UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2019/12/23)

実家から大量の玉ねぎをもらったのですが、まだ消費しきれず芽がニョキニョキ生えてきました。問題なく食べられるので食べていますが、思い立っていくつかプランターに植えてみました。大きくなぁれ。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

ロービジョン「弱視」の人は、Webサイトをどのように使うのか? ユーザー調査結果を公開 (Web担当者Forum)

弱視のユーザーのユーザビリティテストに関する記事です。
実際に自社のサイトをテストして、そこでの事象と気づきが細かく紹介されています。
特に入力フォームの気づきについては、アクセシビリティの範疇にとどまらず、フォームの使いやすさを向上させるポイントが多く集まっているように感じます。
個人的には、個別のアプリではなくOSの機能で文字拡大したほうがすべて大きくなるのでよい、という点が興味深かったです。

ウェブサイトへの流入を爆増させる可能性を持つ「マイクロブラウザ」について知っておくべきこと (GIGAZINE)

マイクロブラウザに関する記事です。
ここでいう「マイクロブラウザ」とは中身がプレビューされるリンクのことで、実際上のリンクも自体もマイクロブラウザでの表示になっていると思います。
この記事では HTML の記述をどうすれば最適な表示が得られるか、技術的な内容を含めて説明されています。
もうひとつ、リンクされたときにその魅力が伝わるような文章や画像を用意するなど、コンテンツの側面からも考えていく必要性を感じました。

Pinterestのオンボーディング”2017 vs 2019”新旧比較。「いまユーザーが何を求めているか」を知る (Workship MAGAZINE)

Pinterest のユーザーオンボーディングについての記事です。
2017年と2019年の比較で、あまり時間は経っていないものの、かなり変わっていることがわかります。
変更前は作業手順をまとめて見せるチュートリアル的なオンボーディング、変更後は流れの中で説明するコーチング的な見せ方だと言えそうです。
記事の最後の方で、国ごとに見せ方を変えているという話も出てきますが、パーソナライズできるほどの情報を得られていない段階でも、このくらいならすぐにユーザーに合ったコンテンツをある程度提示できそうだと思いました。

速さやタイミングを意識して体験をデザインする (UX MILK)

UIの表示速度やユーザーのタスク処理速度に関する記事です。
必要な表示速度についてや、相対的な時間の流れについて、細かく説明されています。
文中で決済作業を分割した例が紹介されていますが、こうしたケースは、分割してもしなくてもあまり結果が変わらないものもあります。
また、あまりに処理が速すぎても、ちゃんと処理が正常終了したのか、ユーザーが不安に思うケースもあると思います。
なので一概にこれが良いとするものはないと思いますが、記事で書かれているように、UIの表示やユーザー操作について、ミクロな視点でもちゃんと時間の流れを考えて設計するのが、良いUXにつながるのかなと思います。

50 Best Websites of 2019 (Webdesigner Depot)

今年一年で最も優れた Webサイトを 50個紹介しています。 どれもメイン画面だけの紹介となっていますが、ヒーローイメージ主体で外側にナビゲーションメニューを配したものが多く、今年(というか近年)のトレンドがわかります。
とりあえず 50個も紹介されているので、全部を見るのはかなり時間がかかります。 この記事以外にも The best website designs of 2019 (Creative Bloq) で似たような紹介がされているなど、今週は 2019年のまとめと2020年の展望について記載した記事が多いです。

Improve the User Experience with Dialog Maps (The Startup)

ダイアログマップというモデリング手法の紹介です。
平たく言うと UIフロー図のようなものですが、取りうる画面遷移がすべて書かれていて、ユーザーの操作ステップを確認するのに有効と説明されています。 こうしたUIフローを設計するのは UI設計における基本中の基本だと思いますが、複雑さが増してくるとそれらをうまく書き切るのも大変になり、書くほうも読み取るほうも、抜け漏れが出てきてしまいます。
UIフローを簡単にわかりやすく書けて、要素に対する導線が少なければサジェストしてくれるようなツールがあるといいな、と思います。

