UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2018/1/8)

新年あけましておめでとうございます。今年も細々とやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、年末年始まとめてになりますが、私の気になったUX関連の記事を紹介します。

2018年にUXデザインを取り巻く7つの変化 (freshtrax)

blog.btrax.com

今年のUXデザイントレンドについて記載した記事です。
1、2、3 については、ここ数年言われ続けていることのようにも思いますが、4、6、7 あたりは確かに重要な変化になりそうで、注視していく必要があると思います。
あとは、そろそろUXデザインの認知が拡大して開発プロセスに溶け込むという変化が、予兆だけでもよいので起きてくれるとありがたいなと思います。

UIにとどまらない、UXの取り組み事例7選 (UX Milk)

uxmilk.jp

UXに関する取り組みについて、いくつか事例を見ることができます。
原文は少々古いですが、内容は今でも通用するものだと思います。
これを読むと、サービスの改善とかユーザー体験の向上を考えるときには、やはり画面内だけに縛られず、周辺のサービスなども含めた総合的な解決策を考えていくのが大切なのだ、と改めて考えさせられます。
こういったUIにとどまらない取り組みに視野を広げていくことを新年の抱負とするのも良さそうです。

仕事もデートもUXも、段取りをデザインするということ (ミツエーリンクス UX Blog)

https://www.mitsue.co.jp/knowledge/blog/ux/201712/28_1638.htmlwww.mitsue.co.jp

段取りのデザインに関する記事です。
確かにUXデザインは段取りのデザインとも言えます。個々の体験だけでなく、それらをつなぐ体験の重要性も考慮していく必要があると思います。
記事中で不動産の事例が出てきますが、これは「おとり物件」っぽいですね。
そういう可能性を考えて不動産選びをする必要があるのかもしれませんが、やはりユーザーにネガティブな影響を与えるので、なるべく鮮度の高い情報を届けてほしいものです。

【適切にエラーメッセージをデザインする!】エラーメッセージのベストプラクティス (SeleQt)

https://www.seleqt.net/design/how-to-design-error-messages/www.seleqt.net

エラーメッセージに関する記事です。
4項目が紹介されていますが、どれも大事な要素なので参考になります。
1つ目の項目に関連するのですが、最近は入力している最中にインラインのエラーメッセージが表示されるフォームを見かけます。
そういったフォームに遭遇するたび、いつも何か間違った入力をしているのか不安になってしまう自分がいます。
よくメッセージを読めばよいのですが、エラーとして示されるのはちょっと心外でもあるので、なるべく避けたほうがよい仕様なのではと思います。

A 100-Year View of User Experience (by Jakob Nielsen) (Nielsen Norman Group)

www.nngroup.com

ヤコブ・ニールセンによるUXの今までとこれからについてです。
1950年~2050年の100年間ということで、かなり長いスパンですが、今後はうなぎのぼりにUXの専門家が増えていくと予測しています。
この数値は個人的にはやや疑問で、今後AIの台頭や別のトレンドの隆盛など不確定要素も多く、そこまで専門家が増えるともあまり思えません。
ただ、こういったスケールでUXおよびUXデザインが社会に浸透していくと捉えれば、納得できる値なのかも、と思います。
ニールセン自身も強気だと述べていますが、これくらいの勢いでUXデザインを実践していく気概を持つ必要性を感じました。

How to Use Gamification in Mobile Apps: A Case Study (Boxes and Arrows)

boxesandarrows.com

モバイルアプリでゲーミフィケーションの要素を取り入れる方法に関するケーススタディです。
ここではForestというアプリが例示されていますが、このアプリ自体は「何もしない」ことがゴールなので、それでどのようにユーザーに報酬を与え、次のアクションに結びつけるのか、詳細に説明されています。
このアプリはスマホ中毒の解消アプリで、日本語版も出ているので、興味のある方は使ってみてはいかがでしょうか。
私も使ってみる必要がありそうです。。。

UX関連記事 (2017/12/25)

