UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2021/4/26)

緊急事態宣言やらまんえん防止やら、なかなか落ち着かないですね。ゴールデンウィーク何しよう・・・。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

UXを良識と同義に捉えることの危険性 (UX MILK)

UX とコモンセンスに関する記事です。
タイトルでは良識と書かれていますが、本文ではコモンセンスと書かれていて、常識という意味合いで使われている気もします。
UX はコモンセンスだという言説に対して、似ている部分と、似ていないので気をつけた方が良い部分について解説されています。
最後のほうにコンテキストという言葉が出てきますが、 本当の意味でコモンセンスと呼べる部分は少なく、だからこそコンテキストが重視されるし、 UX デザインが必要になるのだと思います。
なお、良識という観点で見ると、またいろいろ問題が出てきて話が長くなるので触れずにおきます。

ウェブサイトからバナー広告を排除するとトラフィックはどのような影響を受けるのか?A/Bテストで実験してみた結果がコレ (GIGAZINE)

Webサイトで広告を表示する影響についての記事です。
広告が多いと敬遠するユーザーが増える、というのは何となく自身の体験からもわかるものの、それが定量的に示されていると言えます。
読み込み速度も影響してそうなので、広告が邪魔だから離脱する、とは一概に言えないかもしれませんが、ユーザー体験を低下させているというのは確かな気がします。
無料のコンテンツやアプリでは広告を表示せざるを得ないとは思いますが、ブラウザーに広告ブロック機能がある昨今、広告の位置付けや対価を得る方法など、改めて議論していく必要があるのかもと思いました。

「電話して」から「メッセージして」まで、テクノロジーと社会の変化で生まれた7つのハンドジェスチャー (WIRED.jp)

ジェスチャーについての記事です。
コロナ禍でジェスチャーも変化しているということで、いくつか紹介されています。
最後のジェスチャーはまさにコロナ禍でこれからさらに一般的になりそうなものですが、最初の「電話して」はコロナに関係なく、技術の変化により変わってきたものだと言えます。
将来的にジェスチャーによるインターフェースといったナチュラル UI が広まっていくとした場合、その中からデファクトスタンダードとなるジェスチャーも生まれていくのかもしれません。

『UI/UXの処方箋』第3回--エレベーターの開閉ボタンで理解するUIデザインとUXデザイン (Geekroid)

エレベーターの開閉ボタンについての記事です。
UI と UX の説明や、開閉ボタンがわかりにくい理由など、突っ込みどころが満載なのですが、最後のほうに紹介されている解決策や実際の事例については納得できるものかなと思います。
他にも解決策があると思いますし、エレベーターに限らず、案内の看板や家電の使い方など、日常の中から問題の本質や解決策の検討をしていけるとよいなと思います。

Unlabeled Icons: Sacrificing Usability for Aesthetics (UX Planet)

テキストが書かれていないアイコンにより引き起こされる使いにくさについての記事です。
いくつか実際のアイコンが紹介されていますが、確かにこれらは初見では何のことやらわからないものがほとんどだと思います。
見栄えが良いことで満足度も上がるとはいえ、課題になりそうな点はちゃんと把握しておく、ということが述べられていて、確かにその通りだと思います。
似た問題について別の記事も出ていました。
Why icons alone won’t save your navigation (UX Collective) こちらはメタファーの問題に触れていて、日本人の興味深い視点も出てきますので、併せて確認をおすすめします。

Addicting UX: How App Designers Keep Us Hooked (Ceros Inspire)

中毒性のある UX ということで、自分のアプリやサービスにユーザーを引き留めようとする行為についてまとめられています。
トピックごとに、実際のサービスの事例がインジケーターを選択で切り替えて確認することができます。
ユーザーの射幸性を煽るものや、所謂 Doom Scrolling を誘発する無限スクロールなどについて紹介されており、有名なサービスがこれらに当てはまるというのは興味深いです。
エシカルデザインという言葉が出てきてからしばらく経ちますが、なかなか事態は良くなっていないと思います。
こうした有名サービスが変わっていくことが求められているのかもしれません。