UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

保育士から学ぶUXデザインのコツ

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私は毎朝子どもを保育園に送ってから仕事に行っているのですが、そこで出会う保育士から学ぶことが多いように感じています。

特定のだれか、というわけではなく、今まで多くの方に出会ってきた中で(実は私がお世話になったことのある保育園は合計5つに上ります)、信頼できる保育士に共通する特徴があります。
そしてその特徴は、UXデザインの観点からも非常に重要だと考えています。
ということで、保育士から学ぶことのできるUXデザインのコツという変てこな話を書いてみたいと思います。

子どもたちひとりひとりに対して興味を持つこと

保育士の皆さんの観察眼はすごいなと常々思います。 たくさんの園児がいる中で、誰が何をやってどうだったか、体調など変わったところはないか、といった一連の状況を把握しています。 毎日の様子を記した連絡ノート(日記みたいなもの)を見ても、
「今日は○○公園に行き、○○で遊びました。○○ちゃんは「○○」と言いながら、○○を見せてくれました。そのあと云々・・・」 とエピソードがかなり詳しく書かれています。

もし自分だったら、
「今日は〇〇公園に行きました。元気に遊んでおりました。」
程度の月並みな内容しか書けないような気がします。

保護者は何気に連絡ノートを楽しみにしているわけですが、子どもたちひとりひとりを観察し、毎日期待に応えるほどのアウトプットを出す、というのは大変だと思います。

これで考えさせられるのは、私たちもユーザー調査をするときには、ユーザーのことを少しでも多く知ろうとする姿勢が大事だということです。
「ユーザー」と言ってしまうと、ひとつのかたまりのように思えてしまう場合もありますが、それぞれの人物に興味を持ち、たくさんのことを知ろうとして接すれば、より良い発見ができるのではと思います。

子どもたちの興味の所在や、周囲の環境に対して興味を持とうとすること

子どもに関する興味だけでなく、その人の周りの環境に興味を持つ、というのも大切です。
変な言い方ですが、子どもたちの興味があることに興味を持つこと、ということでしょうか。

以前、私の子どもの担任は、子どもがときどき話している従姉妹の名前まで覚えていました。
ただでさえ覚えておくことが多い中、意識しなければできることではないと思います。
そういったことを覚えておくことで、子どもとのコミュニケーションもうまくとれるでしょうし、保護者からの信頼も得られるのではと思います。

これもユーザー調査で活かせそうなポイントかなと思います。
ユーザーそのものだけでなく、その周りの環境を知ること。それにより、かえってユーザーに対する理解を深めることにつながると思います。
また、ユーザーから寄せられる信頼も変わってくるのだと思います。

ハグをすること

バグに見えた人、さてはSEですね?
バグではなくハグです。

よく保育士がハグしている光景を見かけます。もちろん私たち保護者ではなく、子どもたちとです。
朝登園したときとか、帰りとか、特にぐずっているときはそれだけで収まるように思います。
もちろん、親子でのハグもありますが、保育士のそれは「私は常にあなたの味方です」という姿勢を示しているように思います。

これはアプリやサービスを通してユーザーと対峙している私たちが必要とする要素だと思います。 現実には、集客や利益といったビジネスの視点や、スケジュールやコストといった開発の視点など、様々な視点が絡んできます。
UXデザインを標榜するからには、それらのバランスを取りつつも、もうひとつの視点であるユーザー視点を第一に考え、常にユーザーの味方でなければならないことを意識し、それがユーザーにも伝わるような設計をしていくべきだと思います。

以上、3つほどピックアップしましたが、ほかにもいくつか思い当たるところがあるので、また機会があれば続編を書いてみたいと思います。
ちなみに、自分の園児だったころの保育士との思い出は、怒られたことしか印象に残っていないというのがちょっと悲しいところです。

UX関連記事 (2017/10/2)

春先に川で取ってきた魚が一向に大きくなりません。水槽の大きさのせいでしょうか。 。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

「UXリサーチ気取り」にならないためのマインドセット (UX MILK)

uxmilk.jp

"Snob" なので「エセUXリサーチ屋さん」といったニュアンスかもしれません。
そうならないためのポイントについて、いくつか記載されていますが、要は原理主義者になるなということだと理解しました。
リサーチすることが目的ではなく、課題解決に活かすこと、良いアプリやサービスを作ることが目的です。
そのためには、たとえちょっとした調査でも、しないよりしたほうが効果的だと言えると思います。