メリークリスマス!
クリスマスといえばプレゼント、ということで子供のニッチーな願いに応えるべく夜中まで奮闘した自称サンタです。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

ペルソナかJobs-to-Be-Doneか (U-Site)

u-site.jp

ジョブ理論として有名なJobs-to Be-Doneがペルソナに取って代わるのではないか、ということに関する記事です。
結論からいうと、これらは両立し、さらによくできたペルソナであればJobs-to Be-Doneの要素を含んでいるということです。
私はジョブ理論についてあまり詳しくないので、その観点で本記事は勉強になったのですが、ペルソナに代わるものかと言われると、この筆者と同様に疑問に思いました。
ただ、ペルソナがうまく機能しないケースも現実のプロジェクトとして多い印象があり、そういった場合は、リサーチ結果から導かれたユーザーゴールがユーザーの本質的要求を満たしていないのかもしれない、と疑ってみるのがよいと思いました。

2018年に流行るバーチャルリアリティ(VR)10のトレンド (Adobe Creative Station)

blogs.adobe.com

VRに関するUXの拡がりについての記事です。
先日私もVRを体験してきたので興味深く読みました。
まずはゲームの分野で先行していますが、今後はそれ以外の分野も含めて、より多くの人がVRに触れる機会が増えていくのではないかと思います。
そのためには、一番の課題としてVRデバイスがあると思います。記事でもはじめに取り上げられていますが、値段が高いという点もさることながら、着脱が大変だったり、重かったり、ハイパフォーマンスを要求されたりと、手軽に楽しめないのが最も大きな課題だと思います。
これをどう解決していくのかがVRのさらなる普及に関係してきそうです。

失敗するアプリが陥りがちな、モバイルUXの悪デザイン4パターン (Workship MAGAZINE)

goworkship.com

モバイルアプリの良くないUXについて記載した記事です。
4パターンとなっていますが、なぜか5つ紹介されています。
これを読むと感じるのが、モバイルのUIやジェスチャーなどのインタラクションは、多くの人が使いやすくなる方向で進化しているわけではなく、すでに使っている人のためのものなのでは、ということです。
押してみないとわからないボタンや気づかない操作方法など、ミニマルなデザインの負の要素(というか履き違え)は極力避けるような設計をする必要性を感じます。

UXクイズに挑戦! (WD ONLINE)

book.mynavi.jp

UXクイズ(という表現もなんだか変ですが)ということで、webサイトをユーザー視点でデザインするためのクイズをいくつかトライできます。
比較的簡単なものが多いですが、こういったクイズ形式で理解度を測るというのはUXデザインやHCD界隈でもっとあっても良いように思います。
答えがすぐに見えてしまうのが難点で、ちゃんとトライしたい人は書籍を買うのが良さそうです。

Net Promoter Score Considered Harmful (and What UX Professionals Can Do About It) (UIE)

articles.uie.com

NPS(ネットプロモータースコア)の課題についてまとめた記事です。 かなりの長文で、非科学的で役に立たない、といったような散々な言われようになっています。
確かに様々な要因で成り立つべきオススメ度を11段階の指標ひとつに丸めてしまうのはさすがに無理やり感があるとは思います。
簡単に定量的な評価ができるので人気の理由もわかりますし、うまく使えば有効だと思います。ただ、数字だけが独り歩きしてしまうのは避けなければなりません。
NPSがなぜその値となるのか、定性調査も含めてしっかりキャッチアップしつつ、バランスを取っていく必要がありそうです。

Your Design Ikigai (UXmas)

www.uxmas.com

最近は日本でもいくつかアドベントカレンダーを見かけます。その中にはUXに関する記事について書かれたものもありますが、こちらはその元祖のようなUXmasからの記事を紹介します。
「Ikigai」とは日本語の「生きがい」ですが、最近は英語にもなっているようですね。Wikipediaでの英語版で「Ikigai」も載っています。
もっとも、Google翻訳で「生きがい」と入れると "Reason to live" とそれっぽい英訳が出てきますが。
次のデザインのキャリアはIkigaiを求めていけるとよいのでは、ということで、自分の情熱、社会的使命、専門性、能力を活かせるようなものが何か、年末年始じっくり考えてみたいと思います。

