもこういった楽しい要素を取り入れていくとよいのではと思います。
ただ、楽しさを押し出しすぎてわかりにくくなってしまうのは避けたほうが良いと思います。
404という数字も何を意味するか分からないユーザーはいると思うので、ちゃんとページがないことを伝え、次にどうすればよいのか、どうすれば探しているページに近づけるのか、案内を欠かさないことが大切だと思います。

デザインでつまずかない!ノンデザイナーのための基本ルール10個まとめ (PhotoshopVIP)

photoshopvip.net

デザインというくくりですが、わかりやすさやコンテンツの可読性といったユーザビリティの側面も含めて、押さえるべきポイントがまとめられています。
モバイル向けの内容が主ですが、プレゼン資料の作り方の参考にもなりそうです。
個人的には3、8、10あたりが重要かなと思います。

Service Design in Long-term Oriented Cultures: How to Handle “Oh Snap” Situations (User Experience Magazine)

uxpamagazine.org

サービスデザイン関連の記事で、サービスで何らか問題があった場合の対応方法について記載されています。
文化ごとにユーザーの感じ方も異なるということで、ここでは主に長期的な関係性を大事にする国(日本や中国などアジア圏)での対応が取り上げられています。
ユーザーは企業よりも企業の人との関係を保つということで、確かに私たちがコールセンターにかける時も、特定のオペレーターと信頼関係を構築することが多いような気がします。

Why CEOs Don’t Care About UX and How to Change Their Minds (Webdesigner Depot)

www.webdesignerdepot.com

会社の上層部がUXデザインの重要性を理解してくれない、といった課題は多く聞かれますが、その解決策のひとつとして参考になりそうな記事です。
その解決策とは、彼らと同じ言葉で話すとのことで、金銭的な部分を気にする人には金銭的なメリットを説くなど、相手の懐に入るということだと思います。
金銭で妥当性のある話をするのはなかなか難しく、説明したとしても否定されてしまう可能性もあるわけですが、まずは話を聞いてもらえる状況を作るというのは大切だと思いました。
考えてみれば、それもひとつの(上層部に対する)UXデザインだといえそうです。

UX関連記事 (2017/8/14)

お盆なので、お休み中の方もいらっしゃるかもしれません。 かくいう私もお休みいただいています。

先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

マーケティングとUXは別物 (UX TIMES)

uxdaystokyo.com

別物と言いつつ、似た部分もあるという話がされています。
細かい部分では似たところもあり、違いを見つければたくさん見つかると思いますが、最近はその差をあまり気にしなくてもいいのかもしれません。
マーケティングもマスマーケティングより個々のCXが重視されてきていますし、UXデザインもよりビジネスサイドの考え方が強調されたサービスデザインが普及してきています。
「UXデザイナーは売るためにサービスを考えてはいけない」という話が出てきますが、そうした意味では、それもどうなのかなと思います。

色彩心理学の基本!色が持つ「イメージ」と文化による違いを解説【Webデザインに生かすために】 (SeleQt)

www.seleqt.net

色に対する感じ方の違いがUXやECサイトにおけるユーザー行動に影響を与える可能性があるという話です。
ここで記載されているような各色の持つイメージの違いを把握しておくと、変な色にして違和感を与えるのは少なくとも避けることができそうです。
それにしても、私の一番好きな色は黄色と紫色なのですが、どちらも男性では少数派だということを初めて知りました。

ボタンはどこに配置するべきか? (ニューロデザインラボ)

http://radiodays333.blog.fc2.com/blog-entry-2.htmlradiodays333.blog.fc2.com

OK/キャンセル のボタン配置についてです。
どこに置くべきか、いくつかの心理学の効果も含めて説明されています。
この中でプラットフォームに関する記述がありますが、これが一番重要かなと思います。
AndroidiOs、つまりモバイルのアプリだと右がOK、Windowsだと左がOKです。
ユーザーもそれに慣れている、つまりそれを期待していると考えられるので、Webサイトでも、表示デバイスを想定した配置になっているとよいと思います。

デジタルサイネージのユーザーエクスペリエンス(UX) 〜現状と課題〜 (SIPO)

www.si-po.jp

デジタルサイネージのUXは今まで考えたことがなかったので、興味深く読みました。
ショッピングモールなどで店舗の場所を表示したり、駅の案内板代わりだったりと、情報端末としてのデジタルサイネージがよくありますが、それ自体の場所を見つけられないことが多いような気がします。
その意味で、この記事に書かれている「サイネージ体験行動」は大切な要素だなと思います。

What Would Augment Reality? (1-10) (LukeW)

www.lukew.com

ARについて、ヘッドセットを装着する苦痛を上回る便益が得られるかという記事です。
いくつか面白い例があげられていて、そのうちいくつかはとても便利!だと思いました。
ただ、よくよく考えてみると、ここであげられたような例はスマホでも実現可能なもので、即時性というARならではの利点はあるものの、それだけのためにヘッドセットを装着するのはどうかと思ってしまいます。
ヘッドセットが小型化すればよいという話かもしれませんが、やはりARには単なる便利さを超えた、ARでしか実現できないユーザー体験が必要なのかなと思いなおしました。