UX関連記事 (2019/12/16)

皿洗い中にお皿を落として、別の皿とコップを割ってしまいました。けっこう壮絶に割れていたものの、落とした皿は無傷。それも割れなかっただけ良しとしようかなと思います。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

集中力を欠くWeb閲覧者に向けたライティングテクニック (UX MILK)

UXライティングに関する記事です。
どうすれば読んでもらえる、伝わるコピーになるが、ポイントがまとめています。
アクセシビリティの観点も含まれていますが、ここでいう「集中力を欠くユーザー」というのは、すべてのユーザーがそういった状態になりえるわけで、もはやそういうものとして文言を考えていく必要があるように思います。
なお、文中で紹介されているムービーも大変参考になります。

「ペルソナって古くないですか?」という質問を受けた話 (Yuichi Inobori)

ペルソナの手法が古いのかどうかという記事です。
最近は UXデザインのプロセスの中で、ペルソナを作らずに Jobs to be done やバリュープロポジションキャンバス(の特に右側)を使うことで進めるプロジェクトもあるように思います。
結局目的は一緒で、ユーザーの行動や考えを可視化してプロジェクト内の意識を統一するものですが、記事で書かれているように、ペルソナは感情移入しやすく、内部で質の高い議論が生まれやすい点が、ツールとして優れている点だと思います。
古い新しいではなく、一通りのユーザーモデリング手法の利点を考慮しつつ、プロジェクトに合った「ユーザーを理解する」ためのツールとして何を選べばよいか考えていきたいです。

フォントと心理学の意外な関係性。ブランドイメージはフォントで決まる!? (Workship MAGAZINE)

フォントの種類と、そこから受ける印象についての記事です。
英字フォントばかりですが、それぞれの特色と、どういう場合に使うと効果的かがわかりやすく書かれています。
セリフ体を明朝体サンセリフ体をゴシック体と置き換えれば良いのかもしれませんが、そろそろ日本語フォントについて同様の切り口で解説してくれる記事が出てくると嬉しいなと思います。

実は少しずつ変化していた!スクロールバーのデザインの変化(1981年~2015年) (カラパイア)

主に PC で使われるスクロールバーの移り変わりに関する記事です。
デザインの変化がわかりやすくまとめられていて、懐かしいです。
各年代を見ると、機能的にはほとんど変わっていないことがわかります。
記事ではタッチが主流になってきたために見る機会も減ってきているという話が書かれていますが、タッチの場合は位置だけ示すスクロールインジケーターがよく使われています。
これはそのリストがスクロールできること、またどのくらいの長さがあるかを伝えるため、忘れずにつけていく必要があると思います。

Iterative Shipping: A Guide to Product Hypothesis Testing (Toptal)

仮説を用いたテストに関する記事です。
要はA/Bテストあるいは多変量テストをどんどん実行するということで、アプリや Webサイトは仮説のまま世に出して検証していくというアプローチを取るべき、と記載されています。
こうしたテストの進め方について説明されていてわかりやすいです。
いつも気になるのがユーザーから見た側面で、このために UIが逐一変わったり、アプリのアップデートを何度も促されたりするのはユーザーのストレスになるはずで、こうした負荷をいかに軽減するかについても考得ていかなければと思います。

Adobe XD vs. Sketch vs. Figma - Comparing Top UI Design Tools of 2019 (1stWebDesigner)

プロトタイピングツールの比較記事です。
あまり大した比較はされていませんが、プロトタイピングツールについて旬な情報を手に入れるにはちょうどよいように思います。
Figma は以前から話題だったものの、ここ1年くらいで急速に浸透してきているように感じます。
機能的にはどれもほぼ同様、あとは自分のプラットフォームや他に利用しているアプリ次第という感じにまとめられていますが、私個人としては Adobe製品を使うことが多いので、XD を選んでしまうかな、と思います。
後は、Sketch が Windows対応版を出してくれるといいんですけどね。

UX関連記事 (2019/12/9)

NHKスペシャル地震の特集を1週間にわたってやっていたようですが、それに気づいたのが週末。今から観てもなぁ、と結局観ずに終わりそうです。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

土地ごとのユーザー行動をいかに捉えるか?新興国におけるUberのUIローカライズ戦略 (root inc.)