自分は偏っていると思うことから始めるデザイン (could)

www.yasuhisa.com

東京での生活に慣れていると、その環境や、周りの人々の特性を中心にしてかんがえてしまうことが多いという記事です。
確かに東京で過ごしていると、それが当たり前と思ってしまう物事が多くあります。それを是正するためのユーザビリティテストも、被験者は首都圏在住者が大半になるということを意識しておく必要がありそうです。
居住地に限らず、自分のまわりを中心に考えてしまうバイアスは他にもいろいろあるのではと思います。

サービスのWhyを明確にする!エグゼクティブインタビューのすすめ (Goodpatch Blog)

goodpatch.com

経営層に対してインタビューしてビジョンなどを聞くことに関する記事です。
意思決定者に対する同様のインタビューでは、ステークホルダーインタビューと呼びますね。
この記事では実際に使用したテンプレートも確認できますが、使いやすそうに思いました。
あと、やはり重要なのは、「なぜ」を問うことかなと思います。3年後にどうしてそうなりたいのか、なぜそのサービスをやる必要があると考えているのか聞けると、最後にいわゆるちゃぶ台返しを受けずに済むと思います。

シンプルなのに大きなインパクトを与えるアプリはどこで工夫しているのか? (ferret)

ferret-plus.com

主にPCアプリからモバイルへの移行という観点で、すぐにアンインストールされずに済むポイントについてまとめられています。
シンプルに、ということで主にビジュアルデザインに関する改善策が多いですが、記事で触れられているように、キーコンピテンシー(MVPと言い換えてもいいかもしれません)をユーザーに素早く適切に体験してもらうための仕組み作りが何より大切だと思います。

Removing The Mystery Of UX Design (millermedia7)

millermedia7.com

「UXデザインの謎を解く」といったタイトルですが、中身はユーザーリサーチやUI検討、評価といったUXデザインプロセスについて解説した記事です。
一通り網羅しているので長いのですが、それぞれがわかりやすく説明されていて、UXデザインの初学者向けに最適な内容なのではと思います。
最後のほうに「教科書のように従う必要はない」と書かれていますが、プロジェクトごとにその状況や特性に応じて適切なプロセスを取るのが大事だと思います。
まぁそれが難しいところでもあるわけですが。

When Slower UX is Better UX (Webdesigner Depot)

www.webdesignerdepot.com

瞬時に処理するより、ゆっくりした処理のほうがUXを高める場合がある、という記事です。
ちゃんと処理されていることがわかるように、あえてプログレスバーを表示するというような例が記載されていますが、ユーザーへのフィードバックが大事だということだと思います。
また、フィードバックを返すだけでなく、ユーザーがそれをちゃんと理解する必要もあると思います。
記事の最後に「ユーザーの期待にマッチさせる」と書かれていますが、そのように適切な長さで適切なタイミングでのフィードバックを検討するのがよさそうです。

UX関連記事 (2017/9/25)

まだ秋なのに早速鍋を食べました。朝晩は冷え込み始めたからちょうどいい頃かも。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

ハンバーガーメニューの代わりはこれ!アプリやサイトに使いたいメニュー5選 (SeleQt)

www.seleqt.net

ハンバーガーメニューの代わりのナビゲーションパターンについてです。
様々なアイデアがあるものの、なかなかこれだという決め手がないのかもしれません。
1番目と2番目は良いナビゲーションパターンであり、これらを優先的に使うべきですが、項目が多いとか文言が長い場合に使えないので、ハンバーガーメニューの代わりとしては難しそうです。
4番目は代替案として良さそうですが、「メニューであること」がわかるという意味では、ただ単にハンバーガーメニューに「メニュー」と明記するだけでだいぶ良くなるのだと思います。

顧客視点のUXデザインは事業の短期的成果を生む近道になる — コープデリ生活協同組合連合会様 (ネットイヤーグループ)

www.netyear.net

UXデザインの実践事例についての記事です。宅配サービスの事例で、プロセスだけでなく思考の過程も書かれていて参考になります。
私が宅配サービス上でのUXで良いと思っていることは、重いものでも購入しやすくなること、また何を買うか自宅で考えられるので、夫や子どもの意見も反映できたり、コミュニケーションが増えたりすることがあると思います。
そういった観点でもまだまだ提供できる体験価値はあり、加入動機につなげられるのではと思います。
この記事は前編で、後編が待ち遠しいところです。