The Top 4 Reasons for an Abandoned Cart and What to Do About it (Shopify)

www.shopify.com

ECサイトのショッピングカートに商品が残されたままになってしまう、いわゆる「カゴ落ち」についての記事です。
4つの大きな原因と、その対応策が複数提示されていますが、著者はこれでもまだ不十分とコメントしています。
確かに自分の購買体験を考えても、カートに入れはしたものの、その過程でまだ吟味が足りないと感じたり、思いとどまらせる何かがあるために購入までいかないケースがあります。
そういったものを全て救うのは難しい(というよりユーザーの心情にそぐわない)と思いますが、記事の中の一つ目の原因と対応については、ECサイトに限らず、すべてのWebサービスで参考になりそうです。

UX関連記事 (2017/8/7)

先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

次世代のワイヤーフレーム「マイクロフレーム」とは (UX MILK)

uxmilk.jp

マイクロフレームとは、ワイヤーフレームをより低コスト・低忠実度で作成するものだということで、それについて利点などを説明した記事です。
記事の中で説明されているように、確かに私たちは同様のものをホワイトボードに書いては消し、を繰り返してきているように思います。
記事ではプロトタイピングツールを使ってマイクロフレームが作られていますが、そこまでしなくても、ホワイトボードの殴り書きを写真に撮って共有するだけで事足りるのかもしれないと思いました。

UIは変えちゃいかん! Microsoft の UI/UX 音痴について:Mostly Harmless (Itmedia オルタナティブ・ブログ)

blogs.itmedia.co.jp

microsoftのwindows10のアップデートでUIが変わったという話です。
確かにwindowsのUI変更はろくなことがありませんが、システム提供側として「より良いものを目指す」という姿勢は大切だと思います。
意思を持って変えるのであれば、変更の利点を伝わりやすくする工夫や、昔からのユーザーもソフトランディングできる仕組みの提供が必要だと思います。
その意味で、「変えちゃいかん」というよりかは、変えるときはネガテイブインパクトを考慮し、そのための対策をすべきだと思います。

フリクション」がUXを良くする!少しの「手間」を取らせるデザインがよりよい理由 (SeleQt)

www.seleqt.net

フリクション」というと某サインペンが思い浮かびますが、ここでは「障壁」的な意味合いで使われています。
果たして確認ダイアログがフリクションと呼べるのか謎で、ゲームとノンゲームでもその位置づけは大きく変わると思いますが、それらが必要な場面は多々あります。
これらはUXデザインの段階においては「必要なもの」と意識されるはずなので、フリクションを意図して入れるというより、ユーザーゴールを考えてそれに対して真摯にUXを設計すればよいように思います。

UX/UIデザイナーになりたい就活生に読んでほしい | 体験して分かった、ユーザーからの「ありがとう」で知ったUXデザインの意味 (みんなのウェディング)

www.wantedly.com

こちらはリクルーティングのための記事なので、ちょっと毛色が異なりますが、個人的に気づきがありました。
それはUXデザイナーはユーザー中心の仕事をしている割に、直接ユーザーから「ありがとう」という言葉をもらう機会が少ないということです。自分の仕事がちゃんとユーザーに受け入れられているのか、ユーザビリティ評価といった事務的なフィードバックからではない、主観的な実感を得る機会があるといいなと思います。
また、UXデザイナーに限らず、多くの職種の人がユーザーからの感謝を実感として得られる場を増やしていく取り組みは重要だと思いました。

The Golden Age Of UX Won’t Last. Here’s How To Prepare For What’s Next (Co.Design)

www.fastcodesign.com

UXの黄金時代は続いていかないので、次に備えよ、という話です。
同様のことを話題にした記事は以前からいくつも出ていますが、その多くがあまりしっくりこなかった中で、この記事は説明がわかりやすく納得できます。
ユーザー中心で使いやすいアプリやサービスという観点も必要だが、今後はビジネス戦略やビジネスの成長という観点もが必要になってくる、ということです。
最近になってようやくサービスデザインが取り上げられることが多くなってきましたが、そのあたりに背景があるのかもしれません。

The Little Details and Why They Matter to Your Users (UsabilityHour)

usabilityhour.com

冒頭の黒いマグカップの話を読んで、確かに自分でもいつの間にかお気に入りのマグカップがあることに気づきました。なぜお気に入りになったんだろう?という点をよく分析して、自分のアプリやサービスに還元できるとよいように思いました。
この記事では、そのような「黒いマグカップ」になるための細かいポイントが書かれています。
AirBnBの例 (2つ出てきますが、特に最初のほう) は参考になります。