UX探訪記

UIデザインやUXデザインに関する記事を集めたり書いたりしています。

UX関連記事 (2017/7/3)

先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

ハンバーガーメニューは本当に優れているのか (UX MILK)

uxmilk.jp

ハンバーガーメニューの欠点に関する記事です。
随分前からこれらの欠点は言われていますが、それでもハンバーガーメニューが多いのは、やはりWebやアプリのデザインで使いやすいからだろうと思います。
ユーザーも徐々に「とりあえずハンバーガーメニューを探す」という行動になっていくのかもしれません。
ただ、今の段階では、提供者側もユーザーも使いやすい「ハンバーガーメニューに代わるもの」を真剣に議論する必要があるのかなと思います。

AIとデザイナーの関係をポジティブに考えてみた (could)

www.yasuhisa.com

AIはデザイナーの職を奪うのではなく、デザイナーがAIをうまく使って効率性を高められるといった記事です。
試行錯誤をAIが担い、決定をデザイナーが行うということになるのかと思いますが、私もこれと同じような未来を思い浮かべていました。
AIが決定に近いところまで提案してくれても、最終的な決定は人間が行う必要があるでしょうし、デザイナーに関わらず、知的生産を生業とする職業であれば、どれも似たような感じになっていくように思います。

デザイナー以外へUXガイドラインを浸透させるためにやったこと (CrowdWorks Designer Blog)

designer.crowdworks.co.jp

社内でUXガイドラインを浸透させるための施策について書かれた記事です。
UIガイドラインではなく、UXガイドラインを作っているのがユニークで、中身もとても興味深いです。
冊子を作ったり、セミナーを開いたりするのはそれほど目新しい取り組みではありませんが、ガイドラインに説得力があるのと、社内にそういったものを取り込む土壌があるのだと思います。
あとはやはり時間をかけてじっくり浸透させていくことも大事だと思います。

無印良品の商品開発手法「オブザベーション」 (日経トレンディネット)

trendy.nikkeibp.co.jp

ユーザー調査の一例ということで、行動観察に近い手法に関する記事です。
ユーザーの言葉に上がってこないインサイトを見つけるのに役立ちそうです。
実際に実施する形態や、そこから製品につながった例まで書かれていて参考になります。

5 UX Truths Cats Can Teach Us (Webdesigner Depot)

www.webdesignerdepot.com

「猫から学ぶUXの真実」という記事です。
語られている真実はさほど新鮮味のある内容ではありませんが、視点が斬新でなるほどと思いました。
というのも、猫を主体的に取り扱ったからというわけではなく、猫のようなペットに対して抱く気持ちをユーザーに対して抱いていければ、自ずとユーザー中心の考え方になっていくだろうと思えたからです。
ユーザーを猫に例えるなと言われそうではありますが、アプリやサービスの提供者側が愛情をもって接すれば、ユーザーも愛情をもって応えてくれるようになるのでは、と思います。

25 Amazing UX Blogs for Design Inspiration (Aerolab)

aerolab.co

UX関連のブログの紹介記事です。
私もこれらの大半をフォローしていますが、かなり信頼できるサイトばかりだと思います。
当然すべて英文になりますが、昨今の状況ではGoogle翻訳がかなりの力になってくれるでしょう。
冒頭に書かれている「UXに近道はないから、必要な努力をするべきだ」といった文章は重みがあります。

UX関連記事 (2017/6/26)

先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

なぜ優れたユーザー体験においてデフォルトが重要なのか (UX MILK)

uxmilk.jp

Webサイトの入力方法やアプリ上の設定について、デフォルトの大切さが記載されています。
大半のユーザーはデフォルト設定を変更しないし、それが一番最適だと考えているというくだりは、アプリやサービス提供側の責任が大きいことを意味していて、考えさせられます。
ここに記載されている内容に加えて、データの消失やセキュリティ上の懸念がある場合は、デフォルト値を安全な方に振っておくということも大事だと思います。