Uber Lite の開発についての記事です。
各国の状況を考察し、それに適したアプリを開発したということで、その過程や、本家のアプリへフィードバックできた点などについて詳しく書かれています。
特に「地図をなくす」というのは、コアな体験の変更ということで勇気のある決断だったのではないかと思います。
でも、確かにユーザーは地図を見たいわけではないんですよね。
こうした決断のできるスキルとそのための組織の醸成が必要だと思いました。

フィードバックを上手く活用して、より良いプロダクトを作る (UX MILK)

デザインのフィードバックに関する記事です。
フィードバックを受ける立場、またフィードバックを行うほうの立場両方のポイントがまとめられています。
後者のほうについては今までも TIPS を見かけたことがありますが、前者について書かれたものはあまりなかったので、より良いフィードバックを引き出す方法として覚えておきたいと思います。
ただ、問題は「なんとなく嫌だ」というコメントが出てくるのが、重要なステークホルダーだったりするわけですが。。
あと、「デザインクリティーク」という話も出てきますが、こうした場を明示的にプロセスに組み込んでおく必要がありそうです。

JR東日本が「QR自動改札機」、2020年春開業の高輪ゲートウェイ駅で実験 (Engadget 日本版)

高輪ゲートウェイ駅に QRコードによる自動改札を導入するという記事です。
飛行機に乗るときの状況を考えると、朝のラッシュ時のスピードで読み取れるのか、やや怪しい気がします。
また既存の ICカードの読み取り位置が変わることで、乗る駅と降りる駅での位置がいちいち違って煩わしくなりそうな点が気がかりです。
それでもこうしたチャレンジは将来に向けて必要なことだとは思います。 別で無人店舗の話もありますし、駅がオープンしたら立ち寄りたいと思います。

人の表情をうまく利用したデザインで人間味あふれる海外のWebサイト実例9選 (SeleQt)

人が大きく表示されるイメージを利用した Webサイトに関する記事です。
どれも効果的に人物写真が使われていてサイトを魅力的にしていると思います。
これらの写真の大半が笑顔ですが、以前エモーショナルデザインに関連する記事で「笑顔を見るとこちらも笑顔になりやすく、ポジティブな感情を呼び起こしやすい」と解説されていたのを見たことがあります。 ECサイトであっても、やはり「人」が大事なのかなと思います。

The Principle of Chunking: What Airbnb taught me about good design (Usability Geek)

情報のチャンクに関する記事です。
チャンクとは情報が大きすぎると一度に覚えられないので、電話番号のハイフンのように塊ごとに分けることを言います。
この記事では、主にコンテンツのグループ化によりユーザーがわかりやすい UI にするよう、良くない例や良い例(Airbnb) をもとに説明されています。
途中でレシートの例が出てきますが、確かにレシートはどこに何が書いてあるのかわかりにくく、個人的には購入日付を読み取るのにいつも苦労します。
マジカルナンバー7±2の話も出てきますが、最近はこの数が多すぎるという話にもなっているので、これに限らずなるべく少ない情報量で分けると良いように思います。

The 100 Best Inventions of 2019 (Time.com)

2019年のベストな発明品ということで、100個紹介されています。
さしずめ日本でいうところのグッドデザイン賞なのかなと思いますが、個人的に知っているものがほとんどありませんでした。(1件だけ日本のグッドデザイン賞でも見かけたものがありましたが。)
傾向としては、やはりグローバルに展開される前提のものが多く、特にSDGs に寄与するプロダクトやサービスが多い印象です。
それぞれに簡単な説明がついていて、中には「今すぐ購入」ができるものもあるようです。

