UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2019/9/16)

この週末近くの神社の祭りがあり、露店がたくさん出ていました。人の出もすごくて、すれ違うのも大変なくらい。いったいどこにこれほど人が住んでいたのだろうか、と思ってしまいました。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

AIはどうやってWebサイトやランディングページのUXを改善するのか (UX MILK)

AI と UXデザインに関する記事です。
画像解析やリコメンドなど AIが担う役割が定義されていますが、これを読むと、すでに私たちが目にしている、体験しているものも多く、もうすでに AIの時代は到来していると言えます。
ただ、パーソナライズが進むと狭い世界に閉じ込められることにもなりそうで、そのあたりに対して AIの果たす役割にも期待したいです。

良い文章とは何か--情報デザインの視点で文章のエクスペリエンスを考える (ZDNet Japan)

文を書くときに UXを意識して書くと伝わりやすくなるという記事です。
読み手の視点に立つというだけでなく、どういう構成にすればいいかなど、考慮すべきポイントが詳しく書かれています。
UI 上の文言だけでなく、ヘルプやチュートリアルApp Store の説明文など、文章が必要となる場面は多いので、普段から文章を書く練習をしておく必要がありそうです。
かくいう私も、このブログがその練習になっていると思います。

ヒーローエリアの新トレンドは、ワントーン。最新Webデザイン7選 (Workship MAGAZINE)

ヒーローエリアと呼ばれる、Webサイトのファーストビューで大きく表示される画像を中心としたエリアのデザインに関する記事です。
ここで記載されているように、Webデザインのトレンドは目まぐるしく変わるので、追従していくのも一苦労です。
いくつか良い例のサイトが紹介されていて、どれもきれいなデザインではあるものの、ちょっと重いです。。

Parking Lots in UX Meetings and Workshops (Nielsen Norman Group)

ワークショップでのパーキングロット活用に関する記事です。
「パーキングロット」とは直訳で駐車場ですが、ワークショップで直接関係ないアイデアや取り扱いに困るもの(付箋とか)を一時的に退避しておく場所を意味します。
この記事ではパーキングロットの使い方の手順が細かく説明されていますが、特に議論が逸れそうになったときに、パーキングロットに避難していったんリセットする、というようなファシリテーションの技術と一緒に使うと効果がありそうだと感じました。
課題としては、パーキングロットに入ったものがそのままに放置されてしまいがちな点で、この記事のようにそれらをちゃんと扱うことには時間がかかるので、悩ましいところです。

Show the Way: Directional Cues in User Interfaces (Tubik Studio)

Webサイトの視線誘導に関する記事です。
CTAボタンなど、ターゲットに向けてユーザーの視線を誘導するヒントを用意するということで、冒頭の調査結果は非常に参考になります。
矢印や登場人物の視線など、その効果はよく知られていますが、実際に紹介されている画面を見ると、それとなく要素が盛り込まれていて、知らぬ間に誘導されているのだなと感じました。
そこまでするくらいなら CTAボタンをもっと大きく特徴的にすればよいと感じるものもありますが、ユーザーの意識としては、自分が見つけたという感じがして良いのかもしれません。

Skeleton versus Logo Launch Screen: A Direct Comparison (Usability Geek)

モバイルアプリの起動画面についての記事です。
外枠だけ先に表示してコンテンツを後からロードするスケルトン画面と、ブランドロゴなどを表示するロゴ画面の比較になっています。
どちらも起動時に待たせる体験を改善しようとするもので、それぞれどういう場合に適しているか説明されています。
iOSAndroidガイドラインだと、どちらかというとスケルトン画面(プレースホルダー画面とも呼ばれます)が推奨されているように思いますが、起動が遅ければユーザーはどちらであってもイライラすると思うので、なるべく起動速度を上げることに注力したほうが良いようにも思います。

UX関連記事 (2019/9/9)

夜中に近所で大火事があり、たくさんの消防車が出動していたようです。サイレンの音などでかなりかなりうるさかったようなのですが、私は全く気付かず寝ていました。もしものときに気づけるのか不安になります。 さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

「機能を売るのではなく、ベネフィットを売る」のは本当に正しいか (UX MILK)