UX関連記事 (2017/12/18)

週末の朝に久々にマラソンを走りました。1kmだけですがタイム計測をする本格的なもので、まじめに走ったらその日一日体調不良になってしまい、歳を感じました。。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

アプリの初回起動時の体験設計を考える (Goodpatch Blog)

goodpatch.com

初回起動時の体験、いわゆるユーザーオンボーディングについての記事です。
かなり長い記事で、具体的な事例も含めて丁寧に説明されています。
初回起動時のチュートリアルは、実際のところ私はほとんど読んでいません。
記事の中でも触れられていますが、モバイルアプリであればストア上の説明で事足りるケースも多く、それらも含めた全体としてオンボーディングを設計し、なるべく早くユーザーにコア価値を体験してもらえるようにする必要がありそうです。

ビールと紙オムツの向こう側、ECサイトでカートを放置させないために (WirelessWire News)

wirelesswire.jp

ビールと紙オムツの話は有名ですが、この記事では主にカートに商品を入れたまま購入をやめてしまった状態、すなわち「カゴ落ち」について書かれています。
なるほどと思ったのは、オンラインの購買の自由度が高いこと、これが逆にリスクにつながるということです。
一方で、オフラインの購買の場合、店員の目があったり、せっかく来たのだからという気持ちがあったり、今だけの割引セールがあったりと、購入を促す工夫もたくさんあり、そういった部分もオンラインの参考になるのではと思います。

参考にしたいウェブ・モバイル用ワイヤーフレームスケッチ20選 (SeleQt)

https://www.seleqt.net/design/web-mobile-wireframe-sketch-examples/www.seleqt.net

主にWebサイトのワイヤーフレームについての記事です。
20選と言いつつ15個しか紹介されていませんが、原文のほうには20個ありますのでご安心を。
一通り見てみると、どのフェーズで使うのか、誰に対するインプットとするのかによって、実現方法(手書きとするかデジタルにするかなど)や、粒度が変わってくると思います。 そう考えると、ワイヤーフレームを描くのに絵の上手下手はあまり関係なく、そのときの状況で必要とされるものを見極め、適切な粒度で描けるというのが最も大事な素養だと思います。

会議のUXをちょっと良くするツールデザイン (Qiita)

qiita.com

ツールを導入して会議のUXを向上させるという記事です。
この中で述べられているタイムキープ、議事録とも大事な要素ですが、どちらもUIがどうというよりも、可視化するということが大切なのだと思います。
会議についてはイマイチなUXが目立ちやすい場面なのか、効果的・効率的な会議運営について以前から様々なポイントが指摘されてきていますが、こういった参加者の体験にフォーカスするのが一番必要なのかもしれません。

The 10 Design Trends Of 2017 That Need To Die (Co.Design)

www.fastcodesign.com

2017年のデザイントレンドで消滅させるべきものについて書かれた記事です。
SNSなどでの作為的なフィード表示など、IT関連のもたらす社会問題ともいえる項目が10個紹介されていて、どれも今年のおさらいにぴったりなものばかりです。
1つ目の項目で「X.A.I.」という言葉が出てきます。これは初耳だったのですが、「Explainable Artificial Intelligence」の略で、AIの処理がブラックボックス化しないよう、経過が説明可能となっているAIのことだそうで、今後のキーワードになっていくかもしれません。

UI/UX Case Study : Designing a better cinema experience (Muzli)

medium.muz.li

映画体験のデザイン、ということで、主にWebサイト上の予約から支払いについてのUX改善に関するケーススタディです。
ある映画のWebサイトをお題として、ユーザーインタビューで見つかったペインをもとに、最低限の体験に絞って改善しユーザビリティテストで検証するという、一通りの流れを見ることができ、参考になります。
なお、お題として用いているのは「シネマシティ」というWebサイトですが、リンク先ではすべてヘブライ語で表示されていて、私にはさっぱりわかりませんでした。

