UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2021/3/15)

ホワイトデーだったので、気合を入れてスイーツを作ってみました。出来上がったものの、何だかコー○ーコーナーで良く食べる味に・・・。買っても同じだったかなと少し残念な気分になりました。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

デザインに潜む「ジェンダーバイアス」 (Campaign Japan)

デザインにおけるバイアスということで、ジェンダーバイアス(性差別)についての記事です。
いくつかの事例が紹介されていますが、音声エージェントの件など、一通り確かにと思えるものが多いです。
一方で、こうしたものを無意識に受け入れていて、言われないと気づかない状態だとダメだなと反省。
私たちはよくペルソナのようにユーザーを絞り込んで製品やアプリを開発することで、価値のブレを防ぐようにしています。
ただ、その取り組みの中で、こうした多様性についての視点が抜け落ちないように常に注意していく必要があると感じました。

「操作が難解」「ミスを誘引する」事例から学ぶUIデザイン改善方法――「何ができるのか」が伝わるデザインとは? (@IT)

UI のあまり良くない事例を元に、ユーザビリティについて解説した記事です。
かなりの分量があり、事例は基本的に ECサイトの事例が多いものの、ほかのアプリや Webサイトでも適用できるものがほとんどだと思います。
最初の横スクロールの例では、デバイスによって UI も変えられると良いかもしれません。
タッチ操作だと横スワイプのカルーセルは扱いやすいですが、マウス操作なら固定にして「もっとみる」ボタンを用意するのが使いやすいように思います。

テクニカルサポートこそがよりよいUXへの鍵を握る (UX MILK)

テクニカルサポートからの UX改善の記事です。
日本だと「カスタマーサポート」という呼び名が多いようにも思いますが、こうしたところに届くユーザーの不満を拾ったり、テクニカルサポート部門からのフィードバックを聞く重要性について説明されています。
個人的にはこうした情報を分析して開発につなげたり、実際に電話に出ていたこともあり、かなり貴重な情報源だと思います。
一番の障壁が、記事でも書かれているように組織を超えて一緒に活動するケースで、時間の確保がなかなか難しい印象があります。
それぞれの組織で明示的にそういったミッションを設定するとか、担当をアサインをするとかが必要だと思います。

不動産業界におけるAR/VR活用:メリットと6つのサービス事例 (ビートラックス)

不動産の AR/VR 活用ということで、いくつかの事例が紹介されています。
こうしたバーチャルな内覧については、日本においてもコロナ禍で増えていきそうな気がします。
個人的にはやっぱり現地で実際に触れたり、部屋の空気感を感じたり、周辺の環境を見てみたりしないと決められないだろうなと思いつつ、無駄足になるのを避ける効果はありそうです。
その意味では、遠隔地で頻繁に訪問できないような物件選びで、当たりをつけて対象を絞り込むのに良さそうに思いました。

The 7 Gestalt principles of design (Webflow Blog)

ゲシュタルトの法則について説明した記事です。
ゲシュタルト心理学の割と広い範囲の情報が網羅されており、勉強になります。
ビジュアルデザインもそうですが、基本的な UI を設計する上で留意すべきポイントが多いと思います。
ちょうど同じタイミングで別の記事でもゲシュタルトの法則についてフォーカスされていました。
The gestalt principle of proximity — in action (UX Collective)
こちらは短い記事ですが、具体的な UI の事例が載っていてわかりやすいかもしれません。

Best Practices: Designing autosuggest experiences (Prototypr)

検索バーのサジェスト機能についての記事です。
未入力のときは履歴、入力開始したらオートコンプリートで表示するといった大事なポイントがまとめられています。
個人的には提案する項目数の推奨や、スペルミスの対応などが参考になりました。
こうしたもので気になるのが履歴の消去とサジェストのための履歴の活用で、このご時世プライバシーの考慮は気をつけていく必要があると思います。

UX関連記事 (2021/3/8)

この週末は花粉症がひどく、目があまりにもかゆくて少しかきつつ寝たら翌朝目が腫れて人相が悪くなってしまいました。。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

天気のことだけじゃなく、もっと話をしよう (UX MILK)

何の話かと思ったら、音声UI の普及についての話でした。
確かに我が家でも一番利用頻度が高いのが天気を聞くことになっていますが、この記事ではもっと会話に近づけること、その普及のためにプロトタイピングできる環境を広めることを指摘しています。
天気やタイマーとか、何か調べるという行為以外となると、なかなかIoT機器も揃わないとその効果を発揮しにくい面もあると思います。
その意味では、この記事の最後の方にあるクルマの音声UI のように統合された環境で使うケースだと、良い体験を作りやすいのではと思います。

