UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2021/3/22)

年度末に詰め込んだ仕事が徐々に捌けてきたので一安心。と思ったところ、また増えそうな気配がしています。まぁ仕事なんてそんなもんですね。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

プロのデザイナーとして活躍するために必要な8つの非デザインスキル (ビートラックス)

デザインスキル以外に必要なデザイナーのスキル、ということで、8つのスキルが紹介されています。
それぞれについてより詳しい記事も紹介されているので、併せて読むと理解が深まるかと思います。
スキルの中でユニークだと思ったのが「マネージされ力」で、これは平たく言うと他者の視点を受け入れる力、オープンマインドと言えそうです。
その意味では、最後におまけとして書かれている「性格の良さ」にも関係してくる大事なスキルのではと思います。

UXデザインを信じるために、伝えたいこと (デザインビジネスマガジン"designing")

少し前に話題になった記事の翻訳です。
UXデザインという建前で、企業の利益を上げるための提灯持ちになっているという観点で、チョウチンアンコウを題材に、問題の根の深さについて論じられています。
たとえ無意識的でも、ユーザーよりもビジネス優位にデザインしているケースはあるはずで、 UXデザインを実践する立場からすると耳の痛いです。
ちょうどカリフォルニア州でダークパターンの規制が発表されたように、今後はより本来のユーザー中心の考え方に揺り戻しがくるといいなと思います。
一点だけ、Amazon の例について、「UXの良し悪しに関わらずユーザーが満足している」との指摘がありますが、そういうことであれば、良い UX と言ってよいのではと思ってしまいました。

タブデザインのアフォーダンスを考える (UX TIMES)

Webサイトでのタブデザインについての記事です。
選択されているタブが押せるように見える例が紹介されていますが、私も逆かと思いました。
これはかなり紛らわしいデザインですが、こうした場合に解決策を考えるときに大事なのは、なぜ間違えて選択してしまうのか、ということだと思います。
個人的には Webサイトで良く見られる "リンクできるほうが押せるデザイン" というのと、タブのふるまいが相反しているせいなのかなと思います。
ここでは AndroidiOS で見かけるタブコントロールと似た表現になっているとわかりにくさも回避できるのではないかと思いました。

デザインシステムとは何か (コンセント)

デザインシステムについて解説した記事です。
デザインシステムは良く聞くようになってきた言葉ですが、ここではその定義や目指すところがわかりやすく説明されています。
Google の例が挙げられていますが、プラットフォーマーとして Android で動く様々なアプリやサイトについて一貫性を担保する目的が大きいかなと思います。
もうひとつの Uber の例は企業の取り組みということで、企業や公共機関が作成しているデザインシステムの中の一例と言えそうです。
この観点で公開されているデザインシステムはたくさんあるので、興味のある方は調べてみるとよいかもしれません。

Why the ‘Everyone Is a Designer’ Debate Is Beside the Point (UX Magazine)

よく言われる「誰もがデザイナーだ」という言説についての記事です。
誰もがデザイナーであるということを表面的に捉えるのは避けるべき、ということで、かなり長く難しい文章で書かれています。
平たく解釈してみると、手を動かさず口だけ出して結果に責任を持たない状況で、誰もがデザイナーと呼んでいいのか?ということだと思いますが、確かにそれはその通りのような気がします。
こうした議論が盛り上がってしまうのは、デザイナーの指す定義が曖昧なケースが多いと思います。
例えば「誰もが UX の責任者である」というような表現のほうが誤解を生みにくく、建設的な議論ができそうです。

Important Glossaries in UX Design World (BED)

UXデザインに関する用語集です。
この手の記事では用語数が少なかったり、Web に限定された内容が多いですが、この記事では一通りの項目が網羅されていて理解が捗ります。
こうした用語集は日本でもいくつか見受けられますが、一通り網羅された統合的な用語集があるといいなと思います。
(作ろうかな。)