UX関連記事 (2017/12/11)

スマートスピーカーがかなり盛り上がってきているので、遅れまいと購入を検討しているのですが、Amazon EchoにしようかGoogle Homeにしようか迷って決められず、このままずるずる行きそうな気配がしていているところです。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

似ているようで本当は違う、UXとCX (UX MILK)

uxmilk.jp

UXとCX、つまりユーザー体験と顧客体験との違いに関する記事です。
UXが単一チャネルの体験設計なのに対して、CXは提供側の体制も含めた全体の体験設計という定義のようですが、UXの文脈でもそういった観点での設計はよく語られているので、あまりこうした違いにこだわる必要はないように思います。
マーケターをグロースハッカーと呼ぶようになったり、テクニカルライターをUXライターと呼んだりとか、新しい用語がどんどん出てきますが、その背景にどういった意図があるか考えていくと見えてくるものがありそうです。

スマートホームは“スマート”じゃない (WEDGE)

wedge.ismedia.jp

今後のスマートホームについて、経済産業省の資料を読み解きながら考察している記事です。
ポイントを押さえた解説でわかりやすいですが、肝心の解説対象の資料からはユーザー視点、体験価値といったものがあまり見えてこないようです。
電気のON/OFFくらいなら自動でやってもらわなくてもまったく問題はなさそうですし、何かもっと生活が豊かになるとか、賢く暮らせるとかといった価値がないと、誰も積極的に導入しようと思わないのでは、と思います。

Wantedly Peopleのデザイン思想(1) 名刺撮影ガイドの「円」に込められた課題解決 (Wantedly Engineer Blog)

www.wantedly.com

このアプリは名刺の自動読み取りソフトですが、名刺を認識できたら、その部分が円で囲まれる仕様になっています。
私も使っていてだいぶ考えられているなと思っていたのですが、そのあたりについて詳しく解説してくれています。
それによると、私が思っていた以上に様々検討されていて、参考になりました。
全体のUIからすると小さなUIですが、体験としてはかなり重要なポイントで、やはりこういった肝となる部分は疎かにしてはいけないなと思いました。

バッドデザイン賞を勝手にノミネートしてみた-2017年度版- (酔いどれデザイン日誌)

ddd.entaku-guild.com

使い勝手の悪いデザインなどを表彰(?)する記事です。
どれも普通なら気付くだろと言いたくなるようなものばかりですが、実際の利用環境がわかっていなかったり、内部のコミュニケーション不足が原因でこういった状態になるのかもしれません。
こういったバッドデザインはよくwebでも特集されていますが、意外とグッドデザインは見かけません。
ユーザビリティ上の問題がないから素通りしがちなのかもしれませんが、そういったところも意識して目を向けていく必要性を感じます。

iOS vs Android: Which Has The Better UX? (Envato)

envato.com

iOSandroidでどちらが良いUXを実現しているか、という比較記事です。
バックキーの取り扱いなど、若干違和感を覚える箇所もありますが、総じて納得できる内容だと思います。
総合的な勝者はAndroidとなっていますが、どちらかというとそのデザイン言語であるMaterial Designの勝利と言えるかと思います。
その意味で、iOSもここらへんでデザイン言語のさらなるブラッシュアップが必要となっているのかもしれません。

Net Neutrality and Design (Prototypr)

blog.prototypr.io

米国で「ネット中立性」が12月に廃止される可能性が濃厚になってきたことに関連する記事です。
この記事では、サービスの排他性が増すためにユーザーが離脱することはなくなる、すなわちUXデザイナーは必要なくなる、と論じられており、極論と言ってしまえば極論です。
現状日本にはあまり関係ないかもしれませんが、そのうち米国発サービスで利用しにくくなるものが出てくるかもしれませんし、日本でも似たような方向性になる可能性もあるでしょう。
『閉じこもるインターネット』の世界が現実になりそうだということで、そんな中でUXデザイナーとして何ができるか、あるいはそれを防ぐためにできることはあるか、考える機会にしたいと思います。