製品を売るときの訴求のしかたに対する記事です。
機能を売る、というほうが適している場合があるということで、結論としてはそのバランスが大切で、製品の特性を見ながらどちらを訴求するか考えていくとよいという内容になっています。
個人的には、製品化サービスかの対比よりも、自分ごととして考えることでその価値が伝わるというのが一番大事だと思います。
機能の説明で価値が伝わりやすければそれに越したことはなく、伝わりにくいからわかりやすく自分ごととして捉えてもらえるようにベネフィットを伝える、というので良いように思っています。

フォームにおけるエラーの通知方法: 10のデザインガイドライン (U-Site)

フォーム入力時のエラー表示についての記事で、10項目のポイントについて記載されています。
最後の10番目に紹介されている内容は、いわゆる「詰んでしまう」ケースだと思いますが、こうしたケースはときどき遭遇します。
結局何もヘルプがなく、入力をあきらめることも多いと思うので、何らか対策(難しいですが)を講じることができるとよさそうです。
それにしてもこのサイトは日本語の翻訳がわかりやすいですね。
UXデザインの知見のある方が翻訳しているように感じられます。

なぜわたしたちは「自転車に乗れる」のか?直感のデザインがもたらす意外な効能 (ダイヤモンド・オンライン)

直感的なデザインに関する記事です。
ユーザーに仮説を立てさせる、など興味深い説明がされていて、事例が主にゲームではあるものの、それ以外にも適用できる内容だと思います。
ただ、モチベーションの強さはゲームとそれ以外ではだいぶ違うので、そのあたりは考慮しないとかもしれません。
後半は著作の宣伝のようになってしまっていますが、この記事自体も連載ものになっていて、最後の方のリンクで続きを読むことができます。

How to manage user expectations with progress bars (UX Collective)

プログレスバー(進捗表示)に関する記事です。
モバイルアプリが現れてからプログレスバーの表示のバリエーションも増えてきたように思いますが、ここでは進捗表示(バーでないものも含む)について、それぞれ詳しく説明されています。
ステップ表示まで含まれているのはちょっと違うような気もしますが、要はユーザーへのフィードバックが大事だということなのだと思います。

How Web Animations Can Improve Your User Experience Design (ATOMI)

主に Webサイトのアニメーションに関する記事です。
ユーザーはかなりの確率で第一印象に左右される、ということで、効果的なアニメーションの必要性について記載されています。
2番目に出てくるカーソルエフェクトは、昔の Webサイト黎明期にちょっとしたものがありましたが、また隆盛してきているのでしょうか。
その割には、あまり有効な使い道はなさそうではありますが。。

“Can I copy your UX?” (Noteworthy)

UIデザインパターンの後追いに関する記事です。
真似をするのと盗んで自分のものにするのとでは大違い、ということで、様々な立場から UIデザインパターンの模倣について説明されています。
よく「○○のような Webサイトにしてほしい」とか、「○○のアプリのようなイメージで」いう依頼があったりしますが、それは単純に見た目だけ真似をすればよいものではなく、その背景や目的を捉えて、自分のものとしてちゃんと機能するようにしなければならないのだと思います。

UX関連記事 (2019/9/2)

実家から送られてきた大量のジャガイモを消費するため、様々な料理を作っています。週末ポテトチップスに挑戦しましたが、労力がかかるばかりで、これは市販のものを買ったほうがよいという結論に達しました。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

[議論]UXデザインの考え方で商品を生み出そう (日経ビジネス電子版)

日経ビジネスでは UXデザインに近い話はよく出てきますが、直接触れた記事は今までそれほどなかったのでピックアップしてみます。
製品のコモディティ化が進む中で、差異化をしていくためという観点で語られていて、次のページ(有料会員でなくても会員登録すれば見られます)で自分でも考えてみるケーススタディが紹介されています。
「UXデザイン思考」という表現が出てきますが、UXデザインの手法よりも考え方に力点が置かれていて、実際に UXデザインを導入する際も、こうしたやり方が自然と入ってきやすいかもしれないと思いました。

想定外のターゲットに売れた商品・サービスの事例まとめ (ferret)

ターゲットユーザー以外に売れたプロダクトの紹介です。
どれも面白い内容ですが、同じ使い方で違うターゲットに受けたというパターンと、まったく違う使い方をしたパターン(冒頭のアイシングの例とか)という大きく2つに分けられそうです。
前者は、ターゲットを絞って開発することで、価値のぶれないプロダクトになり、別のターゲットにも価値を感じてもらえた、という例なのかなと思います。
後者はライフハックネタですね。

破壊的なアクションをどうデザインすべきか (UX MILK)