ミニマリズムがUI/UXの基本、ガラパゴスになりつつある日本式「賑やかなUI」 (Geekroid)

家電を例にとって、ミニマリズムな UI が良い UX を生むという話です。
いくつかの実例も載っていて、日本製と海外製の違いが如実にわかり、考えさせられます。
家電量販店で目立つというポイントは確かにと思います。
ただ、あまりにシンプルすぎて機能に気づかない、どう操作していいかわからない、というのも問題です。
家電がシンプルならアプリは複雑でいいというわけでもないでしょう。
ミニマリズムそのものを目的とするのではなく、対象となるユーザーが使いやすい・困らない、必要十分な UI/ UX を探究するのが良いのではと思います。

UXデザイナー直伝!本当に機能するカスタマージャーニーマップの作るポイント (ビートラックス)

カスタマージャーニーマップについての記事です。
マップを作成する上で押さえるべき点についてわかりやすくまとめられています。
最初の方で映画の事例が出てきますが、これは初耳で興味深かったです。
ストーリーボードも映画制作から来ていますし、ユーザー体験の可視化は映画などエンターテイメントと共通点が多いのかもしれません。
一点だけ、「多くの人と編集する」というポイントについては、様々な視点が入る利点に加えて、メンバー間の意識や理解を合わせられる利点もあると思います。

Amazonアプリの新アイコンはまるであの人? 好ましくない連想でデザイン変更 (CNN.co.jp)

Amazon のアイコン変更に伴う騒動についての記事です。
新アイコンがヒトラーに見えるというユーザーの声を受けて、別のデザインに変わっています。
日本人の私からすると、うーん、見えると言えば見えるけど・・・というレベルですが、欧米の人たちからすると大変なことなのでしょうし、そこに反応し、すぐさま変えた Amazon はさすがというべきだと思います。
ただ、この新しいアイコン、そもそも矢印のモチーフを見てすぐに Amazon だと想起できる人はどれほどいるのでしょうか。
短期的に機会損失を生んでしまうのでは、と、むしろそっちのほうが心配に思えてきます。

Top vs side navigation: Which one is better for your product? (UX Collective)

トップナビゲーションとサイドナビゲーションでどちらを使うのが良いかという記事です。
前者は Webサイトでよく見るグローバルナビゲーションで、後者はモバイルアプリでありがちなドロワーと呼ばれるコントロールに近いですが、そうした分類ではなく、それぞれどういう文脈で使うのが良いか、具体的な理由含めて説明されています。
最初に両方のナビゲーションを使うケースが書かれていますが、最近はトップが主、サイドが従で使われる場合も多いようにも思います。
トップに載せるほどの大きな機能やコンテンツ分類があるかどうかで、トップ+サイドにするか or サイドだけにするかを決めるというのもありなのではと思いました。

Design is an Open Door (The Avion Newspaper)

http://theavion.com/design-is-an-open-door/

ドアの開閉に関する考察記事です。
ドアの UI 要素をピックアップし、例示したドアがなぜ開けにくいかを解説しています。
大体こうしたドアの開閉については、アフォーダンスの問題が指摘されることが多く、この記事からもその問題が大きいことが読み取れますが、それ以外の UI の問題も指摘されていて興味深いです。
こうしたものをみると、やはりインタラクション(少し年季の入った言い方をすれば、HCI)というのは「対話」なんだなと思います。

UX関連記事 (2021/3/1)

久々にゲームセンターでメダルゲームをやりましたが、おもしろくてけっこうつぎ込んでしまいました。ギャンブルにハマる人の気持ちがわかります。。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

"まだ何も決まっていない"クライアントに向き合うデザイナーへのアドバイス (root inc.)

要件があまり決まっていない場合の UXデザインについての記事です。
競合の調査を含めた UXリサーチの取り組みが必要ということで、具体的な手順などが紹介されています。
ここで冒頭に出てくるクライアントの例は本当に何も決まってなさそうな感じですが、実際にはここまでの例はそれほどなく、もっとウィルを持っていると思います。
そうしたものを聞き出す、この記事でいうところの「クライアント視点」は、ユーザー視点と同様にとても大事な視点だと思います。

ユーザー体験より目先の利益? (UX研究所)