UX関連記事 (2017/12/4)

だいぶ寒くなってきて、ストーブが欠かせなくなってきました。この先これ以上寒くなる日が続くのかと思うと暗澹たる気持ちになるのと、今までよく冬を乗り切ってきたなと我ながら感心してしまいます。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

ユーザー中心にデザインするための方法を学び・実践する「HCD/UXサークル」 (LIFULL Creators Blog)

www.lifull.blog

不動産サイト「HOMES」で有名なLIFULL社の社内勉強会についてです。
私の所属する組織も比較的勉強会は活発なので、こういった取り組みには興味があるのですが、ここではスキルごとに分けて進めているところが良いと思いました。
また、こういった活動は社内的な理解がないと難しいところがあるので、認められるような働きかけがとても大事だなと思います。
続編もありそうなので期待したいと思います。

AIスピーカーの成否、文化的差異も影響大 (日経テクノロジーオンライン)

techon.nikkeibp.co.jp

AIスピーカー、スマートスピーカーが一気に浸透してきましたね。
今はまだアーリーアダプターが購入の中心だと思いますが、この記事は日本での今後の見通しについて、主に文化的側面から解説されています。ハイコンテクストな日本語の表現など、ハードルが高そうなのはその通りだと思います。 記事でも触れられているとおり、音声入力はNUI(ナチュラルUI)と呼ばれますが、現状はまだまだ「ナチュラル」ではないので、もっと自然な会話ができるようになってからが、本当の勝負だと思います。

モバイルデザインにおける独特のポイント:メニューボタンはどこに置くべきか (SeleQt)

https://www.seleqt.net/design/why-mobile-menus-belong-at-the-bottom-of-the-screen/www.seleqt.net

ハンバーガーメニューの置き場所を上ではなく下にすべき、という記事です。
親指が届きやすいところということで合理的な説明ではありますが、一方で、視線の動きでは左上が初めに目につきやすかったり、マテリアルデザインのガイドラインが上に置くよう規定していたりしているので、一長一短だと思います。
この記事では今までの慣習に囚われないように、と書かれていますが、どちらにするにしても、ハンバーガーメニューを使うことで具体的なメニュー項目を隠してしまうのはやめたほうが良いように思います。

弊社における不適切な通知に関する御詫び (mikan)

mikan.link

アプリの通知で開封率を上げるための釣り通知をしてしまったことに対する謝罪記事です。
ネット上では、「グロースハック偏重の行き着く先」とか「ユーザー軽視で本末転倒」といったような批判的な見方が多かったのですが、個人的には大々的に画面キャプチャを貼ってあるあたり、話題作りのためのマッチポンプにも見えてきます。
もしそんな意図があるとしたら、このお詫び記事さえもグロースハックの一環だということが言えそうです。

Is it a genuine shock to argue we are all designers?(Boagworld)

boagworld.com

すべての人がデザイナーとしてデザインの意思決定をしていくべきだという意見に対する賛否に関する記事です。
筆者はこの意見に賛成の立場で論じています。餅は餅屋、という考えもあると思いますが、ビジネスにデザイン的な視点を、ということになると、やはり多くの人がデザインにかかわっていったほうが良いと思います。
UXデザインとしてとらえた場合でも同様に、UXデザインについてはUXデザイナーがやるべき、というよりは、開発メンバー全員がかかわっていくのが理想的な形なのだろうと思います。

How to Improve Scrolling Experience in UX Design? (THINK 360 Studio)

think360studio.com

画面のスクロールに関する記事です。
タブなどでの切り替えよりもスクロールのほうが良い、としているのは、意思決定が容易といった理由などで説明されていますが、最近のトレンドでタイムラインUIにユーザーが慣れている、ということもありそうです。
バックボタンで元のスクロール位置に戻るようにする、など注意すべき点についても触れられていますが、何より、様々なスクロールパターンを見ることができるのが参考になります。

UX関連記事 (2017/11/27)