旅行×VR・ARで変わる、新たなユーザーエクスペリエンスとは? (DX LEADERS)

dxleaders.com

VRが旅行への起爆剤になるという話です。
自宅に居ながらにして旅行が楽しめる、と見る向きもありますが、実際に旅行に行きたいと思わせる起爆剤になると書かれており、私も似たような意見を持っています。
ただ、単純に景色を眺めることができるだけではなく、そこに息づく文化や現地の人との触れ合いといったソフト面も含めた情報提供があってこそ、VRから実際の旅行へ駆り立てるトリガーになるのではと思います。

UI文言にビックリマークを使わないほうがいい5つの理由 (CrowdWorks Designer Blog)

designer.crowdworks.co.jp

UI文言にビックリマークは最近見かけなくなりましたが、まだまだ存在します。特にwebサイトではニュースレターや通知の登録に急かせる意味で使われることが多く、逆に登録したくなくなりますよね。
この記事ではいくつかの使ってはいけない理由が書かれていますが、これらにもうひとつ付け加えるとしたら、文字の大きさやスペースの取り方、レイアウトなどで強調表現をしたほうが、より効果的が高いと考えられる点です。

The ‘WOW’ Factor in UX Design (uxdesign.cc)

uxdesign.cc

WOW(日本語で言えばちょっとした驚きという感じでしょうか)をUXデザインでどう取り扱うかについての記事です。
見た目のWOWに囚われすぎる場合は、この筆者のストーリーのように、ぶっ飛んだ案も対案として用意して、ユーザビリティテストで比較してみるのが良さそうです。
ただ、「もっと他のWOWはないのか」という流れになるのは避ける必要がありますが。 最後の結論の文章はとても重要なので、心に刻んでおきたいと思います。

What Comes After User-Friendly Design? (Co.Design)

www.fastcodesign.com

ユーザーフレンドリーなデザインというのはもう適切な呼び方ではなくなっているとの記事です。
UXの倫理といった観点で語られていますが、ユーザーデータの収集や、それに関連する広告の表示は、確かにユーザーフレンドリーとは言い難いかもしれません。 記事でも言及されているような「ダークUX」は極力排除して、ユーザーの利益を第一に考える必要があります。
ビジネス視点が入るとなかなか難しい面もありますが、たとえユーザーフレンドリーデザインでなくても、ユーザーセンタードデザインであることは意識していきたいものです。

UX関連記事 (2017/9/18)

近所のTSUTAYAでCDが10枚1,000円キャンペーンをやっていて、思わず大量に借りてしまいました。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

ドッグフーディング:企業が自社サービスを使うべき理由 (UX MILK)

uxmilk.jp

自社サービスを自ら使うことをドッグフーデイングと言いますが、その意義と注意点をまとめた記事です。
確かに世の中には社員の人はこれ使ってるのかなと思わせるようなお粗末なサービスもあるので、ドッグフーデイングはかなり有効です。というか、率先して使わなければならないと思います。
なお、この中にユーザーと同じ靴を履いて歩くという表現が出てきますが、近いイディオムとして “in someone’s shoes” というのがあり、「人の立場に立って考えてみる」という意味です。
これは海外のサービスデザインの話題では良く出てくる表現のように思います。

誰もがみんな「UXデザイナー」を名乗る必要なんてない (WPJ)

www.webprofessional.jp

UIデザイナーがみんなUXデザイナーを目指す必要はないという内容で、UIとUXの対比についてです。
ここで挙げられている対比画像は、確かにUIとUXを語るのにふさわしくないものだと思います。
どのルートを辿ってもそれはUIな訳だし、それぞれどう感じたかがUXな訳だし。
UIはUXに含まれるものだとはいえ、昨今のUIを矮小化する流れは考えものだと思います。

iPhone X対応におけるデザイン上の注意ポイント (fladdict)

http://fladdict.net/blog/2017/09/iphonex.htmlfladdict.net iPhone Xの登場はアーリーアダプターにとっては喜ばしいニュースですが、アプリを開発するほうは大変です。
記事で言及されているラウンドコーナーは、開発する側だけでなく、UXにも影響しそうです。
それ以上に、ホームボタンが下からのエッジスワイプになったのが、下スクロールと干渉しそうで、ユーザーの使い勝手にかなり影響するように思います。
私もアーリーアダプターなので欲しいなぁとは思うのですが、ソフトキーでもいいのでホームボタンは残してほしかったと思います。