データ削除などの破壊的アクションに関する記事です。
このような場合の確認メッセージについて、色の使い方やレイアウトのしかたなど、詳しく解説されています。
こうしたメッセージは狼少年的になってしまうことも多いので、記事に記載されているポイントを押さえておくとよさそうです。
また、記事の中でも出てきますが、最近は事前確認よりも、あとで元に戻すボタンを配置するケースが増えていると思います。

日本企業のアプリには「おもてなし」の心が足りない (ダイヤモンド・オンライン)

アプリのUXデザインに関する記事です。
「おもてなし」について、ここではユーザーのジャーニーに即して優れた体験を実現すべきとしています。
アプリ単体ではなく全体で、という視点とか、優れたアプリにするために注意するポイントも説明されていて、確かにその通りだと思います。
最初のほうに「技術とおもてなしは対立軸ではない」と書かれているのは個人的に大切だと考えていて、日本だとおもてなしはサービス提供者側の機転、として捉えられることの多いのですが、ちゃんとその要素を抽出して、システムとして再現性のあるものにしていかなければならないと思います。

Bottom Navigation Pattern On Mobile Web Pages: A Better Alternative? (Smashing Magazine)

モバイルの Webサイトやアプリについて、ナビゲーションコントロールを最下部に配置することに関する記事です。
スマホのサイズが大きくなっているため、下部に置くことの重要性は高まっているということで、様々な事例や、ボトムナビゲーションに言及した記事を引用して説明されています。
iOS ユーザーだとタブバーとして慣れ親しんだパターンですが、近々ほとんどのモバイル用Webサイトやアプリが下にナビゲーションを持つ UIパターンになっていくような気がしています。

How Prevalent is Dark UX? (Webdesigner Depot)

ダークUXに関する記事です。
いわゆる意地悪な UIパターンについてですが、具体的な事例についてまとめられています。
あるあると思ったのが、メルマガのオプトアウト。
要はユーザー登録時、いつのまにか「購読する」にチェックがついていて、そのまま登録しちゃうケースです。
これだと確かに購読者数は増えそうですが、ただ単にメルマガを解除するのが面倒なだけで、読まれているとは思えません。
こうした設計改めよ、と口で言うのは簡単ですが、提供者側としても不本意ながらやらざるを得ないケースもあるかもしれません。 ただ、それに麻痺せず、ユーザーを向く姿勢を都度リセットしていく必要があると思います。

UX関連記事 (2019/8/26)

お盆休みに帰省していましたが、お土産に熊谷名物五家宝を買っていきました。しかしこれはきな粉がついているので、PC周りで食べるのに不適切。会社のお土産物には向かないかもしれません。。
さて、先週お休みしたので、ここ二週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

タッチ操作は使いにくかった? 米海軍が駆逐艦の操作を“アナログ”に戻す決断の教訓 (WIRED.jp)

タッチ操作を昔ながらのスロットル操作に戻すという記事です。
記事を見る限り、タッチ操作そのものの問題というよりは、タッチ操作用の GUI がかなりイマイチだったようで、実際にどういう画面だったのか見てみたい気がします。
とはいえ、やはり操作体系が大きく変わる場合には注意が必要で、人命に関わるものならなおさらです。
最近のクルマも大きなタッチディスプレイが流行っているように思いますが、今までの物理的な触感がなくなることのケアがどれほどあるのか、やや心配になります。

結局どっちがいいの?Adobe XDとSketchを9項目で比較してみた【2019年最新版】 (Workship MAGAZINE)

プロトタイピングツールの二強の比較記事です。
各ポイントで実際の画面イメージも入れつつ比較されていて、双方の特徴がわかりやすいです。
この記事では Adobe XD を優勢としていますが、確かに XD は怒涛のアップデートが行われていて、6番目に紹介されている自動アニメーションはかなり重宝します。
Sketch については、私は Windows ユーザーなのでほとんど使ったことがありません。
是非 Windows にも対応してほしいと思っています。
XD も、Windows 8.1にも対応してほしいなぁ。。

サービスのフェーズで変わるUIデザインの話 (クックパッドマート)

食材宅配サービスのクックパッドマートアプリの UIデザインに関する記事です。
サービス開始から環境が変わる中で、自分たちのミッションや現実の課題などを踏まえてどう UI を変えていったのかがわかりやすく説明されています。
まだまだ課題は山積みとのことですが、そのように絶えず対応を続けていく姿勢が大事なのだと改めて思いました。
一方で、UI がガラッと変わったことで、既存ユーザーからネガティブなインパクトが出なかったのか、そういった懸念をどう解決していったのかも知りたいなと思いました。