この週末はお休みを取って熊本に旅行してきました。まだところどころでブルーシートで覆われていたりと、震災の爪痕は残るものの、くまモン一色で元気な一面も見ることができました。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

短期間でUI改善の糸口を発見する!ヒューリスティック評価の手法とポイント (Goodpatch Blog)

goodpatch.com

ヒューリスティック評価や認知的ウォークスルーについて記載した記事で、比較的珍しいと思います。
やや後者の説明が物足りない気もしますが、前者については詳細な説明や知見が含まれていて、参考になります。
評価結果のまとめ方のところで「重要度」と「改善難易度」で評価を行っていますが、「ユーザー遭遇頻度」も併せて判断すると良さそうです。

UXデザインの現場でよく使われるフレームワーク・手法21選 (Workship MAGAZINE)

goworkship.com

UXデザインの手法についてまとめた記事です。
たくさんの手法が紹介されていて、4番目の「カルチャー・プローブ」などあまり聞き慣れないものも見ることができます。
どういうときにどれを使うかなど、具体的な利用についてはそれぞれの手法について詳細を調べていく必要がありそうです。

「サービスデザイン」の最前線を、マドリッドのグローバルカンファレンスで体感してきた (AdverTimes)

www.advertimes.com

先日マドリッドで行われたサービスデザイングローバルカンファレンスの報告記事です。
私は昨年参加したのですが、今年の雰囲気が伝わってきました。
アメリカ系がビジネスに結び付けられているケースが多い印象というのは、昨年はあまり感じられなかったので興味深かったです。
パブリックセクターでのサービスデザインについては、やはり日本ではそれほど話を聞かないということですが、個人的には日本でも実践されている例はそれなりにあり、それを積極的に発信していないだけなのでは、と思っています。

五感の相互作用を活かすクロスモーダルデザイン (marketing cloud laboratory)

uhuru.co.jp クロスモーダルデザインというと、なんだか難しい概念に聞こえますが、視覚や聴覚など、複数の感覚で表現するというものだそうです。
その世界での経験が豊富なほうがVRでも現実として意識しやすいとのことですが、以前私もかなりリアルなドライブシミュレーターに乗ったときに、無免許運転よりダメな運転になってしまったことがあります。
これはシートがまったく動かなかったために、体に慣性を感じず、感覚がずれたことが原因だったように思っていたので、なんだか納得感がありました。
単にリアルな運転も下手なだけだとも言えますが。。

Skeuomorphic Design — A controversial UX approach that is making a comeback (Muzli)

medium.muz.li

スキューモーフィックデザインについての記事です。
これは立体的な、現実社会にある物体を再現したデザインのことで、少し前まで流行っていましたが、最近はそれとは対極にあるフラットデザインが主流です。ただ、ここにきて IoTやVRのおかげで復活してきているとのことです。
確かにこれらは現実社会の拡張がキーになるので、その傾向はあるのだろうと思います。昔取った杵柄というわけではありませんが、そうした設計も考慮する必要がありそうです。
一方で、記事中にある「ユーザーの進化」(これはこれで面白い表現です)も考えると、これらの分野でもそのうちスキューモーフィックデザイン→フラットデザインの流れが起こるのかもしれません。

Hamburger Emoji (🍔) War: Why Is Apple Right (Prototypr)

blog.prototypr.io

ハンバーガーの絵文字についての記事です。
味覚ではなく、視覚で考えたときの正当性がわかり、興味深いです。
確かに小さく表示したときにはつぶれてしまって見づらくなるケースは多く、アイコンやタイポグラフィをデザインするときには気をつけるべき点です。
それにしても、これほどEmojiが海外でも通用する日本語になるとは思いませんでした。

UX関連記事 (2017/11/20)

先日封切された映画のゴジラを観てきました。上映が始まってから初めてこの映画が特撮ではなくアニメだということを知ったのは、おそらく私くらいでしょう。
さて、先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