アカウント削除をやりにくくしている件についての記事です。
いわゆるダークパターンと呼ばれるもので、つい最近携帯電話の会社が解約ページを検索されないようタグを入れていたニュースが報じられたばかりなので興味深く読みました。
こうしたものがなかなかなくならないのは、やはりそれなりの効果があるからだと思いますが、ユーザーを死に体の状態でつなぎとめておくより、退会時にフィードバックをもらうことでサービス改善に役立てるほうが断然生産的だと思います。

130万人の足を計測したZOZOMAT - ユーザビリティテストを中心とした改善策とその裏側 (ZOZO Technologies TECH BLOG)

ユーザビリティテストについての記事です。
自社製品の UX検証のため、早め早めでユーザビリティテストを回したという点が詳しく書かれています。
具体的な課題感とテストでの結果と対策が整理されていてとても参考になると思います。
開発プロセスについても垣間見ることができて興味深いですが、こうしてプロセスの中でテストを回していける環境を整えるというのが大事なポイントだと思いました。

ユーザーの気持ちに寄り添うPoC (コンセント)

PoC (Proof of Concept) のためのプロトタイプに関する記事です。
一口でプロトタイプといっても様々なものがあり、要は確認したいことに合わせて変えていくということになりますが、ここでは「共感」と「実感」という 2つの言葉で整理しているのがわかりやすいなと思いました。
ただ、実際の評価となると、後者はともかくとして、前者の方は判断が難しいことが多いです。
そのあたりのポイントも是非知りたいなと思いました。

The Netflix Conundrum: Overcoming “The Paradox of Choice” — A UX Case study (UX Planet)

UX改善のケーススタディですが、ここではNetflix を例にとり、多くのコンテンツがあって検索に時間を要する、いわゆる「選択のパラドックス」を解消するための案を検討しています。
UXデザインプロセスで実践したことが一通り紹介されていて、読んでいて面白いです。
最終的なソリューションは、うーむ、という感じですが、これもひとつの解決策には違いありません。
現状では星評価や口コミがその役を担っているのだと思いますが、個人的には検索する行為も楽しみのひとつだと思うので、ある程度の候補の中から効率的に探せるような体験が良さそうに思いました。

Top 17 Quotes on User Experience and UX Design (UserGuiding)

UXデザインに関する名言についてまとめた記事です。
UX に関するもの、ユーザーリサーチやビジュアルデザインに関するものなど広範囲な内容が取り上げられていて、比較的有名なものが多いと思います。
個人的に良いなと思ったのが8番目の引用で、お金や時間がかかることを指摘されたときに、やらなかったときのコストも考えた上での指摘かどうか確認していく必要があると思いました。 (だいたいの場合そうではないと思いますが。。)

UX関連記事 (2021/2/22)

先週から始まった大河ドラマ、主人公の渋沢栄一は私と同郷です。さすがに観ないと、と思いつつ、まだ録画したまま10分くらいしか観ていません。。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

音声UXの可能性 (in-Pocket)

Clubhouse を端緒とした音声UX についての記事です。
日本でなかなかスマートスピーカーの普及が進まない話が書かれていますが、確かに認識精度がまだまだなので、うまく伝わらないと恥ずかしいから話すに話せない、というケースも多そうです。
なお、スマートスピーカーの音声UI と、Clubhouse などの音声サービスは同じ括りで議論されがちですが、現時点ではこれらを分けて、それぞれのベストプラクティスを考えていくと良いのでは、と個人的には思います。

画面単位ではなく,画面遷移を意識した改善 (gihyo.jp)

アプリや Webサイトを改善するとき、ひとつの画面だけでなく、画面フローを考慮して改善を検討する必要がある、という話です。
ユーザーのストーリーを意識する、ということで、具体的な手順が説明されています。
課題を感じている画面の改善だけでは不十分だったり、他の画面に影響が出たりすることを考えると、一度全体の画面を解体して再構築する中で、個別の画面について考えるというスタンスが良さそうに思います。

【悪い悪いUI・良いUI】発想の転換から打開したアイデアまで【デザイン思考】 (Angry Breakfa$t)

良い UI、悪い UI を紹介したまとめ記事です。
大量に紹介されているので、時間がある時にリンク先まで含めて一通り見てみるとおもしろいかもしれません。
有名なものも多いですが、初めて知るものもあり、勉強になります。
悪い UI の紹介のところで、デザインの失敗とか敗北とか言われがちですが、これはデザイナーだけの責任ではないはずです。
企画の失敗、プロジェクトの失敗として、誰もがこうした事例を学んでいく必要があると思います。

CXデザイン・UXデザインの違い|それぞれの役割も合わせて解説 (UX JUMP)