「売れるデザイン」の騒がしさ (日経クロストレンド)

山中教授、といっても自動改札のデザインなどで有名なデザイナーの方の記事です。
アジア的なネオンサインの喧騒とヨーロッパ的なミニマルさが Webデザインでも見られるということで、結局ユーザーが望んだ結果がそうなってしまっているのかなと思います。
日本も元々わびさびといったように静謐さ、素朴さを愛でる文化を持ち合わせているはずなので、こうした状況は不思議な感じがしないでもないですが、外的要因に流されやすい気質なのかな?そうした気質だからこそ積極的に誘惑を作り出しているのかな?などと考え込んでしまいました。

17 Things You Should Give up If You Want To Be a Successful UX Designer (UX Planet)

UXデザイナーがあきらめるべきことについてまとめた記事です。
「無駄なことをやめる」という項目もありますが、どちらかというと「○○をやらないことをあきらめる(=やるべき)」という言い回しも多く、ちょっと混乱します。
ただ、各項目とも考えさせられる点が多く、5番目の「自分のアイデア固執する」のは、いけないとわかっていても難しかったりしますし、15番目の「車輪の再発明」は、小さいものなら無数にあると思います。
7番目の「UXデザイナーの仕事」については、学ぶことを止めないということだと思いますが、なんだか自己否定のような感じもしてしまいます。。

The 3-Click Rule for Navigation Is False (Nielsen Norman Group)

Webサイトで目的地にたどり着くまでは3クリック以内に抑える、というのはデータに基づいていないという記事です。
この3クリックルールはけっこう耳にすることも多いのですが、「選択肢は7つがよい」というのと同様に、いわゆる UX神話だとしています。
それではどういう構造にすべきかについて、気を付けるべきポイントがまとめられているので参考になりますが、これらを考慮する場合でも、自ずとクリック数はそれほど多くならずに抑えられるはずです。
3クリックはあくまで目安程度として、ユーザーがわかりやすい導線に注意する、というように考えていくと良いのかもしれません。

価値を再認識するUXデザイン

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Photo by Ali Abdul Rahman on Unsplash

iPhoneXS に変えた話は前に書きましたが、それから快適に使えています。

まぁ前の機種を購入後すぐに浸水させて、2年以上動作不良に悩まされながら使っていた身からすると、普通に使えるようになったというだけでかなりの進歩です。

ここでひとつUXの格言、

素晴らしいユーザー体験を提供したいなら、事前に素晴らしくダメなユーザー体験を提供しておくとよい

・・・まぁ冗談です。

既にある良い体験は目につきにくい

ただ、ここまで考えてみて思うのが、既にある良い体験というのは、とても目につきにくいということです。

先日私がよく使う駅のエスカレーターが工事に入り、階段しか使えなくなりました。
これで通勤時間帯に大渋滞が起こり、「迷惑だなぁ」とか口にしているのを何度か聞きました。
ひとりで歩いているとなかなか口にできないものの、同じようなことを心の中で思った人は多いはずです。
私もそのうちのひとりですが、そういう状況になるまで、誰もエスカレーターに感謝をしたことなどないと思います。

似たような話はよく聞きます。
海外旅行から帰ってきて、日本の電車の正確さやトイレのきれいさに気づかされるとか、病気になって健康のありがたみが身に染みるとか。

お釈迦様と牛飼いの話

昔聞いたことのある、以下のような仏教説話を思い出しました。

あるとき、一人の男の人がお釈迦様にお願いに来ました。
「お釈迦様、私の家は狭いので広くしたいのですが、どうすればよいのでしょうか?」
「よろしい、それでは家の中で牛を一頭飼いなさい。そうすれば家が広くなるでしょう。」
しばらくして、
「お釈迦様、お言葉通り牛を飼いはじめましたが、家は一向に広くなりません。」
「よろしい。では家の中にもう一頭飼いなさい。そうすれば家が広くなるでしょう。」
「お釈迦様、お言葉通り(ry」「よろしい。ではもう一頭(ry」
  :
  :
「お釈迦様、もう牛どころか私たちも生活できる場所もありません。。」
「よろしい。では家の中からすべての牛を出しなさい。そうすれば家が広くなるでしょう。」
「広くなりました!」