UIはクリエイティブの命運を握る–ドラクエが“広めた”Windows 95 (ZDNet Japan)

japan.zdnet.com

UI、というか入力装置がアウトプットに大きな影響を与えるという記事です。
ここでは文章の作成が取り上げられていますが、アートなどについても同じことが言え、要は持つ筆が変われば絵の種類も変わるということだと思います。
ドラクエのウィンドウUIの話も出てきてなるほどと思いますが、慣れの問題以上にウィンドウUIがわかりやすいUIだったといえるかもしれません。

大量のコンテンツの中から自分の好きなものを発見する「Discovery」デザインの3つのポイント (Ferret)

ferret-plus.com

ディスカバリーデザイン」というと新しいデザイン言語かと思いましたが、どうやらコンテンツ検索UIについての話のようです。
新しいものを発見するのか、すでに対象は決まっていてそれにアクセスするのかについては、どういったサービスを提供するのかによってもストーリーが変わってくると思いますが、これらのバランスが大事だといえると思います。

プロダクトチーム ( エンジニア、デザイナー含む ) で保育士体験をしてきた話 (NET BIZ DIV. TECH BLOG)

tech.recruit-mp.co.jp サービスを使う現場に実際に入り込んで体験してみた、という記事です。
実際の現場で気づかされることも多いということで、直接観察の重要性について記載されています。
確かに現場の人たち(この場合は保育士)にとって当たり前であっても、開発側が見ることで、新しい気づきにつながることも多いと思います。
ちなみに、私も保育士体験をしたことがありますか、あれはかなりの重労働です。

Reddit’s Terrible Volume Controls Teach Good Design (Lifehacker Australia)

www.lifehacker.com.au ボリュームコントロールに関する記事です。
いくつか変なボリュームコントロールがGIFアニメなどで紹介されていて、だんだんとエスカレートしていきます。
最後のほうはジョークですが、一番初めの例を見てもけっこう衝撃的です。
こういったものは差別化することで価値が生まれるわけではないので、慣れ親しんだものを使ったほうが良いと改めて思いました。

Connecting With Users: Incorporating Humor In Web Design

www.smashingmagazine.com

Webサイトでユーモアを使うことについての記事です。
たくさんの事例が紹介されていて、興味深く読むことができます。
日本の場合、国民性によるのか、Webサイトではこういったユーモアはあまり見られないのですが、せめてアバウトページや404ページくらいは少し取り入れても良いのではと思いました。
他方、そのためにページの読み込み速度が遅くなってはならない、などといった「使用しないほうが良い場面」についても記載があり、参考になります。

UX関連記事 (2017/6/19)

先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

無限スクロール vs ページネーション vs もっと見るボタン — ECサイトにおける考察 (L'OREM)

l-orem.com

ECサイトの商品検索結果一覧ページなどのスクロールに関する記事です。
各スクロール形式についての説明や、利点や懸念点が詳細に書かれているので、大変参考になります。
無限スクロールだとフッターにアクセスしにくいという問題点については、そもそもあまりフッターを当てにするべきではないと言えるのかもしれません。

雑誌FUJITSU 2017-5月号 (Fujitsu Japan)

www.fujitsu.com

ユーザーエクスペリエンスデザイン特集ということで、たくさんの論文が載っています。
アカデミックなものが多いかと思いきや、具体的な事例も多く、またサービスデザインに言及したものなどバリエーションも豊富で、どれも興味深いです。

アウトプットの質を高める方法 (DENDESIGN)

dendesign.jp

アウトプットの質を高める方法が3つほど紹介されています。
3つ目の「他人の意見を聞く」というのが興味深く、ただ単にほかの人の意見を参考にするというわけではなく、ペルソナなどのターゲットを共有したうえでフィードバックをもらうということで、確かにそのほうが有効な意見が多く出てきそうな気がします。
なお、私が行っているアウトプットの質を高める方法は、2の「視点を変える」ですが、個人でリフレーミングのできるアイデア発想法を使ったりしています。

