UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2017/11/20)

先日封切された映画のゴジラを観てきました。上映が始まってから初めてこの映画が特撮ではなくアニメだということを知ったのは、おそらく私くらいでしょう。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

クルマから「ハンドル」がなくなる日──自律走行車のインテリアデザインのゆくえ (WIRED.jp)

wired.jp

自動車業界ではEVと自動運転でかなりの変革が起きていますね。
先日私が参加したET/IoT総合技術展でも、AIによる自動運転のカンファレンスはかなりの聴講者を集めていました。
この記事はアウディのUIデザイナーへのインタビューですが、早くも自動運転のその先を目指す取り組みについて思考を広げています。
クルマからハンドルがなくなるということですが、VRの進化などでひょっとしたら人類から移動がなくなる可能性もあり、それをどうとらえるかも自動車の未来を語るうえで欠かせない課題だと思います。

GoogleのHEARTフレームワークを使って、UXを効果的に分析!【その使い方とは】 (SeleQt)

https://www.seleqt.net/design/how-to-effectively-measure-ux-with-google-heart-framework/www.seleqt.net

先週の記事紹介で取り上げようと思いつつ、ほかの記事を優先してしまいましたが、早速翻訳記事が出たのでこちらを紹介します。
UXを定量的に評価するためのフレームワークで、HEARTというのは各要素の頭文字を表していますが、よくできていると思います。
それぞれ要素でKPIを設定すれば、目指すべき目標が明らかになりそうです。
一部訳文に怪しいところがあり、例えば「信号」と訳されているのは「サイン」程度が理解しやすいかもしれません。

倫理なきVR・ARデザインはディストピアを招く (VR Inside)

vrinside.jp

VRやARにも倫理的な規範が必要だという記事です。
確かに文中で紹介されているムービーを見ると、すぐにでもARグラスを外したくなってしまうだろうと思います。
バーチャルな痴漢行為が痴漢行為と呼べるのかわかりませんが、少なくとも不愉快にはなりそうです。
そう考えると、今は目新しさとか、体験の可能性についてフォーカスされがちですが、そういった部分のマナーをどうやって守ってもらうか、あるいは法的な整備をどう考えるのか、議論を進めていく必要がありそうです。

見落とし厳禁!ウェブユーザビリティ基礎問題集 vol.1 (パンタグラフ)

pantograph.co.jp

ユーザビリティのクイズです。それほど難問はないので、気軽にトライしてみるのはいかがでしょうか。
vol.2vol.3もあるのでお忘れなく。
なお、問い7については、[次へ] がアクティブになったままエラー表示のほうがよいかもしれません。
ユーザーが [次へ] を押せない理由に気づかず、先に進めなくなってしまう可能性もあるので、エラーでどこの入力が不十分か案内するのが良いと思います。

The 2 hour Design Sprint (Prototypr.io)

blog.prototypr.io

通常5日間かかるデザインスプリントを2時間で実行するという記事です。
少しデザインスプリントに関する知識が必要となりますが、ときどき調べながら読み進めるとよいでしょう。
この場合だと、プロセスをかなり端折ってスピーディーに実行することになりますが、前任忙しいメンバーを集める場合や、別に主務を抱えている集団で実施する場合には、「それくらいなら」と参加しやすくなるという点で、大きな効果を発揮しそうです。
当然ユーザーリサーチやステークホルダーインタビューの時間はほとんどないので、そういったものがすでにある、あるいは実施者がよくわかっている(というのが実は一番危険だったりするのですが)場合に使うのが良いように思います。

F-Shaped Pattern of Reading on the Web: Misunderstood, But Still Relevant (Even on Mobile) (Nielsen Norman Group)

www.nngroup.com

Webサイトの文章を読むときの視線の動きは、左から右、それから少し下に行って左から右、というようにF字を描くように読むのをF字パターンと呼びますが、このF字パターンに関する記事です。
やや古い検証結果ですが、このパターンはいまだに有効で、モバイルにおいてもこの傾向が見られたり、コンテンツがスキップされるためビジネスにとって悪い影響があったりするということが書かれています。
F字パターンのネガティブ要素についての解消方法は、記事の下のほうに書かれていますので、参考にするとよいと思います。
その解消方法にもつながりますが、いかにコンテンツをスキップさせないか、を考えるより、そうした行動を念頭に置いて、レイアウト設計やコンテンツ作成を行うのがよいのでは、と思いました。