こんな感じの話なのですが、この話をいろいろとネットで探してみても、ひったりの話を見つけることができませんでした。
どなたか正確な話をご存じの方は教えてください。

これはいわゆる「足るを知る」を諭した説話だと思います。
家が広くなってめでたしめでたし、ではなく、家が広かったことを気づかされる、というわけです。

価値を再認識する機会を得ること

ここでの趣旨は、我慢をさせればよいということではありません。
今享受している価値を再認識する機会を与えるとよいのでは、ということだと思います。

今の生活の豊かさ、便利さを実感でき、今も十分幸せであることを改めて確認できること。

日々新しいユーザー体験とか、革新的なユーザー体験(?)を追い求めがちなところがありますが、そうした価値を再認識できる機会を得るための UXデザインを考えてみるのもおもしろいのではないかなと思います。

UX関連記事 (2019/8/12)

今週は家族が旅行に行ってしまい一人で過ごしていました。一人だと家では話をする機会がないのだな、と当たり前のことを改めて感じました。
さて、先週一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。 (来週はたぶんお休みします。)

入力フォームにおけるUI設計の基本とUXを改善するためのデザインルールとは? (Act.3 Consulting Blog)

Webサイトの入力フォームに関する記事です。
注意すべき点が 20項目紹介されていて、それぞれに記載された「ここがポイント」も内容が濃く、入力フォームを作るならこの記事だけ読んでおけば十分だと言えるのではないでしょうか。
私が特に大事だと思ったのは、11番目の「リアルタイムでのエラー表示はしない」という点と、最後 20番目のスマホ入力でのキーボード制御で、これらができていないサイトが意外に多いです。
一点だけ注意が必要なのが 13番目の非アクティブ状態で、どこの入力が抜けているのか簡単に気づけるようにしておく必要がありそうです。

Webサイトはリニューアルによって改善するのか?WebサイトリニューアルとCV・CVR向上の相関関係についての調査 (WACUL)

Webサイトをリニューアルする場合に、見た目の変更だけだとあまり意味がなく、むしろ逆効果だったという記事です。
見た目の変更は「表層的変更」で、必要なのは「構造的変更」というわけですが、こうした情報構造まで手をつける改善を行うべき、という根拠となるデータが示されているのは貴重だと思います。
最後のほうの「何のためにリニューアルをするか?」という言葉に集約されていますが、ユーザー不在の変更であれば、ただユーザーの慣れをリセットするだけの「改悪」になりそうで、注意が必要だと思います。

ぜユーザーは無償のアンケートを引き受けるのか (UX MILK)

アンケート調査に関する記事です。
アンケートを引き受けた人に対して聞いたという、この調査自体もアンケートなわけです。
アンケートを取るときにありがちな各種のバイアスも紹介しつつ調査結果がまとめられているので、興味を持って読むことができました。
サービスやブランドに貢献したいと考える人がアンケートに対して積極的のようですが、一方でこうした人ではない、サービスやブランドに対して不満を感じている人をどうすればアンケートに引き込めるかが課題だなと思いました。

UI/UXをテーマに「夏休みの自由研究」を考える (ZDNet Japan)

自由研究に関する記事です。
確かに自分以外の他社という視点を持って観察し、気づきをアウトプットすれば良さそうな自由研究ができそうです。
私の子どもが通っている学校では自由研究と自由工作が選べるのですが、作りたいものを表現すればいい後者のほうが簡単です。 前者は人に伝えるために表現する必要があり、それが子どもだけでなく大人でも難しいなと思います。
どうでもいいですが、これを読んでいて、まだ夏休みの宿題がほとんど終わっていないのでは、という疑惑がわいてきました。

What Was Wrong With My UX Design Presentations? (UX Planet)

UXデザインについてクライアントへのプレゼンテーションに関する記事です。
同じ UI案でも伝え方ひとつで印象も変わるし納得のされ方も変わる、というのは私も身を持って感じているところです。
ここで紹介されている Why, How, What というフレームワークを元にプレゼンテーションを組み立てると、その価値が伝えやすくなりそうです。
クライアントと Why が共有されていることも大事だと思いますし、UXデザインのプレゼンテーションについてはもっと多くのノウハウを知って活かしていきたいと思っています。

The Layer-Cake Pattern of Scanning Content on the Web (Nielsen Norman Group)