UX関連記事 (2019/12/2)

アナと雪の女王2』を観てきました。詳しくは話しませんが、けっこう楽しめました。吹き替えを観たのですが、オラフの声が違うことにまったく気づきませんでした。。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

UXライターやデザイナーが道路標識から学べること (UX MILK)

道路標識の視認性や分かりやすさをデジタルの世界でも検討しましょう、という記事です。
欧米の道路標識に基づいた説明になっているので、すぐにピンと来ない部分もあるかもしれませんが、日本の場合に置き換えれば十分説得力があると思います。
Outlook のアイコンがわかりにくいという話が出てきますが、昨今ミニマル化の流れがあるものの、アイコンなどについては十分注意しなければならないと思います。
ところで、文中に出てくるガソリンの給油口の位置は、意外と知らない人も多いのではないかなと思います。

JR東日本と東急、「アプリなし」実証実験が映すMaaSの今 (日経ビジネス電子版)

MaaS のサービスでアプリをなくすのを検討していることに関する記事です。
MaaS は自動車を含めた移動手段についての統合サービスですが、この中でユーザーとのインターフェースをモバイルアプリではなく Webサイトにしたということで、確かにそれもありだなと思います。
私も一度しか使わないアプリをインストールした経験がありますが、出先なら Wi-Fi のない環境も多いでしょうし、Webサイトで必要なときに必要なだけ使えればそれで十分な気がします。
もっというと、高齢者のユーザーを考慮し、こうしたサービスはスマホを持っていなくても利用できるといいなと思います。

UXは「マーケティングのイチ施策」ではない (Workship MAGAZINE)

UX はビジネス全体で大事なものだという記事です。
内容を読むとマーケティング分野からの説明になっていますが、当然ビジネス全体というからには、「どうやって売るか」だけではなく「どう作るか」「どうサポートするか」も含まれ、さらには「なぜやるのか?」なども範囲に含まれると思います。
その観点では、文中に出てくるように、自分の業務でも UX に関わる部分はあるので、まずはそこをしっかりやる、というスタンスでも良いように思いました。

どんなふうに見えてるの? 色覚に配慮したUI設計事例 #UI (Yahoo! JAPAN Tech Blog)

色覚異常の場合の色の見え方に関する記事です。
色鉛筆を使ったイラストでの説明や、筆者自身の経験からの事例など、非常にわかりやすい説明になっています。
こうした配慮は進んできていると感じるものの、少しのUI改善などのときに抜け落ちる恐れがあるので、ちゃんと検証プロセスなどに組み込まれているといいなと思います。

Trends for 2030 (Muzli)

来年(2020年)のトレンドの記事かと思ったら、なんと 2030年を標榜したものでした。
1番目と2番目は確かに将来的に実現できそうだと思うものの、2030年というタイムスパンを考えた場合、あまり妥当ではないようにも感じます。
それはインターフェースのあり方が変わるかもしれないと思ったからで、その意味では、3番目はけっこう妥当という気がしています。
あらゆる造形物や表現といったものが一般人のレベルまで降りてきている状況(例えばカメラの高性能化による写真の質の向上や、YouTube であっという間に有名になるとか)を考えると、インターフェースもそのレベルまで降りてきて、集合知によって人とシステムのインターフェースが成り立つ世界が来るように思います。

A short story of design feedback from “douche” clients (UXPin)

嫌なクライアントからのデザインフィードバックについての記事です。
別にデザイナーでなくても、またクライアントワークをしたことがなくても、このような指摘をされるケースというのは誰しも経験があるのではないかと思います。
ではどうするのがよいのか?というところで、最後に出てくるこの記事の結論はかなり心もとないですが、やはりどうやって信頼関係を構築しようか、というところから考えていくしかないのかなと思います。