セキュリティとユーザーエクスペリエンスは本当にトレードオフなのか (ScanNetSecurity)

scan.netsecurity.ne.jp

セキュリティとUXに関するセミナーレポートです。
トレードオフという表現が使われていますが、確かに素直に両立しにくいとは思います。
使う人あってのWebサービスなので、セキュリティといえどもUXは軽視すべきではないと思います。もちろん、逆も然りですが。
ただ、セキュリティが堅固であることによる安心感と、それだからこそできる自由な行動は、とても重要なUXだと思います。

8 terms to call your users – Which one fits your mind-set? (Interaction Design Foundation)

www.interaction-design.org

ユーザーの呼び方の変遷についてです。
記事の一番上にある画像に呼び方がまとめられていますが、開発やデザインを行う上での”ユーザー” の捉え方の変遷だったり、開発者やデザイナーのミッションの変遷だとも言えそうです。
私がカスタマーエクスペリエンスという言葉に違和感を覚えるのはこういう理由からだったのかも、と少しすっきりしました。
他方で、ProsumerとかMakerという呼び方も出てきますが、ここまで行くとちょっと行き過ぎ感もあるような。
「ユーザー」をリスペクトしつつ、同じ目線でアプリやサービスを考えていけるといいのかなと思いました。

A guide to sketch storming - a design game for ideation

www.uxforthemasses.com

スケッチストーミングというアイディエーション手法についてです。
課題に対するアイデアを絵で表現し、それを他の人が推測しつつ便乗したアイデアを絵で描いていく、というルールで、とても単純です。
推測せず説明を加えたほうが正しく伝わり、それを基にした発想も質が高まりそうな気もするのですが、どうも推測要素があることが参加者を熱中させるポイントのようです。
そういえばちょっと前にこの記事の冒頭で出てくるラスコー壁画展に行ってきたのを思い出しました。

UX関連記事 (2017/6/12)

先週一週間くらいで、私の気になったUX関連の記事を紹介します。

インタビュー:あえて仕様書を作らないコロプラのデザイン現場とは? (UX MILK)

uxmilk.jp

ゲームのUIに関するインタビュー記事です。
仕様書を作らないということで、ゲームのようなアニメーションを多用するUIに適した形なのかもしれません。
一方で、仕様書を用意する利点もあるわけで、なぜ作るのか、作って何に使うのかを明確にして、決めていく必要がありそうです。

シンポ、研修で引っ張りだこのグラフィックレコーディングって?——富士通有志が広げる思考の新手法 (BUSINESS INSIDER JAPAN)

www.businessinsider.jp

グラフィックレコーディング、略してグラレコの記事です。
社内で活用しているということですが、コミュニケーションが活発になるとのことで、これからより多くのシーンで活用されていくように思います。
そこまで体裁にこだわらず、ただ単に会話の補助として絵や図を使う、という点はすぐにでも実践していけると良さそうです。

おもてなしは「表と奥」の2段階!? :無意識を調べて見えてきた、多面的ホスピタリティのアウトライン (WIRED.jp)

wired.jp

「おもてなし」を日本の特色として推進していくには、ここで書かれているように、それが何者かしっかり定義して、再現性があるものにしていく必要があると思います。
気になる点としては、一般的に「おもてなし」の対訳は “Hospitality” ですが、個人的には何だかニュアンスが異なるように感じていて、そこに日本特有の提供価値があるように思います。

設定したペルソナで患者の物語を追体験 (Cadetto.jp)

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cadetto/igakusei/report/201706/551477.htmlmedical.nikkeibp.co.jp

カスタマージャーニーマップのワークショップ体験記です。
医療関係のトピックですが、手順や気づきなどは業界に関わらず参考になります。
ペルソナとタッチポイントは同じでも、出来上がったジャーニーはグループにより異なったという点は興味深かったです。
自分たちで考えたものが必ずしも正解ではないということを念頭に置いた上で、より良いタッチポイントを考えたり、ユーザーに対する洞察を深める大切さを身に染みて感じたりするところにこの手法の意味があるのだと思いました。

