UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2021/4/5)

角川武蔵野ミュージアムに行ってきました。書籍の分類が個性的で、情報構造設計の勉強になるなぁと感心しました。 さて、先週お休みしたのでここ二週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

UXデザイナーなら知っておきたいデザインに関する10の法則 (ビートラックス)

UXデザインを実践するときに知っていると役に立つ法則について紹介されている記事です。
比較的有名な法則が多く紹介されていて、このあたりの知識を得ておくと、実務で役に立ったり、それっぽく説明できるようになるかもしれません。
この中で個人的に大事だと思うのは、1、2、5、7 あたりです。
2番目のヒックの法則ではジャム瓶の法則についても言及されていますが、これらを同じものとする場合には、選択肢が多い中から選んだときほど幸福度が下がる、というのも理解しておく必要がありそうです。

サービスデザインで創るサステナブルなビジネス (Neuromagic)

サステイナブルデザインについての記事です。
Koos Service Design というオランダのサービスデザインファームの取り組みについて詳しく書かれていて、最先端の事例として参考になります。
日本でもようやくサステイナブルなデザインの話題が増えてきた感じはありますが、レジ袋の有料化とか、まだまだ目立ちやすいモノベースの観点が多いように思います。
オランダでも優先度がそれほど高く位置づけられないケースがある模様で、それは日本と似たような側面があるのかもしれませんが、この記事で書かれているとおり、ビジネスとして成り立つという点が大事のように思います。
SDGs に興味のある人に使ってもらえる製品やサービス、というのも大事ですが、興味ない人が製品やサービスに触れて SDGs に興味を持つ、というストーリーも実現できるといいなと思います。
ちなみに Koos、行ったことがあります!(自慢)

3種類のペルソナ:軽量型、定性型、統計型 (U-Site)

3種類のペルソナについて解説している記事です。
平たく言えば「どこまでやるか?」で分けられるようにも思いますが、これらのペルソナについて、その特徴や長所・短所が解説されています。
統計型は私も経験したことはなく、周りでやったという声も聞いたことがありません。
手間やコストがかかるので、なかなか通常の開発プロセスに載せにくいという事情もあるのではと思います。
どのペルソナについても、短所のところに書かれているのは信頼性に対する課題が多いですが、ここがまずいとなかなかうまく製品やアプリに活かせないなと思います。

さわりたくなる言葉のデザイン「UXライティング」 (AdverTimes)

UXライティングについての記事です。
「さわりたくなる言葉」というタイトルですでに体現しているような言葉のデザインについて、その対象範囲や目指すところについて説明されています。
UXライティングというと、最近の潮流では「わかりやすい言葉」と「気の利いた言葉」の両方を含むものだと思っていますが、人によりどちらに軸足を置くかが変わってくるような気がしています。
UXライティングで含む範囲が広いせいでもありますが(まぁその点 UXデザインも一緒ですが)、この記事は連載もののようですので、そうした観点も含めて次回以降を楽しみにしたいと思います。

10 cancellation flow examples and why they work (UX Magazine)

Webサービスの解約についての記事です。
解約時の UX について、ダークパターンに陥らず、なるべく解約を抑えるための方法が実際の事例を元に説明されています。
かなり多くの事例が紹介されていて、また解約を予防するのに普段から何をすべきかも解説されているので勉強になります。
個人的には解約時に別タスクを依頼するパターンは、ユーザーの行動を阻害するだけであまり意味がないように思います。
それよりは、3番目の事例のような、アカウントの凍結といったオプションを提示するほうが、より良い働きかけになるかもしれません。

Users Love Change: Combatting a UX Myth (Nielsen Norman Group)

おなじみ(?)のエイプリルフールネタです。
今回は「ユーザーは UIの変化を望んでいる」ということで、なるべく頻繁に機能の位置を変えて、ユーザーに探す楽しさを提供したり、ユーザーが飽きないようにデザインを変えよう、といったことが書かれています。
全体的にかなり極論で、アンチパターンとして捉えられる記事ではありますが、単にジョークとして受け流すには少しもったいない、と思える気づきもあります。
例えばユーザーが慣れすぎているため、同じフローしか通らず、機能の発見機会がない、といったような件です。
少なくとも、以前のエイプリルフールネタ(猫の UX 的な記事)よりは役に立つのではと思います。