UX関連記事 (2019/11/25)

先日思い切り転んで背中を打ったのですが、寝起きなどのときにまだ痛みが残っています。老齢になったときにさらに影響が出てきたらどうしよう。。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

そのスマート家電は、来年も“スマート”なのか? IoT機器に常在する「サポート終了」というリスク (WIRED.jp)

スマート家電のサポート終了で、スマートな機能が使えなくなるという記事です。
こうした出来事はすでに発生していて、記事でも実際の事例を含めて紹介されています。
最近はモノ単体よりそのモノを含めたサービス全体として捉える流れが加速していますが、その弊害が顕在化してきているといえるのかもしれません。
また、こうした事実は GAFA のような企業がさらに選ばれる要因にもなりそうです。

ユーザーインタフェースのモード: ユーザーを支援できる場合と損害を与える場合 (U-Site)

UI のモードに関する記事です。
モードの考え方、良い使い方や良くない場合などについてわかりやすく説明されています。
ユーザビリティの問題も指摘されていますが、現在のモードの視認性や、発見しやすさといった点は、大きなポイントだと思います。
よくあるのが、何かの拍子にモードがオンになり、解除方法がわからないというケースです。
画面上にアイコンが表示されて消せない、なんてことも多いですが、アイコン自体を選択可能にして、そこからモードを抜けることができるようにしてほしいなと思います。

エシカルとは?エシカル消費エシカルデザインの概念と事例を交えて紹介 (ferret)

エシカルデザイン、日本語でいうと倫理的なデザインに関して説明された記事です。
倫理的な消費行動とはどういうものか、それをデザインするということについてまとめられています。
エシカルデザインとして事例が紹介されていまが、これらはエシカルなプロダクトやサービスであり、エシカルデザインそのものではありません。
こうしたものをどうユーザーに魅力として感じてもらえるか、ストーリーを語ることを含めたデザインを考えていく必要があると思います。

海外のユニークな名刺 (GALERA)

こちらはちょっとおもしろかったので紹介。
ユニークな名刺ということで、普通とは違うアイデアを備えた名刺がまとめられています。
どれも自分の業務を体現したものになっており、風船の名刺はもはや名刺とは呼べないレベルです。
中には作るのにコストがかかりそうなものもありますが、渡された相手もむやみに捨てられなくなるので、かえって効果的なのかもしれません。

9 lessons every UX designer should steal from the hospitality industry (UX Collective)

アプリやサービスの UXデザインについて、ホテルやレストランから学べることに関する記事です。
その要素は確かに UXデザインでも適用できるようなものばかりです。
ホスピタリティの分野は "おもてなし" の観点でかなり進んでいると思うので、デジタル世界もどんどんその要素を取り入れていけるとよさそうです。 ただ、個人的にはここで述べられているようなお手本になるくらいのレベルのホテルやレストランを利用する機会が限られているのが残念ではあります。。

How to Use Popups Without Hurting the User Experience (Sleeknote)

Webサイトにおけるポップアップメッセージの上手な使い方についての記事です。
ユーザーのスクロールを待ってから表示したほうがよいとか、すぐに終了できるようにしておくとか、大事なポイントがまとめられています。
ただ、いずれにしてもユーザーのタスクを阻害する要因になりますし、最後の例はややダークパターンに近い感じもします。
なにより安直なポップアップ表示は、ユーザーが反射的に閉じることにもつながり、本当に大事なメッセージがスルーされる可能性もあります。
こうしたポップアップメッセージは、ここで記載されている以上に注意深く使っていく必要がありそうです。

UX関連記事 (2019/11/18)

巷では早くもクリスマスムードですが、ハロウィンとクリスマスの間の行事が盛り上がってもいいような気がします。感謝祭や七五三くらいしか思いつきませんが。。
さて、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

