UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2018/10/8)

先日の台風はかなり風が強くて、家も揺れるくらいの風圧だったのでびっくりしました。危険だとわかっていても思わず窓を開けて手を出してみたりしてしまうのは、人間の持つ自己破壊本能の表れなのでしょうか。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

アプリで新しいジェスチャーを使うときのポイント (UX MILK)

モバイルアプリのジェスチャーに関する記事です。
ジェスチャーをどうテストして、どう伝えるか、概論的に書かれています。
後者はチュートリアルなどでの説明が必要と書かれていますが、個人的にはUIの中でそのジェスチャーが使えるとわかる手がかりを示してあげるのがよいと考えています。
それっぽく言うと「アフォードする」ということですが、無理やり学習させるのではなく、自然に使えるようになっていくとよいように思います。

東京五輪のボランティア応募フォームがダメな理由 -良いユーザーインターフェースを作るための必要条件- (JBpress)

五輪ボランティアの応募フォームがひどいという記事です。
私も見てみましたが、確かに近年まれにみるユーザビリティ品質です。
そもそも冒頭の「応募フォームの入力には約30分かかります」でやる気をなくす人が続出すると思います。
文中ではユーザビリティテストの必要性やユーザビリティの配慮が語られていて、確かにその通りではあるのですが、スケジュールに追われてどんどんイマイチな方向に倒れていく様は自分自身何度も(?)経験あるだけに、ちょっと同情してしまいました。

UXの2つのへだたり:評価と実行 (U-Site)

設定のオンオフに関する記事です。
「評価と実行」という表現で書かれていて、全体的に説明もやや難しいのですが、要は2つの状態を持つスイッチにおいて、表しているのが今の状態なのか、操作後の状態なのかわかるようにする必要があるということです。
これはUI設計で昔からある代表的な課題で、私も今でも頭を悩ますことがあります。
解決策として、ユーザーのメンタルモデルに従うなど、参考になる解説が書かれています。

Why the UX design world doesn’t need experts (HEROIC)

https://heroic.nz/ux-doesnt-need-experts/

UXデザインは専門家は必要ない、という記事です。
その理由も多数書かれていて、筆者はよほどイマイチなUXデザイナーとばかり仕事をしていた経験を持っているのかもしれません。
ただ、こういった記事にこそ、UXデザインの専門家が学ぶものがあると思います。
例えばUXデザインの枠内で考えようとするとか、ユーザーを知っているつもりになっているとか、専門用語を多用するとか。
私たちがUXデザインを実践する際に注意すべき点、改善すべき点がまとめられているといえます。

13 expert opinions on how to balance business and user objectives (UserZoom)

ビジネス目標とユーザー目標のバランスについて13人の専門家にインタビューした記事です。
バラエティに富んだ回答で、「長期的に見たらユーザー目標に焦点を当てたほうが良い」とか、「まずはビジネスで成功しなければならない」とか、どれも読みごたえのある文章です。
この二つは実際に問題となるケースは多く、私自身もそれらが相克するケースで議論を交わしたことが何度もありますが、今後悩んだときはこの記事を読み返そうと思いました。
特に印象に残ったのは、"Ask the right questions to get the right answers"で書かれている内容です。是非読んでみてください。

Micro nudge: a micro animation for behavioral change (UX Planet)

マイクロナッジとは、ユーザーにアクションのきっかけを与える小さなアニメーションなどのふるまいのことを指しています。
文中ではこれをリマインダーとも表現していますが、ユーザーに忘れていた行動を呼び起こすきっかけづくりのような役割になっています。
いくつか実際の事例が載っていますが、そう言われるとSNSサービスなどではよく見かけるふるまいで、こういったものをデカデカと画面上にダイアログで表示するのではなく、さりげなく出すのがトレンドなのかなと思います。