Webサイトの読む際に小見出しやスペーシングを利用してわかりやすくしようという記事です。
ここでは「レイヤーケーキパターン」と呼ばれていますが、従来の「Fパターン」と似ているものの、見出しをわかりやすく配置するなどして素早くページ全体の内容が理解できるようにするということで、最後のほうに違いがまとまっています。
たくさん例が載っていて、英語のサイトとはいえその可読性は一目瞭然です。
また、要素のグルーピングや対応付けといった話も出てきて、ユーザビリティの基本原則は最低限押さえておく必要があるなと感じました。

UX関連記事 (2019/8/5)

暑い日が続きますね。ベランダで栽培しているミニトマトもすぐに萎れてしまうので、頻繁に水をあげています。でも、プランターで普通のミニトマト栽培に無理があるのかもしれません。。
さて、先週一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

アプリ開発においてペルソナはいつまで役立つのか? (UX MILK)

アプリやサービスにおける仮想のユーザー像となるペルソナについての記事です。
「いつまで役立つのか?」というタイトルになっていますが、データが集まり出したらペルソナから脱却してデータ分析に移行すべきとされています。
以前はペルソナはリリース後も継続して仮想のユーザーでありつつけ、アプリやサービスと一緒に成長させていくというのが教科書的な使い方でしたが、情報が取得しやすくなった今、その役割も変わってきているのかもしれません。
ペルソナのもうひとつの大きな役割、すなわちプロジェクト内での意思統一や意識合わせについては、依然として重要であり、今後も残っていくのではと思います。

ヒーローエリアとは?第一印象で差がつくWebデザインの最新動向【実例付き解説】 (Workship MAGAZINE)

Webサイトで大きく画像が表示されるヒーローエリア(画像主体なので単にヒーローイメージと呼ばれることが多いですが)についての記事です。
ヒーローエリアが使われるケースや、実例についていくつか紹介されています。
こうしたレイアウトは、ファッションブランドの Webサイトなどではよく見ますが、最近ではブログなどでも、ヒーローエリアとまでは呼べないものの、アイキャッチ画像が多用されています。
その意味では、他への目移りの激しい現代に合っているのかなと思います。

世界を変えた中国ビジネスの核心は、「究極のUX」にある (NewsPicks)

書籍『アフターデジタル』からの抜粋記事です。
中国の保険会社の事例をもとに、リアル店舗、リアルな接客の今後のあり方について記載されています。
言うまでもなく対面でのコミュニケーションは重要ですが、それをどう活かすのかが今後は問われてくるのかもしれません。
まだ「究極のUX」がどういったものかはよくわかりませんが、連載記事なので今後そのあたりも紹介されていくのではと思います。
実は『アフターデジタル』は未読なので読みたいなと思いつつ、図書館で順番待ちだったりします。

Netflixがユーザの身体活動を追跡するのはなぜ? (ギズモード・ジャパン)

動画配信サービスの Netflix が、テスト的に移動などの身体活動を追跡している、という記事です。
確かに移動中に視聴するケースは多そうなので、そのためのテストを行ってユーザー体験の質を向上させるのは良い取り組みだと思います。
ただ、こうして個人情報がどんどん吸い上げられていくのかと思うと、大丈夫だろうかと心配になってしまいます。
今回のケースは範囲限定のテストのようですが、そうしたやり方が良いのかもと思いました。

53 Web & UX Design Statistics You Can’t Ignore: 2019 Data Analysis & Market Share (Financesonline.com)

Webサイトや UXデザインに関する統計的なデータについての記事です。
Webの閲覧に関する統計情報だったり、UXデザインの情報も多く、またそれらがグラフやインフォグラフィックにビジュアライズされているのでとてもわかりやすいです。
チェックマークのついた統計情報(これが 53個紹介されています)は、どれも重要な情報だと思いますが、"UX Design statistics" に出てくる "UX Facts" もうまく使っていきたいなと思います。

Is Less Really More? The Truth Of Functional Minimalism In Web Design (Usability Geek)

Webサイトにおけるミニマルなデザインに関する記事です。
最近さらに増えてきているミニマルなデザインのサイトに対して、ただ視覚的にミニマルにするだけでなく、審美的かつ機能的であることが重要と記載されています。
押さえるべきポイントが、実際のWebサイトの事例と一緒に書かれていてわかりやすいです。
日本における「間(の取り方)」に関する話も出てきます。