LINEとヤフーの経営統合が実現するのは、多くの日本人が知らない「圧倒的なユーザー体験」 (The Nodist)

LINE と Yahoo の経営統合に関する記事です。
圧倒的なユーザー体験とありますが、ひとつのアプリ、サービスであらゆることができるようになるという意味で使われています。
確かに WeChat のアプリ内アプリの例は、今後 LINE と Yahoo も目指してくるところだと思います。
要は誰がプラットフォーマーになるのかという話なのかもしれませんが、そうやってたどり着いた先は便利な世の中なのか、囲い込まれた窮屈な世の中なのか、どちらなのか考えてしまいます。

防災という観点を落とし込んだ、いざという時に頼れるプロダクトデザイン3選 (@DIME)

防災のためのデザインについての記事です。
3つほどプロダクトの事例が紹介されていますが、どれも実際に役立ちそうなものだと思います。
1つ目の例は用地取得に時間とお金がかかってしまいそうではありますが。
そういえば先日開催されていたGOOD DESIGN EXHIBITION 2019では、防スポが展示されていましたが、これも防災のデザインという観点では秀逸だと思います。
これについては後程別のかたちでまとめておきたいです。

UXデザインと「流行」の見落とされがちな影響 (UX MILK)

UXデザイン、というより UIのデザインについて、そのときどきのトレンドによって影響されている点についての記載されています。
様々な流行があるものの、使いやすさが犠牲になっているところもあり、結局はユーザビリティが残るという点にはなるほどと思います。
ハンバーガーメニューも悪名高いものとして取り扱われていますが、もともとはモバイルの画面の小ささを補うためのアイデアのはずで、見つけにくさはそのトレードオフだということもできます。
トレンドとしての新たな挑戦が市民権を得ていくには、そうしたトレードオフをどう解消していくのかが大事ですね。

検索機能のUXが適切にデザインされたページデザイン20選 海外のシンプルで機能的なページに学ぶ (SeleQt)

Webサイトの検索結果ページについて秀逸なものを集めた記事です。
様々な種類のサイトがたくさん紹介されており、ポイントがまとめられていてわかりやすいです。
扱う対象も製品であったり、記事であったりと様々ですが、検索結果が画一的にならないのは、それぞれの種別に適した表示があると言えるのだと思います。

A new usability heuristic evaluation checklist (UX Planet)

ヒューリスティック評価に関する記事です。
いわゆるヒューリスティック評価は、専門家が経験則やユーザビリティのチェックリストなどを用いてアプリや Webサイトの評価を行う手法ですが、デバイスの種類も増え、インターフェースも多様化している今日のため、新しくする必要があるという内容になっています。
10ヒューリスティックスがわかりやすく説明された後に、最新のチェックリスト案がダウンロードできます。
こうしたものはそれぞれ自前のものを持っていたりすると思いますが、ここに記載された内容も取捨選択の上、アップデートしておくとよさそうです。

What Newspapers Can Teach Us About Web Design (Smashing Magazine)

Webサイトのデザインが新聞のデザインから学べる事についての記事です。
新聞はずっと昔からコンテンツがユーザーにとって見やすいかを追及してきたということで、それに学ぶべきことや、それらの異なる点について説明されています。
今の Webデザインにとっては比較的有名な話も多いですが、そうでない話も含めて、かなり読み応えのある記事です。
最後のほうに双方が融合したものとしてニューヨークタイムズの Webサイトが紹介されていますが、確かにこれは新しい新聞と呼べるのかもしれないと思いました。

UX関連記事 (2019/11/11)

祝日があると日本のWeb記事も公開数が少なくなるので、自ずと良い記事も少なくなりがちです。が、それを加味しても、ここ最近は海外の記事に興味深いものが多いように感じています。
ということで、ここ一週間くらいで私の気になった記事を紹介します。

その機能はオンかオフか? トグルスイッチが招く混乱とは (UX MILK)