UX と CX の違いについての記事です。
それぞれのフォーカスしている領域や、両者が連携していく必要性について、詳しくまとめられています。 こうしてみると、UXデザインは製品開発、CXデザインはマーケティングがベースとなっていることがよくわかります。
利用者と購入決定者が異なる場合にはそれぞれ考慮していく必要があると思いますが、両社が同じケースでは、より連携して、ひとつのカスタマージャーニーを見ていけるとよいのかもしれません。

Dangerous UX: Consequential Options Close to Benign Options (Nielsen Norman Group)

危険な UX ということで、正反対の選択肢が近くにあることで間違えて選択してしまうような例について説明されています。
いわゆるヒューマンエラーを誘発しやすい UI が例示されていて参考になります。
中でも間違えてアーカイブしてしまうという例は、スリップ(押し間違い)したときにかなり困るものですが、その理由にはアーカイブしたものをどこから見られるかよくわからないこともあると思います。
あと、ユーザーがミスしてもすぐに元通りに戻せるようを考慮した設計というのは今の時代必須だと思いました。

Are workshops ruining the UX design world? (UX Collective)

UXデザインプロセスにおけるワークショップについての記事です。
ワークショップを過信しない方がよい点について、いくつかの観点から指摘されています。
確かにどの点もワークショップ実施前や実施後に考慮すべき点だと思いますが、2番目の「デザイナーに意思決定を任せるべきで、出たアイデアは検討要素にしかならない」というのは当てはまらないこともありそうです。
意思決定プロセスは計画次第だと思いますし、参加者のモチベーションにも影響するからです。
より良い巻き込み方を実現できれば、その後の開発を含めて良い影響を与えることができると思います。

UX関連記事 (2021/2/15)

Clubhouse が流行っているので一応参加してみましたが、まだ実際にはトークに入っていません。なんだかますます寝不足になりそうで、どうしようかなと。。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

UXデザイナーってどんな仕事?その内容と身につけるべきスキルを徹底解説 (UX JUMP)

UXデザイナーについての記事です。
UXデザイナーとして仕事をするにあたり、どういうスキルが必要で、どういう点を押さえておけばよいのかというポイントがまとめられています。
多くの関係する分野の理解だとか、バランス感覚といったようなポイントが紹介されていて、個人的にとても共感できました。
最後に書かれている「おしゃべり好きな人が向いている」というポイントは、コミュニケーション能力に関係するので確かに大事ではありますが、どちらかというとユーザーやほかのメンバーの話を傾聴し、その背景や理由を深掘りする力がより大事なのかなと思いました。

ステークホルダーマップの活用 (ペパボテックブログ)

ステークホルダーマップに関する記事です。
ステークホルダーマップを作る目的や、ほかのマップとの差異など、わかりやすく説明されています。
このマップ、ステークホルダーが多いと複雑になりがちで、ステークホルダーとの距離感も考慮してマッピングするとさらにわかりにくくなるのが難点です。
具体例も紹介されていますが、まずまず簡潔に収まっているので良い例に思います。
いずれにしても、網羅性と可読性との両立がポイントではないかと思います。

デザインを理解するための4ステップ (アプリ戦略大学)

デザインの勉強をする上で、効果的な手順について紹介した記事です。
主にビジュアルデザインの例になっていますが、商品開発全般で使えるスキルアップ法のように思います。
特に言語化するというのは、なぜ良いのか、の理由を掘り下げるきっかけになり、有効だと思います。
こうした勉強会を定期的に開催するのは実務もある中大変だと思いますが、やはり良いアウトプットを出すためには必要不可欠なのかもしれません。

ECサイトは、UIよりまずはカテゴリの情報設計とアルゴリズムを設計せよ (UX TIMES)

商品に行きつきやすいように情報の設計をちゃんとやりましょう、という記事です。
見た目を有名サイトに真似るのではなく、ユーザーがどういう期待を持ってサイトを訪れるのかを含めて考える必要性が語られています。
情報設計という観点では、カテゴリーの分類だけでなく、一覧性や検索なども考慮した構造の設計が必要そうです。
なお、最後の方の美容液の話は、実店舗ではないので、どこに入れるかを悩むよりすべてに入れておけばよさそうにも感じます。

the Pareto Principle of UX Design (ImaginXP)

