UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2020/3/16)

リモートワークをする機会が増えてきましたが、話し出すタイミングが難しいです。ノンバーバルな情報ってかなり大事だと改めて気づきました。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

自然界に学ぶデザイン手法 バイオミミクリーのススメ (berax)

バイオミミクリーデザインという、あまり聞き慣れない言葉ですが、自然界からインスピレーションを得て製品やソフトウェアのデザインに活かすという趣旨のようです。 いくつか実例が紹介されていますが、ここで挙げられた以外にも、探せばたくさんありそうです。
例えば自動改札の切符をどんな角度で入れてもいつも同じ方向で出てくるのは、川を流れる木の葉を参考にしたという話も聞いたことがあります。
自然界、というか、外の世界に目を向けて、さまざまな知識や経験を得ることが、課題解決につながりやすくなるということなのかなと思います。

なぜダメなデザインが生まれるのか (could)

ダメなデザイン、というよりダークパターンの生まれる原因と対処についての記事です。
この記事に書かれているように、ユーザーメリットよりも利益優先のデザインを依頼された時、立場によっては断りにくい場合もあるのかなと思いました。
ここではそのための対処として、本質的な課題解決について説明がありますが、それでもなかなかチャレンジしにくいケースもあるんじゃないかと推測します。
クライアントエクスペリエンス、というわけではありませんが、知らず知らずのうちにクライアントをうまくその方向へ導くような立ち回りも必要なのだと思います。

エレベーターをインクルーシブなものに。 (コンセント)

インクルーシブデザインに関する記事です。
エレベーターに音声案内装置を後からつけるというのをプロトタイピングして、実際に運用してみたというもので、その過程が詳しく記載されています。
音声案内で健常者も間違いが減った、という件はまさにインクルーシブデザインのメリットでしょうし、今後の展開によっては新たなビジネスにもつながることを考えると、インクルーシブデザインの可能性を感じました。

デザインの敗北事例集~人に伝わらないデザインは死ぬ~ (かじさん@旅するWebマスター)

シンプルに寄せすぎて、説明が伝わらずにテプラが貼られる例などが、いくつか紹介されています。
一通り著名な画像が網羅されていて、確かにこれではわからないといったものが多いです。
もちろんこうしたものは何かしらそうせざるをえなかった理由があるのかもしれません。
制度上、設計上の制約だったり、チーム内でのコミュニケーション不足だったり。
ただ、最近主流のミニマルなデザインを考える際には、実ユーザーの視点を忘れずに、ミニマルを履き違えないようにする必要がありそうです。

How UI Illustrations Improve UX (Fireart Studio)

イラストが UX を改善することに関する記事です。
イラストを効果的に使ってユーザーの理解を促進したり、感情を高めたりする方法について、具体例を交えて紹介されています。
最近はアイキャッチ画像をよく見かけますが、イラストも単なる賑やかしでユーザーを惹きつけるだけでなく、文章による説明を極力抑えて伝わりやすくなっていくとよいように思います。

Are You Sure? Versus Undo: Design and Technology (UXmatters)

コンテンツを削除するときに再確認する方法に関する記事です。
確認ダイアログやインラインでの確認、Undo 可能にするといった方法が紹介されていて、それぞれどういう利点があるか、どう設計していけばいいのかについて詳しく説明されています。
Undo 可能にするというのが筆者の一押しで、確かにここで紹介されているサンプルを見るとかなりわかりやすくなっていますし、実装へのインパクトも少なく実現できそうです。
ただ、削除によりユーザーの意図していなかったリスクがあることを伝える必要があるなら、依然として確認ダイアログが一番なのでは、と思います。