トグルスイッチ、特に ON/OFFスイッチについて説明された記事です。
ちゃんと状態がわかるようにすることや、現実に即した操作性にすることなど、スイッチを使用する際に必要な要素が書かれています。
電源アイコンについては世界共通とありますが、ONとOFFに分かれたアイコンだと、縦線と丸になってしまうので、少なくとも日本ではあまり一般的ではなくなりそうです。
あと、ON と OFF ではないトグルスイッチ(トグルボタン)もありますが、この場合は状態の提示がよりシビアになると思います。

コンテンツにまつわる方法論〜UXとしてのコンテンツ〜 (CREATIVE VILLAGE)

コンテンツデザインに関する記事です。
主に Webサイトでコンテンツがとても大事ということで、いくつか要素が挙げられていますが、個人的には特にコンテンツの管理が大事だと感じていて、情報としての鮮度を保つことや、追加削除のメンテナンスを行うことが、ユーザーから信頼されるためにかなり大切なのかなと思います。
なお、この記事の中で「UXピープル」という表現が使われていますが、なんだか新鮮な響きです。
既存の表現だと UX関係者とか UX担当者になると思いますが、これだとむりやり開発側全員を UX を考える人だと定義してしまうこともできそうで、けっこう便利な表現かもしれません。

優れたユーザー体験(UX)を提供し、SEOにおける勝利を勝ち取る (SEO Japan)

UX と SEO の関係に関する記事です。
SEO を考える際は、以前は UX と対立することも多かったが、今ではサーチエンジンが UX を考慮したサイトを高く評価するようになっているため、UX の向上が大事だという内容になっています。
まだまだ完全ではありませんが、徐々にそのような世界になっていくのは、サイト提供者側にとって良いことだと思います。
ただ、HCD を意識している身からすると、「クリックを勝ち取る」という言い回しなど、提供者目線になっている記述が多く感じられます。
UXを考慮した検討を行う際は、まずはユーザーの視点を意識して会話することから始めるとよいのではと思いました。

iOS vs. Android App UI Design: The Complete Guide (Learn UI Design)

モバイルの UI で、iOSAndroid の違いについて細かく説明した記事です。
様々な UIパターンやコントロールについて、双方でどう実現すべきか、画面イメージを添えて対比的に書かれているので、かなりわかりやすいです。
両方でアプリを開発したい、というケースでは、最初にこの記事を読んで、それからそれぞれのデザインガイドラインを読むと理解が進みそうです。
記事の画面イメージ上でスワイプの操作も表現されていますが、これは何だか逆の方向に見えてしまうので注意が必要です。

Make your personas great again in 7 simple steps (UX Collective)

ペルソナが時代遅れだという指摘もあるものの、適切に使えばやはり効果的だという記事です。
最初に良くないペルソナ例が出され、7ステップで実際に修正されて、改善例に行きつくという、かなりわかりやすい構成になっています。
確かに最初のペルソナの例は、最近欧米でペルソナのフォーマットとして多く見られるパターンですが、やはり最後の改善後のほうが伝わりやすいはずです。
要はペルソナは最終成果物ではなく中間成果物であるのだから、ちゃんと次のフェースへのインプットとして「使える」情報にしましょう、ということだと思います。

Can green UX save the world? (Creative Bloq)

「グリーンUX」という、地球を意識した UXデザインに関する記事です。
中身を読む前は、気候変動やごみ問題などにデザイン視点を取り入れて対処する「サステイナブルデザイン」的な話なのかなと思っていましたが、そうではなく、今行っている設計の中で、データ量や消費電力の縮小など、地球を意識してできることをやっていくという取り組みでした。
そうなると「UX」と冠することに違和感を覚えますが、利用するユーザーやその家族の将来のために、環境負荷を考慮したデザインを行うという意味であれば、そう名付けてもいいのかもしれないと思いました。