UXデザインとパレートの法則についての記事です。
パレートの法則とは、20%のものが 80%ものを生み出している、と考える法則ですが、ここでは 20%の機能を 80%のユーザーが利用している、といった具合に説明されています。
割合の正しさはどうあれ、大半のユーザーが一部の機能のみ使っているというのは多くの製品やアプリなどでよく言われる話です。
開発する際にもそれを念頭において設計や評価をしていくのが効率的、かつ最終的にユーザーのベネフィットになるといえそうです。

Monster List of UX Books: February 2021 Updates (Prototypr)

UXに関係する本のリストです。
ひたすら集めてなんと 1000冊を超えたそうです。
ざっと見たところ、日本語に翻訳されている本も結構見受けられるのですが、何せ量が多いのでそのあたりの解説はやめておきます。。
ただ、さすがに最近リストに追加された本は翻訳が出てないようです。
今は電子書籍で手軽に手に入る時代になりましたが、少し前は船便で1ヶ月かけて送ってもらったのが良い思い出です。

UX関連記事 (2021/2/8)

最近は寝るときに湯たんぽが欠かせなくなっています。これはものすごい発明品だと思うのですが、湯たんぽって海外にもあるのでしょうか?
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

女性誌の媒体資料はペルソナの見本!ペルソナ設計に役立つデータ収集とは (Workship MAGAZINE)

ペルソナを設計する際の参考となる情報についてです。
個人的にこうした媒体資料は今まであまり注意を払っていませんでしたが、ここで紹介されているものを見ると、必要な情報など、かなり参考になるように感じました。
ただ、特定のアプリやサービスのためのペルソナを考えた場合、情報の粒度としてはもう少し細かくても良さそうな感じもします。
ペルソナの名前やプロファイルなど、開発している身近にいるように思える要素もあるとよさそうです。

DropboxのUXライターが語る データを元にした文言の最適化 (Repro)

UXライティングに関する記事です。 UI 上の文言を考える際に、Google Trends などを用いて、よく使われる(=ユーザーにとって馴染み深い)言葉を選ぶといったようなポイントが紹介されています。
中でも 4番目のポイント、ユーザー調査をもとにして、よく使われる言葉をキーに構成するという点は、よりユーザーに寄り添うという視点で重要だと思いました。

UIが嘘をつく? UXデザインにおける「楽観的な更新」とSPAでの作り方 (カミナシ開発者ブログ)

UI のフィードバックに関する記事です。
「楽観的な更新」という名前がつけられていますが、処理がサーバー側で受け付けられることを見越して、UI 上はユーザーに先にフィードバックを返すという、端的にいうと非同期処理について説明されています。
今の Web の UI ではけっこう当たり前になってきている考え方ですが、当然課題もあります。
パスワード間違いでも「ようこそ」と表示する Windows のログイン画面に違和感を覚えるのは私だけではないはずです。
楽観的で良いケースを見極め、あまりふさわしい場面でなければ、操作がされたことだけ表すフィードバックにとどめる必要があると思います。

UXの改善に取り組むチームをまとめるには? (root inc.)

UXデザインプロセスと、そこでのリーダーの役割についての記事です。
各フェーズでリーダーが気をつけるべきポイントについてまとめられています。
ここでいうチームというのは、 UXデザイナーのチームに限定するわけではなく、一般的なアプリやサービスの開発チームと捉えても良さそうです。
また、リーダーとしての役割で、ポイントとして挙げられているのにファシリテーションの要素が多いというのも特徴的で、そうしたスキルを磨いていく必要があるのかなと思いました。

For Digital Payments, The Best Ux Is Forgettable (UX Magazine)

支払い体験についての記事です。
駐車場の支払いを例にとって、共通の API を利用することでアプリなどに囚われずに支払いできる体験について紹介されています。
駐車場アプリは日本ではまだあまりありませんが、飲食店などでの支払いでは、普段からどういう支払い手段が使えるかを確認しています。
今後、ユーザーはそうした確認をせずに、ただ支払いをするという行為だけできれば(あるいは行為さえなく)支払いできるような世の中になっていくかもしれません。
ただ、何をするかを考えるだけで済み、どうやってするかはスキップされる世の中は、果たして良いものなのかどうか・・・。

Designing Better Tooltips For Mobile User Interfaces (Smashing Magazine)

モバイルアプリでのツールチップについての記事です。
ツールチップというのは UI 上でコントロールの説明を風船のように重ねて表示するものですが(そういえば Windows ではそのものずばり「バルーン」というコントロールがありました)、この使い方が詳しく説明されています。
中にはツールチップではなく、ドロップダウンメニューやヘルプテキストと呼ぶべきものも混ざっていますが、これらを含めて付加情報をどう表現するのか、の参考になりそうです。
個人的には、ボタンを見ただけではわからないユーザーに対して情報を提示するなど、初心者と熟練者の橋渡しになるというポイントは大事だと思いました。