トイレに神は宿っていた? Apple Parkのデザインをチェック! (ギズモード・ジャパン)

www.gizmodo.jp

Appleの発表会会場のデザインについての話です。
トイレに神が宿っているかどうかは、これらを見る限り怪しい感じがしますが、すっきりとしたこだわりのあるデザインであることは確かです。
トイレのドアがどこにあるかわからない、またトイレ自体どこにあるかわからないというのはときどきありますが、とても急いでいる場合もあるというコンテキストを大切にしてほしい気がします。

UX Designers: Are You Focusing Too Heavily on Creating a Beautiful UI? (Shopify)

www.shopify.com

ECサイトのUXデザインに関する記事です。
AmazoneBayなど、素晴らしいUIではなく課題も多いのにも関わらず成功している理由として、3つのトピックをあげています。
確かに日本でいえば楽天なども似たような例(失礼)なのかもしれませんが、記事を読むとやはり一時的UXだけでなく、累積的UXをしっかりカバーすることが大事なのだと思います。
LoveHoneyの事例は、普段あまり考えたことがない分野だったので面白かったです。

How to improve UX using gestalt principles (UX Planet)

uxplanet.org

ゲシュタルト心理学を応用してUXの改善に活かすという記事です。
具体的には、プレグナンツの法則に基づいて、webサイトなどで気をつけるべきポイントがまとめられています。
私もゲシュタルト心理学について詳しいわけではありませんが、ユーザビリティの基本原則に通じるものがあり、興味深かったです。

UX関連記事 (2017/9/11)

ついに男子100mが9秒台に突入ですね。いつの間に日本人はこんなにも足が速くなったのでしょうか。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

フローチャート設計の最新UX用語と、4つの役立つツール (Workship MAGAZINE)

goworkship.com

いくつかのフローチャートや、それを書くためのツール(主にSketchのプラグイン)が紹介されています。
ワイヤーフローという表現はあまり馴染みがありませんが、一般的にはUIフローと呼ぶケースが多いように思います。
また、ここでいうUIフローは、DoGoマップとして定義するのも有効だと思います。
いずれにしても、UIのフローと、それ以外も含めたユーザーのアクティビティフローの双方を定義するのは大切なプロセスだと思いました。

フラットデザインのウェブサイトはユーザーの時間を無駄にしブランドを傷つける可能性がある (GIGAZINE)

gigazine.net

原文を紹介しようと思ったら、早くも訳文が出ていましたので、こちらを紹介します。
押せるかどうかわかりやすいとユーザーは早くタスクをこなせる、というのは当たり前と言えば当たり前ですが、かといってちょっと前のようなテカテカのボタンデザインになっていると、このサイト古臭いけど大丈夫かな?という気持ちになる可能性もあります。
フラットデザインというトレンドを押さえつつ、リンクやボタンはそれとわかるようなビジュアル上の工夫を欠かさないようにする必要がありそうです。

シャンプー容器のギザギザ、なんでついてるの?⇒ あの企業の“神対応”がきっかけでした (ハフィントンポスト)

www.huffingtonpost.jp

シャンプーのギザギザは私も良いデザインだと思います。
実用新案を意図して取らなかったというのは、企業の利益を損ねてでもユーザーの便益に配慮した、というよりは、長い目で見て企業の利益になるという判断があったのではと推測します。
もし似たような場面に出くわしたとき、UXデザイナーとしては、そうした長期的視野で判断を行いたいものです。

世の中の老眼諸氏よ、もっと怒れ (PC Watch)

pc.watch.impress.co.jp

スマホで読む純文学サイトに関する記事です。
文字サイズの拡大ができないということで、アクセシビリティの課題がありますが、個人的には縦スクロールというのも本当に使いやすいのか怪しい感じがします。
恐らく限られたリソースの中でどれを優先すべきか考えた上での結論なのだと思いますが、ここで名前の出ている企業の社会的立場から考えれば、きちんとアクセシビリティを考慮して然るべきだと思います。