Best Practices For Hero Images

blogs.adobe.com

Webサイトで一番目を惹く画像であるヒーローイメージの使い方に関する記事です。
関連のある画像を用いるなど基本的な点も含めて多くのポイントが記載されています。
中でも「Blur Effect」の項で、ぼかした画像を使ってみて、ユーザーの視線について考察するという点は、実際に役に立ちそうです。

Avoiding Uber Disruption: How Radio Can Leverage The User Experience (Jacobs Media Strategies)

jacobsmedia.com

UberAirbnbといった既存のビジネスモデルを破壊するものをピックアップして、ラジオ業界の現状と対比させた記事です。
アメリカの環境と日本の環境では異なる部分も多そうですが、ユーザーのフィードバックを取り入れるなど、共通でできることはありそうです。
個人的にラジオは好きなので、何らかブレークスルーがあると良いのですが。

UX関連記事 (2017/6/5)

先週一週間くらいで私の気になったUX関連の記事を紹介します。

実はページ滞在時間は短い方が良い — アメリカでの最近のUXトレンド (AdverTimes)

www.advertimes.com

ECサイトなどでのWebサイトの滞在時間に関する記事です。
滞在時間が短いほうが、ユーザーが迷わずに済んでいるという説明はなるほどと思います。
一方で、商品の説明を読んだり、他の商品と比較したりするなど、良く吟味して商品を選ぶ人もいると思うので一概にそれが正しいと言えないようにも思います。
滞在時間が適切かどうかは、ユーザーテストなどを通して確認していくのがよさそうです。

キャンセルのキャンセル問題から考えるダイアログデザイン (Goodpatch Blog)

goodpatch.com

iOSでのダイアログの文言に関する記事です。
どのように考えてどういった文言にするべきなのか、わかりやすく書かれています。iOSのヒューマンインターフェースガイドラインの内容にも即していて、参考になります。
一点だけ、明確に破棄というボタンが押されたのでない限り、アクションシートよりもダイアログで示してあげたほうが良いと思いました。

ユーザーリサーチによる無駄な時間とコストを削減するデザインスプリント検証 (root blog)

ic-root.com

ユーザーモデリングに時間をかけるより、素早く試せるものをつくってユーザーテストしよう、ということのようです。
だからと言って、ユーザーリサーチが時間やコストの無駄になるとは思えませんが、ふと考えさせられるのは、「ユーザーのことを最優先に考えることがユーザーにとって一番良いソリューションを生み出す」と妄信していないか、ということです。

ユーザー体験をガラリと変えた、UXのブレークスルーの歴史7選 (ferret)

ferret-plus.com

UXのブレークスルーとは変わった表現ですが、ユーザー体験を大幅に変えた物事についての記事と言えそうです。
7項目紹介されていて、中にはすでに懐かしさまで感じてしまうものもあります。
ここに挙げられているものと被ることを承知で書くと、個人的に2000年以降に大きくUXを変えたものはiPhoneWeb2.0だと思っています。

7 Proven Cognitive Biases (And How They Impact Your Design) (SitePoint)

www.sitepoint.com

認知バイアスについて7項目が挙げられています。
どれも興味深いですが、ひとつめのIKEA Effectは、ユーザーを巻き込むといった意味で、UX検討でかなり役立ちそうです。
それ以外にもAnchoring Effectなど、参考になりそうなものが多数紹介されていますが、5番目に紹介されているDunning-Kruger Effectの事例はなんだか違うような気もします。

Visual Interface of Voice UI (Cooper)

https://www.cooper.com/journal/2017/5/visual-interface-of-voice-ui?www.cooper.com

音声UIでの視覚的なフィードバックの必要性についての記事です。
具体的にどういったタイミングでどのようなフィードバックが必要かが書かれていて、参考になります。
特に大事なのが、2番目に出てくる「こちらが話しているのを聞いているとき」で、ちゃんと聞いているのか不安になるのが一番良くないと思います。
3番目に出てくる「考え中や回答のロード中」については、今後音声入力の先読みが発達することにより、なくなっていくフィードバックかもしれません。