UX関連記事 (2021/2/1)

毎朝の散歩がてらにコンビニで新聞を買うようになりました。平日の朝刊のみだと配達してもらうよりも安くなりますが、どの新聞にするか選択肢があるだけに迷ってしまいます。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

そろそろエビデンスを共有しよう (U-Site)

HCD について、ただ優れているというだけてはなく、ちゃんと効果など含めた実践事例を公開していこうという記事です。
「HCD教」という言葉が出てきますが、確かに HCD(に限らず UXデザインも)の普及を進める中で、素晴らしいものだから広めるべきという前提からスタートしてしまうケースは少なからず見受けられるように感じています。
具体的な事例や、そのプロジェクトでどういう活かし方になるのか説明していく必要があるのかもしれません。
ただ、事例の共有については、文中でも書かれているように企業機密の場合が多く、特にそれがクライアントワークの場合はなかなか難しい現状があると思います。

バーミキュラのUXデザインを考察してみた (ARCHETYP Staffing Magazine)

バーミキュラの Webサイトを元に、UX について考察した記事です。
私もこの鍋や炊飯器が欲しいなと思いつつ、お値段高めで手が出しにくい・・・というのはさておき、製品やサービスをどう伝えているのかという点がわかりやすく説明されています。
この記事で指摘されている通り、食材を調理したときの美味しそうな写真や、実際に使うとどうなるのかがイメージしやすいようになっていて、とても参考になります。
Webサイト自体は、今いる現在位置がわかりにくかったり、どう戻ればいいのか迷ったりするのですが、没入感を高めるといった目的で意図的に仕組まれたものなのか気になるところです。

ユーザーフレンドリーなナビゲーションバーを作る5つのポイント (Workship MAGAZINE)

ナビゲーションバーについての記事です。
ここでのナビゲーションバーはモバイルアプリやサイトでの画面最下部に表示される機能切り替えもしくはビュー切り替えのコントロールのことで、Android ならボトムナビゲーション、iOs ならタブバーと呼ばれるものだと思います。
その利用方法について、気をつけるべきポイントがまとめられていて、特に5番目の「シンプルに」というのは大事だと思います。
4番目の「テキストよりアイコンを」というのは、アイコンが何を意味するかターゲットとなるユーザーに理解できるものかを考慮する必要がありそうです。

【2021年版】UXデザインをこれから学ぶ人におすすめの本14選ー現役のUXデザイナーが厳選 (sb-style)

UXデザイン関連の本が多く紹介されている記事です。
Web 寄りの書籍が多めではあるものの、一通り UXデザインを学ぶ上で必要そうな本が紹介されています。
ここで読んだことのない本がある人は、読んでみるとよいのではと思います。
(私も数冊あるので読みます・・・。)
なお、一番最後に紹介されている『誰のためのデザイン?』は、どちらかというと最初の「まずはここから」に入っていたほうが良いような気もします。

Dot Dot Dot…. A brief look at the ellipsis in software design (UX Collective)

「…」(3点リーダー)についての記事です。
ユーザーに追加の情報入力を促すインジケーターになっていたり、最近よく見かける「その他メニュー」のボタンの役割になっているなど大活躍の現状が説明されています。
この乱用について著者はどちらかというと好意的のようですが、私も比較的意図のわかりやすい使われ方をしていると思います。
ただ、「…」ボタンに重要なメニューが隠れていることが少ないからこその可能性があり、そこがハンバーガーメニューとの大きな違いなのではと思いました。
あと、日本語の場合はこれを直訳して「・・・」になっているときがあるので、気を付ける必要がありそうです。

Removing Nested Modals From Digital Products (UX Planet)

二重でモーダルダイアログを表示するのを避けようという記事です。
ダイアログを表示したとき、その画面で何かアクションをしないと裏に隠れた元の画面が触れない状態のことをモーダルと呼びますが、そのダイアログ上でもうひとつ別ダイアログを開くことの問題点について書かれています。
実際の解決策となるパターンも多く紹介されているのでわかりやすいです。
モーダルダイアログの弊害については以前から指摘されているところがあるので、なるべくモーダル状態を作らないような情報構造にしていくのがまずは第一だと思います。 ただ、どうしても利用せざるをえない場合も出てくると思うので、そのときこれらのパターンが参考になるのではと思います。