The Top 10 User Experience Design Trends for 2018 (designerspace)

designerspace.co

だいぶ気が早いですが、2018年のUXデザイントレンドについてです。
1番や2番はすでに言われているところがありますが、5番のパスワードがなくなるというのは、UXのみならずUI検討にも大きく影響しそうです。
個人的には8番目のシナジーフィードバックに興味をひかれました。やや小難しい内容ですが、UXデザインとしてチャレンジングなトピックなのではと思います。
その他粒度はバラバラですが一見の価値ありです。

How to find more usability problems with fewer users (Userfocus)

www.userfocus.co.uk

少ない人数でもユーザビリティテストで課題を発見する方法について説明した記事です。
3点ほど挙げられていますが、その中で「観察者を増やす」というのはなるほどと思いました。
観察者が少ないと、見落とされたり、何らかのバイアスがかかって問題と意識されなかったりする可能性もあります。
観察者が多ければ、課題発見の機会も増えるわけなので、これは是非実施したほうがよさそうです。
なお、ユーザビリティテストの実施人数は5名がよいというのは神話だとも記載されていますが、とはいえ見積もり段階で人数の目星をつけるには妥当な数字なのかなと思います。

UX関連記事 (2017/9/4)

洗濯物を干したのに雨に降られてすべて濡れてしまいました。まだ着ていないのにもう一回洗濯するのは悲しいですね。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

UXデザインの失敗を回避するためのVUCAという考え方 (UX MILK)

uxmilk.jp]

「UXデザインを失敗に導くアプローチ」ということで、「UXデザインあるある」が記載されていて、興味深く読みました。
「ユーザーのため」を実現するには、「メンバーのため」も重要、という件は確かにその通りで、内部のコミュニケーション、コラボレーション、ファシリテーションはUXデザインを行う上で必要不可欠なことなのだと思います。
「VUCA」という言葉は不勉強ながら初めて聞きました。今は予測不可能な不確実な時代ということだと思いますが、今までも将来が見通せる時代など一度もなかったような気もします。

UXデザインプロジェクトにおけるエクストリームユーザー調査の進め方 (えそらLLC UX ブログ)

esaura.jp

エクストリームユーザー(製品・サービスのユーザーのうち、極端な使い方をしている人)への調査についての記事です。
「エクストリームユーザーはヘビーユーザーではない」点や、調査を行う上での課題など、なるほどと思う点が多くありました。
この中でも書かれていますが、エクストリームユーザーが見つからない問題は大きいように思いますが、通常のユーザーインタビューの中で、エクストリームユーザー的な使い方、ハッキングがなされているケースが見つかることもよくあります。
エクストリームユーザーまでいかなくても、そういった部分を見逃さずに次のフェーズに活かしていくのが有効だと思います。

設計ミス、設置ミスの感が否めない。町で見かけた何かがやばいデザイン (カラパイア)

karapaia.com

たくさんの残念なデザインの例が紹介されていて、眺めているだけでも楽しいです。
一部は狙ってやったものもありそうですが、多くは実際にどういう状況で使われ、どうやってユーザーに使われるのか、といった点の考慮不足と言えそうです。
やはり単体のデザインだけでなく、利用文脈はとても大切だと感じました。

ランディングページにマンガを配置!マンガ有無のABテスト結果に迫る (ferret)

ferret-plus.com

目立つ位置にマンガを置いた場合の効果についてです。
複数のパターンで調査されていて、参考になります。
マンガの優れている点として、イラスト自体がアイキャッチになる点、ストーリー仕立てになっているため、すっと入ってくるという点があると思います。
マンガを配置するかどうかは別にしても、こういった要素は不可欠なのだなと思います。

Friction Isn’t Always the Bad Guy in User Experience (Chargebee’s SaaS Dispatch)

www.chargebee.com

手間がかかるということが常に悪いというわけではない、という記事です。
確認ダイアログのようなベーシックな例から、いわゆるイケア効果と呼ばれる、自分の手間をかけたものにより価値を感じるという心理学的な要素まで、実際の事例を交えて説明されています。
単純にステップ数を減らせればハッピー、というわけではなく、ユーザーの感情を知ることが大事だと言えそうです。