クルマから「ハンドル」がなくなる日──自律走行車のインテリアデザインのゆくえ (WIRED.jp)

wired.jp

自動車業界ではEVと自動運転でかなりの変革が起きていますね。
先日私が参加したET/IoT総合技術展でも、AIによる自動運転のカンファレンスはかなりの聴講者を集めていました。
この記事はアウディのUIデザイナーへのインタビューですが、早くも自動運転のその先を目指す取り組みについて思考を広げています。
クルマからハンドルがなくなるということですが、VRの進化などでひょっとしたら人類から移動がなくなる可能性もあり、それをどうとらえるかも自動車の未来を語るうえで欠かせない課題だと思います。

GoogleのHEARTフレームワークを使って、UXを効果的に分析!【その使い方とは】 (SeleQt)

https://www.seleqt.net/design/how-to-effectively-measure-ux-with-google-heart-framework/www.seleqt.net

先週の記事紹介で取り上げようと思いつつ、ほかの記事を優先してしまいましたが、早速翻訳記事が出たのでこちらを紹介します。
UXを定量的に評価するためのフレームワークで、HEARTというのは各要素の頭文字を表していますが、よくできていると思います。
それぞれ要素でKPIを設定すれば、目指すべき目標が明らかになりそうです。
一部訳文に怪しいところがあり、例えば「信号」と訳されているのは「サイン」程度が理解しやすいかもしれません。

倫理なきVR・ARデザインはディストピアを招く (VR Inside)

vrinside.jp

VRやARにも倫理的な規範が必要だという記事です。
確かに文中で紹介されているムービーを見ると、すぐにでもARグラスを外したくなってしまうだろうと思います。
バーチャルな痴漢行為が痴漢行為と呼べるのかわかりませんが、少なくとも不愉快にはなりそうです。
そう考えると、今は目新しさとか、体験の可能性についてフォーカスされがちですが、そういった部分のマナーをどうやって守ってもらうか、あるいは法的な整備をどう考えるのか、議論を進めていく必要がありそうです。

見落とし厳禁!ウェブユーザビリティ基礎問題集 vol.1 (パンタグラフ)

pantograph.co.jp

ユーザビリティのクイズです。それほど難問はないので、気軽にトライしてみるのはいかがでしょうか。
vol.2vol.3もあるのでお忘れなく。
なお、問い7については、[次へ] がアクティブになったままエラー表示のほうがよいかもしれません。
ユーザーが [次へ] を押せない理由に気づかず、先に進めなくなってしまう可能性もあるので、エラーでどこの入力が不十分か案内するのが良いと思います。

The 2 hour Design Sprint (Prototypr.io)

blog.prototypr.io

通常5日間かかるデザインスプリントを2時間で実行するという記事です。
少しデザインスプリントに関する知識が必要となりますが、ときどき調べながら読み進めるとよいでしょう。
この場合だと、プロセスをかなり端折ってスピーディーに実行することになりますが、前任忙しいメンバーを集める場合や、別に主務を抱えている集団で実施する場合には、「それくらいなら」と参加しやすくなるという点で、大きな効果を発揮しそうです。
当然ユーザーリサーチやステークホルダーインタビューの時間はほとんどないので、そういったものがすでにある、あるいは実施者がよくわかっている(というのが実は一番危険だったりするのですが)場合に使うのが良いように思います。

F-Shaped Pattern of Reading on the Web: Misunderstood, But Still Relevant (Even on Mobile) (Nielsen Norman Group)

www.nngroup.com

Webサイトの文章を読むときの視線の動きは、左から右、それから少し下に行って左から右、というようにF字を描くように読むのをF字パターンと呼びますが、このF字パターンに関する記事です。
やや古い検証結果ですが、このパターンはいまだに有効で、モバイルにおいてもこの傾向が見られたり、コンテンツがスキップされるためビジネスにとって悪い影響があったりするということが書かれています。
F字パターンのネガティブ要素についての解消方法は、記事の下のほうに書かれていますので、参考にするとよいと思います。
その解消方法にもつながりますが、いかにコンテンツをスキップさせないか、を考えるより、そうした行動を念頭に置いて、レイアウト設計やコンテンツ作成を行うのがよいのでは、と思いました。