UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2019/11/11)

祝日があると日本のWeb記事も公開数が少なくなるので、自ずと良い記事も少なくなりがちです。が、それを加味しても、ここ最近は海外の記事に興味深いものが多いように感じています。
ということで、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

その機能はオンかオフか? トグルスイッチが招く混乱とは (UX MILK)

トグルスイッチ、特に ON/OFFスイッチについて説明された記事です。
ちゃんと状態がわかるようにすることや、現実に即した操作性にすることなど、スイッチを使用する際に必要な要素が書かれています。
電源アイコンについては世界共通とありますが、ONとOFFに分かれたアイコンだと、縦線と丸になってしまうので、少なくとも日本ではあまり一般的ではなくなりそうです。
あと、ON と OFF ではないトグルスイッチ(トグルボタン)もありますが、この場合は状態の提示がよりシビアになると思います。

コンテンツにまつわる方法論〜UXとしてのコンテンツ〜 (CREATIVE VILLAGE)

コンテンツデザインに関する記事です。
主に Webサイトでコンテンツがとても大事ということで、いくつか要素が挙げられていますが、個人的には特にコンテンツの管理が大事だと感じていて、情報としての鮮度を保つことや、追加削除のメンテナンスを行うことが、ユーザーから信頼されるためにかなり大切なのかなと思います。
なお、この記事の中で「UXピープル」という表現が使われていますが、なんだか新鮮な響きです。
既存の表現だと UX関係者とか UX担当者になると思いますが、これだとむりやり開発側全員を UX を考える人だと定義してしまうこともできそうで、けっこう便利な表現かもしれません。

優れたユーザー体験(UX)を提供し、SEOにおける勝利を勝ち取る (SEO Japan)

UX と SEO の関係に関する記事です。
SEO を考える際は、以前は UX と対立することも多かったが、今ではサーチエンジンが UX を考慮したサイトを高く評価するようになっているため、UX の向上が大事だという内容になっています。
まだまだ完全ではありませんが、徐々にそのような世界になっていくのは、サイト提供者側にとって良いことだと思います。
ただ、HCD を意識している身からすると、「クリックを勝ち取る」という言い回しなど、提供者目線になっている記述が多く感じられます。
UXを考慮した検討を行う際は、まずはユーザーの視点を意識して会話することから始めるとよいのではと思いました。

iOS vs. Android App UI Design: The Complete Guide (Learn UI Design)

モバイルの UI で、iOSAndroid の違いについて細かく説明した記事です。
様々な UIパターンやコントロールについて、双方でどう実現すべきか、画面イメージを添えて対比的に書かれているので、かなりわかりやすいです。
両方でアプリを開発したい、というケースでは、最初にこの記事を読んで、それからそれぞれのデザインガイドラインを読むと理解が進みそうです。
記事の画面イメージ上でスワイプの操作も表現されていますが、これは何だか逆の方向に見えてしまうので注意が必要です。

Make your personas great again in 7 simple steps (UX Collective)

ペルソナが時代遅れだという指摘もあるものの、適切に使えばやはり効果的だという記事です。
最初に良くないペルソナ例が出され、7ステップで実際に修正されて、改善例に行きつくという、かなりわかりやすい構成になっています。
確かに最初のペルソナの例は、最近欧米でペルソナのフォーマットとして多く見られるパターンですが、やはり最後の改善後のほうが伝わりやすいはずです。
要はペルソナは最終成果物ではなく中間成果物であるのだから、ちゃんと次のフェースへのインプットとして「使える」情報にしましょう、ということだと思います。

Can green UX save the world? (Creative Bloq)

「グリーンUX」という、地球を意識した UXデザインに関する記事です。
中身を読む前は、気候変動やごみ問題などにデザイン視点を取り入れて対処する「サステイナブルデザイン」的な話なのかなと思っていましたが、そうではなく、今行っている設計の中で、データ量や消費電力の縮小など、地球を意識してできることをやっていくという取り組みでした。
そうなると「UX」と冠することに違和感を覚えますが、利用するユーザーやその家族の将来のために、環境負荷を考慮したデザインを行うという意味であれば、そう名付けてもいいのかもしれないと思いました。