Back-to-Top Button Design Guidelines (Nielsen Norman Group)

www.nngroup.com

Webサイトでよく見かける「ページ上部に戻る」ボタンについてのガイドラインです。
ボタンを表示するかどうかを分けるページの長さの目安だとか、テキストも入れておくといったような細かい点がまとめられていて、ボタンをつけたいと思ったらこの記事を参考にすれば事足りそうです。
一番なるほどと思ったのが、何のために「ページ上部に戻る」のか、それを考えるといった視点です。
ユーザーが戻った後に行いたい行動によっては、わざわざページ上部に戻さずにそのための手段を提供できれば、それに越したことはないのかもしれません。

UX関連記事 (2017/8/28)

今年は夏らしい夏ではなかったですね。日焼けに弱い私は助かりました。 さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

エラーと確認―スムーズな手続きを実現するには:縁の下のUIデザイン―少しの工夫で大きな改善! (gihyo.jp)

gihyo.jp

主にECサイトにおけるエラーチェックや確認、フィードバックといった細かい点についての記事です。
著者の経験も含めて解説されているので参考になります。
最近はどのECサイトも細かい工夫がなされてきていて、特にカートに追加した場合のフィードバックはわかりやすくなっているサイトが多いように思います。
逆にイマイチな購買体験だったサイトは、どうしてイマイチなのか注意して見てみると、気づきがありそうです。

デザインの力で人々の行動を変える – ビヘイビアデザインの裏側 (freshtrax)

blog.btrax.com

人を動かすには何が必要かについて説明されています。
「ビヘイビアデザイン」というあまり聞きなれない用語で説明されていますが、いわゆるフックモデルにも似ている概念で、モチベーションとそれができる能力を持っていて、なんらかのきっかけがあって初めて人を動かせる、とのことです。
例で出てくるのはキャンペーンの話になっていますが、実際の製品やサービスそのものをどう動機づけをするのか、考えていく必要があるように思います。

VRとAR、MRの違いを分かりやすく解説!【3つの違い、ちゃんと説明できますか?】 (SeleQt)

www.seleqt.net

最近はVRなどのUXを取り扱う記事も増えてきました。
これは初心者向けの内容で、単純にVR、AR、MRの定義に関する記事です。
ただ、これらを見ていくうちに、この3つを明確に分ける必要もないように思えてきました。
VRだけど現実世界と連動しているものもあります。ARとMRも程度問題なのかもしれません。
これらのUXを検討する際は、それぞれの枠にとじず、現実と仮想とを包括したユーザー体験として検討していく必要性を感じました。

You don’t need to know everything about UX (uxdesign.cc)

uxdesign.cc

UXは様々な分野にわたるので、すべてを理解するのは難しいという記事です。
確かにUXデザインは各分野の専門家がそれぞれ知恵を絞りつつ検討していくのが理想ですが、そのようなプロジェクトばかりではないと思います。
その意味で、文中でも出てくるジェネラリストとスペシャリストでいえば、ひとりのUXデザイナーとしては前者を目指すのが良さそうです。

Rules For Creating Perfect Push Notifications (UX Booth)

www.uxbooth.com

モバイルアプリのプッシュ通知についてです。
普段スマホを使っていると、あまりにも無駄な通知が多くて辟易させられる人は私だけではないと思います。
この記事では、どうすれば通知をユーザーにとって有益な者ににできるのか、いくつかヒントが記載されています。
ユーザーにお知らせする方法はプッシュ通知だけではない、という点も含めて、改めてその目的から考えてみるのが良さそうです。

Touch Heatmaps: The Future Of Mobile App Usability Testing (Usability Geek)

usabilitygeek.com

タッチヒートマップということで、視線ではなくタッチした部分の頻度を取るという記事です。
確かにこれだとタッチしても無反応だった箇所がわかり、アプリやwebサイトの改善に役立ちそうです。
個人的には、タッチとスワイプの違いなどがどこまで取れるのか気になるのと、タッチする前の迷いが取れないのが課題かなと思います。
その意味で、小さい画面ではさほど有効とは言えないアイトラッキングと組み合わせることで、かなり効果的になるかもしれません。